インターネット字書きマンの落書き帳
あらいくんのお見舞いにいこう(BL・しんあら)
終わったというのにまだ書いてる。(挨拶)
一時的に記憶喪失になってしまった荒井くんをお見舞いしている新堂さんの話です。
全てを新堂×荒井の世界線で書いてますよ。
記憶は無いけど親しい人と話していると治るのが早いよ!
といわれたので親しいから新堂さんがお見舞いに来たらお医者さんがお気遣いの紳士で気まずいような思いをする話ですよ。
キスもした事がない童貞の新堂さんという概念が出ます。
何をいってるかさっぱりわからない?
書いている俺もよくわかりませんが、えっちな話をしています。
えっちなはなしを! しています!(復唱)
えっちなはなしを! していますよ!(復唱に復唱)
えっちなはなしを……したかったからです!(衝動は常に二次創作に潜んでいる)
一時的に記憶喪失になってしまった荒井くんをお見舞いしている新堂さんの話です。
全てを新堂×荒井の世界線で書いてますよ。
記憶は無いけど親しい人と話していると治るのが早いよ!
といわれたので親しいから新堂さんがお見舞いに来たらお医者さんがお気遣いの紳士で気まずいような思いをする話ですよ。
キスもした事がない童貞の新堂さんという概念が出ます。
何をいってるかさっぱりわからない?
書いている俺もよくわかりませんが、えっちな話をしています。
えっちなはなしを! しています!(復唱)
えっちなはなしを! していますよ!(復唱に復唱)
えっちなはなしを……したかったからです!(衝動は常に二次創作に潜んでいる)
『治療』
練習が終わると荒井の病室に行くのはもう俺の日課になっていた。
別に荒井に頼まれたって訳でもねぇし誰かから言われた訳でもねぇ。試合の近いボクシング部は練習もキツくなってきてるしそんな暇があるなら走り込みの一つでもした方が有意義なんだってのは頭じゃ理解してんだが、無事なのを確認しねぇとどうにも落ち着かないってのが正直なところだった。
荒井の記憶はまだ途切れてる所があって全てを思い出したって訳じゃねぇ。
最も人間は忘れていく生き物だからよ。本当に全部を思い出す事は無理だとしても、生活に不自由がないくらいは思い出して欲しいじゃねぇか。
アイツはまだ友人の名前も完全に思い出せてねぇ有様だ。なじみの通学路で迷子になっても困る。
医者の話じゃ家族や親しい友人などと話していれば記憶を取り戻すきっかけを作りやすいって話だから、俺でも何か力になれる事があるんじゃ無ぇかと思うのは当然だろう。
……なんて言い訳してるけど結局はアイツの顔を見たいんだろうな。
それに、荒井が俺のことを多く思い出してくれるってのも悪くねぇ。あいつの頭ン中に俺の居場所が大きくなると思うのがスゲぇ楽しいんだ。
独占欲……って言えばそうなんだろうな。
ったく、自分でも知らなかったが、俺ってのはこんなにも他人を支配し自分の手の中にないと気が済まない性質だったとはな……。
「あぁ、新堂さん。来てくれたんですか」
病室を訪ねると荒井はこちらへと視線を向ける。手にしていたのはノートのようだ。俺の視線に気付いたのか荒井はそれをサイドテーブルに置いた。
「これ、僕のノートですよ。授業で僕がとったノートです……流石に勉強まで遅れてしまってはいけませんし、記憶を取り戻すきっかけにもなるだろうって時田くんがもってきてくれたんです」
時田は荒井が親友と呼ぶ相手の一人ではあるが、アレはかなりのくせ者だ。
荒井を助けにいった時も何だかんだで撮影を優先させてたし、次回の映画はドキュメンタリー風で人形に囚われた男の世界観を描く……なんてほざいていたから、今日も見舞いといいながらカメラを回していたに違いねぇ。
それで本当にダチなのかって思うが、荒井が「時田くんがあの事件をどのように味付けするのか興味がある」というのだから荒井の方も大概だろうが……。
俺は荒井が置いたノートを手にとった。
丁寧な字で細々書かれているが……2年の授業内容はこんなだったか? 全然聞いてなかったから覚えてねぇな……。
「幸い、授業の内容はそこまで忘れていないようです。教科書の内容もわかりますし参考書も問題なく解けているので授業についていけない、という事はなさそうですね」
俺はこんな授業を受けたのか記憶も曖昧だが荒井は全部理解しているようだ。
コイツ、頭はとにかくいいからな……器用なタイプではないから反復練習は人より多くしないと出来ねぇんだが……。
俺はノートを元のところに置く。
するとノートが置かれた棚に見慣れないモンが……いや、正確に言うと「見慣れているけどここにあるのは似つかわしくねぇモノ」が置いてあるのに気付いた。
「おい、荒井。これ……」
俺の言葉に気付いたのか、荒井は俺がそれに触れるより先に奪い取るよう握ると後ろ手に隠して俺を見た。
「……いま、見ました? 新堂さん」
上目遣いでそう言うが、見えたもんは仕方ない。
置いてあったのはコンドーム……ゴムだ。荒井の部屋は個室だがそれを差し引いても病院に置いてあるようなもんじゃ無ェだろう。
昨日までは無かったし大体、入院患者のところにあるもんじゃねぇ。
だいたい、そもそも……だ、今の荒井は俺のモンで他の誰かにゃ指一本だって触れさせたくねぇ。それは今回の事件で痛ェほどわかったし、だからこそ毎日悪い虫が付かねぇか監視の意味もこめて見舞いに来てんだ。
それだってのに……。
「おい、どういう事だ荒井」
返答によっては俺は自分が制御できない領域に感情が振り切れるのがわかっていながらつい聞いてしまう。いや、俺には聞く権利があるはずだ。荒井だって今の自分が誰のモンだか自覚してるんだろう。
すると荒井はすっかり顔を紅くして俯いた。
「えぇと……これは、あの。医者が冗談半分で言ったのだと思うから真に受けないで頂きたいんですが……記憶を早く呼び戻すには、親しい人と強い接触がある方が良いということで。僕に……恋人がいるのなら、こういう方法も……と……」
「はぁ?」
「ですから……恋人がいるのならセックスも治療として効果が見込めると……もちろん、僕は未成年ですから大人が率先してすすめる訳にはいかないと言ってましたが、変に黙ってされるならきちんと、その……避妊をしてれば……治療の一環として……と……」
病院だろここ……?
いや、でも鳴神の関連病院だから医者のネジが飛んでてもおかしくねぇか……。
大体、荒井の症状はかなり特殊なモンらしい。詳しい事は俺にも解んねぇが荒井にぶち込まれた薬がかなり珍しいモンで、治療の時も色々な方法を試されたって話だ。
一部の医者は「出来れば夏休み中、いや、もうこのまま病院の研究室に住んでもらってもいいから手放したくないサンプル」とまで言っていた位だから何を提案されてもそこまでおかしくは無ぇか……サンプルにしたいって話を俺が聞いたから退院が決まったって所もあるしな。
……ったく、本当はもっと早く退院できるはずだったのに荒井の両親にテキトーこいて入院長引かせてたとかマトモな病院のする事じゃねぇぞ……。
「だからこんなモン置いてったのか」
「はい……でも、僕は使いませんし……新堂さんも……その、サイズが……」
荒井は視線を逸らしながら言うがこっちも気まずくなる。
普通のサイズだったら確かにそう……そうだ、俺じゃサイズが合わない……いや……今までそんなに自分のサイズがどうこうなんぞ考えた事ぁなかったがまさかこうも違うとはな……。
「……でもいいんじゃねぇか、オマエが使えばよ。オマエのサイズなんだろ」
「そうですけど……僕は、その……射精がなくてもちゃんとイってますから無理には……」
「そうなのか? いつもちゃんと射精(だ)してるだろ」
「それは、新堂さんがイってるのに容赦なく突くから……あぁ、もう何言わせてるんですか? 恥ずかしい……」
……荒井、順調に記憶は回復してるみてぇだな。
俺に関わる事はわりと最近だから思い出すのも早いのかもしれねぇけど……。
「いや、ちょっとまってくれ荒井。イってる? おまえ射精(だ)す前にイってんのか?」
荒井の言葉が気になって、俺はついそんな事を言う。
いつもセックスの時、荒井が射精(だ)す前に俺が射精(だ)してたから荒井はまだイってないモンだと思ってその後、あいつが射精(だ)すまでヤってたんだがひょっとして射精する前にイってたのか?
だとしたら……いつも終わった後まともに口がきけない程ぐったりしてたのは……。
「えっ……え、あ……はい、イって……ます、新堂さんが中に射精(だ)すよりも先に……何度も……あ、あの、気付いてませんでした……?」
「き、気付く訳ねぇだろマジかよ……おまえイったとか言ってねぇし。射精(だ)すモン出さねぇと気持ちよくねぇだろフツー」
「あの……僕は……コッチを使うので射精しなくてもイけるんです。えぇと……ご存じありませんでした……? あぁ、知らないでそうしてたんですね、僕はてっきり……」
「いやいやいや、知ってる訳ねぇだろこっちはキスもセックスもテメェが初めてなんだぞ!」
責められてる気になって、つい今まで言ってなかった事が口から出る。
まずい。絶対に黙っていようと思ってたってのに……いや、でも言えねぇよなフツーはよ。
キスもした事のねぇ童貞が男に迫られて勢いで童貞捨てたとか……荒井の事は大事だし誰にも取られたくねぇとは思ってる。けど、気持ちに整理がついたかっていわれるとそうでも無ェんだ。
俺の言葉で荒井もすっかり赤くなって驚いた顔でこっちを見てた。
そうだよな、言った俺だって驚いてんだからな……。
「そ、そうだったんですか……あの、僕はてっきり……いえ、僕もそうなんですけど、新堂さんはそうじゃないと思ってたんで……だって新堂さん、結構モテるじゃないですか……」
モテる訳ねぇだろ俺みたいな怖ェ顔した金髪の不良がよ……。
三年間ボクシングと不良の喧嘩しか知らないような人間だぞ俺は。
これで振り切ってヤンキーどもと連んでりゃ多少は女に縁もあったんだろうがボクシングを捨てられねぇから周りにゃ汗臭い男どもしかいねぇ。他の運動部みてぇに綺麗なマネージャーでもいれば浮ついた話の一つでも出てきそうなもんだがそれさえ無ェ。
そんな俺にモテる要素がどこにあると思ったんだコイツは? 逆に聞いてみてぇよ。
だいたい、コワモテ不良のヤンキーなんてのはマンガでだってモテ役じゃねぇだろ。
学園青春ラブコメでも金髪でピアス両耳に開けた不良がモテてる話なんざ一度だって見た事ねぇぞ。
そういう意味では荒井の方がよっぽどモテてるだろうが自分の素質気付いてねぇのか?
それとも自分の周囲に近寄ってくる女が頭のおかしい奴ばっかりだからモノの尺度が狂っちまったのか?
「でも……それなら……良かったです」
でもなぁ、荒井。おまえ本当に可愛いんだよな。
それを聞いて俺をバカにするって訳でもねぇ。心の底からそう思って、安心したように笑ってこっち見るからよ……。
嬉しいよな、そういうのは。オマエで良かった……とか思っちまう。
騙されてンのかもしれねぇが、それでもな。
「だったら……治療、試してみるか?」
俺は荒井の手に触れる。
「何いってるんですか……」
「医者が本気か知らねぇが、こんなトコで出来るチャンスなんざ早々ねぇだろ? それに、こういうのは後で笑える方がいいんじゃねぇのか、なぁ?」
触れた手に指先が絡んでくる。
荒井もまんざらじゃ無ェんだろう。俺も……こいつがもう少し元気になるまで、と思って我慢していた所だ。
「……あの、新堂さん。本気ですか?」
「あのなぁ、荒井……俺はこのテの冗談は苦手なんだよ」
「でしたら……あの……僕に、治療をお願いします……僕は、あなたの事をもっと思い出したい。あなたの記憶が、もっと欲しい……」
これ以上言葉にするのも面倒くせぇ。
そう思った俺は荒井と唇を重ね舌をねじ込み黙らせれば荒井もまた俺の身体を抱きしめて拙く舌を搦めてきた。
それからたっぷり医者の言う「治療」をしてやったのは言うまでも無ぇ事だろう。
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