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インターネット字書きマンの落書き帳

   
荒井の話をする曽我と曽我の話をする荒井
殺クラで会う曽我くん、荒井には結構塩対応だよね。
友人関係というより少し距離感がある印象だけど、荒井は曽我くんに関してべた褒めだよね。

荒井は曽我くんのこと、マジで神だと思っている。
だけど曽我くんは荒井のこと有象無象の一つくらいにしか思ってないのでは。

いや、そうだったらいいな!
と思って書きました。

荒井に対して語る曽我と、曽我に対して語る荒井の話です。
一人称語りの作品ですがうちの店の味なので食っていってください。

二次創作、いつも自分に都合がいい!



『曽我は語る』

 はい、確かに僕が曽我ですけれども何か御用でしょうか。
 ……荒井くんの事を聞きたい。
 そうですね、荒井くんは僕にとって、数少ない友人ですよ。
 僕は自分でも人より劣っているのを自覚しています。何をしてもワンテンポ遅いですし、頭もそれほど良くありませんから成績だって平均点をやっととれるくらいです。
 口下手で、皆と賑やかにすごすより一人で音楽を聴いている方が好きですから、傍目からするとつまらない人間です。
 そんな僕と仲良くしてくれるのですから、荒井くんはいい人ですよ。
 勉強も教えてくれますし……そうだ、この前なんてオススメのフランス映画を教えてくれたんですよ。
 僕は映画には明るくないから、嬉しかったなぁ。

 ……なんて、どうやら上辺だけの言葉はもう見抜かれているみたいですね。
 ですが安心してください、貴方が勘ぐるような関係ではありませんよ。
 確かに荒井くんとは話をしますし、彼にちょっとしたお願いを聞いて貰うこともありますけれども、それ以上でも以下でも無い。
 交流はある、他人という訳でもない、ですが親密でもない。その程度の関係です。

 意外ですか?
 なるほど、さして親しくもない僕に対し、荒井くんは何時間も苦労して得た情報を惜しみなく提供するという事が不思議なんですね。
 荒井くんが僕となら、普段の彼がしないような長話をすることも奇妙だと。
 そうですね、荒井くんに少なくない好意を寄せている貴方からすれば、彼を長時間独占する僕の立場は羨ましくも妬ましいといった所でしょうか。

 それならば、殊更に心配は必用ありませんよ。
 荒井くんは傍目からすると美しい人だと、そう思います。同世代の人間を見比べても彼の容姿は妖しく、どこか蠱惑的だとも思います。
 貴方のように恋慕の情を抱き、肉欲の限りを尽くして慈しみたいと思う人がいても、別段不思議には思いません。
 だけど僕は一度だって荒井くんに性を感じたことはありませんから。

 自分のことはヘテロセクシャルだと認識していますので、同性である荒井くんを性の対象にする事はありません。そういう仲を疑っているのであればご心配なく。

 ……そうですね、僕が興味をそそられなくても荒井くんであれば、僕の為になるのなら裸になるのを躊躇いはしないでしょう。

 僕が彼の身体を望んで差し出せと言えば差し出すとも思います。
 彼であれば、僕の前で死ねといえば死ぬとも思っていますよ。

 もしかして、僕が気まぐれで荒井くんの性を蹂躙することや生命を脅かす事も心配しているんですか。  

 それでしたら、杞憂というものですよ。
 だって僕は彼の事を、愚かな人だと思っていますから。

 どこにでもいる、愚かな人間ですよ彼は。
 下らない程に単純な凡夫だ。

 彼が僕の才能を愛しているのは知っています。僕の作る作品に対して高い芸術性を感じている事も、僕を天才だと。あるいは神の域に到達しているものだとも評しているのでしょう。

 荒井くんはそんな僕の芸術になれるのなら、裸になるのを恥じらわない。
 命だって捨てる覚悟がある。

 殊勝なことだと思いますか?

 僕はそうとは思いません。
 だってこの世の中に芸術のため肌を晒す人間なんて、いくらでもいるじゃ無いですか。
 裸なんて芸術の世界では何ら特別なものではないモチーフの一つに過ぎないんです。

 命だってそうだ。
 たった一世紀、100年程度遡ってみても、芸術性の高い作品を生み出した創造主とともに心中するような人間、いくらでもいますよ。
 死ぬ事で芸術の一部になれるとか、死ぬ事で完成する芸術だとか、人間がもう考えている範囲にある既存のモチーフにすぎないんです。

 そんなつまらない事、僕はしませんから。

 畢竟、僕にとって荒井くんもつまらない人間のうちの一人にすぎないんです。
 だからどうぞ、何のご心配もせず。
 荒井くんにもよろしくお伝えください。


『荒井は想う』

 曽我くんが、そんな事を言っていたんですか?
 そうですか……。

 いえ、僕は喜んでいるのです。

 だってそうでしょう、曽我くんほどの天才が僕の名前を覚えていてくれるんですよ。
 つまらない人間だというのを認識してくれている。
 他の人間になんて、曽我くんは本当に興味を抱いていません。空気のように見えない存在なんです。
 だけど、曽我くんは僕のことをつまらない人間であると、凡夫だと、下らないと、そう思ってくれている。

 彼の心に僕がいる。
 神に見てもらえているのが分かったのです、何と素晴らしい事でしょうか。

 それだけで僕は、幸福です。
 これ以上、何も求めませんよ。

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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
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