インターネット字書きマンの落書き帳
袖山くんの誕生日を祝う赤川の話(赤袖/BL)
アパシー 鳴神学園七不思議!
登場人物にやけに3月生まれが多い!
いや、俺の好きなキャラが3月生まれに偏ってるのかなぁ!?
早生まれ……多いね!
という訳で、誕生日には書けなかったけど何とか3月中には!
そう思って頑張って仕上げました、赤川×袖山の誕生日です。
袖山くんの誕生日、春分の日?
ならお休みだね♥
なんて思いながら書きました。
平和な世界線で付き合っていてイチャイチャカップルの赤袖をお楽しみください♥
登場人物にやけに3月生まれが多い!
いや、俺の好きなキャラが3月生まれに偏ってるのかなぁ!?
早生まれ……多いね!
という訳で、誕生日には書けなかったけど何とか3月中には!
そう思って頑張って仕上げました、赤川×袖山の誕生日です。
袖山くんの誕生日、春分の日?
ならお休みだね♥
なんて思いながら書きました。
平和な世界線で付き合っていてイチャイチャカップルの赤袖をお楽しみください♥
『誕生日に趣味が出過ぎたからかくしていたのに見つかっちゃう話』
二つの包み紙を並べ、赤川は思案した。
片方には普段からゲームで遊ばないようなユーザーでも遊びやすいシステムと抜群に面白いストーリーが詰め込まれた評判のゲームが。
もう片方には、ふわふわでモコモコの猫を模した可愛らしいパジャマが入っている。
「ゲームは普段使いできないし、プレゼントに渡すものとしては、遊んだら終わりって気もするけど……流石にこのパジャマを着てほしい! って渡したら引かれちゃいそうだよなぁ」
3月21日は赤川の恋人である袖山の誕生日だ。
休日でもありどこかへデートでもと思っていたが、袖山は「赤川くんはゲームしていたいでしょ? 僕、赤川くんがゲームしている所を見ていたいし、珍しい所に行かなくても赤川くんと一緒にいられれば充分嬉しいよ。あんまり人が多い所に行くと、僕、気分が悪くなっちゃうからそれで赤川くんを困らせたくないしね」と言われた事もあり、今日は一日赤川の家で過ごす事になっていた。
きっと袖山は気を遣ってあえてお家デートを提案したのだろう。実際、学生の赤川にとってデートの出費は大きな痛手だし、そのぶんゲームの購入費を削らなければいけないというのも大きい。
いや、資金であればちょっとしたプログラム作りに携わって資金を得たり、ダークウェブ経由で諸々の情報を売るという方法で何とかなるのだが、袖山から「バイトは禁止されているんだよ。ダークウェブも危険なんでしょ? 赤川くんに危険なことしてほしくないな……」なんて泣き付かれたものだから最近は控えている。
だからせめて、プレゼントは少しでも奮発しようと思ったのだがネットで何かプレゼントに良いものは無いかと探していた所、見かけた猫のパジャマがあまりにも可愛くてつい購入してしまったのだ。
きっと袖山なら似合う。是非とも着てほしい所だが、普段袖山の前では格好いい赤川哲也を演じているのだ。急にこんなプレゼントを渡し、普段の格好いい赤川哲也像を壊す訳にはいかない。
ゲームをプレゼントするなんていかにも赤川哲也の発想だという思いは否めないし、遊び終わったらもう用がなくなるものより普段から使えるものの方が思い出に残るのでは、とも感じたが、ゲームで遊んだ内容だってずっと思い出になり語る事ができるのだから悪いものでもないだろう。
プレゼントはゲームに決めてここぞという時に渡すため、引き出しにかくしておく。
モコモコのパジャマの方は、ベッドの中にでも隠しておこう。
そうこうしているうちにインターフォンが鳴る。きっと袖山が来たのだろう。インターフォンについた画面を確認すれば、どこか不安げに周囲を見渡す袖山の姿があった。赤川の家には何度か着ているが、新興住宅地に建つ赤川の家には似たような建物が多い。この家で良かったのか、きっと不安なのだ。
赤川は大慌てで玄関に向かうと笑顔で袖山を出迎えた。
「いらっしゃい袖山くん。よく来てくれたね、あがってよ。今両親もいないから、のんびり出来ると思うよ」
とびっきりの笑顔を作ったつもりだが、普段から皮肉な笑みばかり浮かべているからどうにも笑顔がぎこちなくなる。
それに、両親がいないアピールは軽率だったか。ひょっとしてエッチな事を考えているんじゃないかと思われていたら恥ずかしい。もちろん、全く考えていないのかと言われれば嘘になるのだが、あまりに露骨にアピールすると袖山は引いてしまうだろう。
今の赤川にとって、袖山に嫌われるということが何よりも不安だった。
「おじゃまします、赤川くん。これ、おみやげ……つまらないものですが」
袖山は赤川にお辞儀をすると、手に提げた紙袋を差し出す。中身は焼き菓子のようだ。袖山は家にくるたびいつも気を遣って、こうしてお菓子をもってきてくれるのだ。
「別にいいって言ってるのに……ほら、あがってよ。僕の部屋でゆっくりして」
恋人の家に来るとはいえ、気を遣うのだろう。あるいは袖山家では友人宅に行く時には失礼のないよう土産を持たせるように言われているのかもしれない。
赤川は袖山の手を引き部屋に案内した後、柔らかなクッションに座らせ人心地つくまで軽い雑談を交わした後、ゆっくりと席を立った。
「まだ飲み物も出してないよね。いま、何か準備してくるから」
「えぇ、気を遣わなくてもいいよ。自分でジュースをもってきたし……」
「それは後で飲めばいいだろ。珈琲と紅茶とどっちがいい? ジュースのほうがいいかな」
「じゃあ、紅茶をお願いするね」
オーダーを受け、赤川はキッチンへと向かう。
冷蔵庫には袖山の誕生日を祝う為に買った小さなホールケーキがある。暖かい紅茶とともにケーキを出せばきっと喜ぶだろう。
「えーっと、紅茶のポットは……あれ、ティーセットはどこにあるっけな」
しかし、慣れないキッチンで紅茶を入れるのは思いの外一苦労だ。
もっと頻繁にキッチンに立って、どこに何があるかくらい把握しておかなければいけないと後悔しつつ、手間取りながらも何とか紅茶とホールケーキを準備し終えた赤川は、トレイに何とかケーキとティーセットを乗せ落とさないよう気をつけながら自室へ戻る。
「ごめん袖山くん、お待たせ。誕生日おめでとう、これ僕からバースデーケーキ……」
ドアを開けた赤川の目に入ったのは、もこもこでフワフワの猫パジャマを着た袖山だった。
「あ、あの、ごめんね赤川くん。何かお布団が不自然に膨らんでるから、何だろうと思ったら、プレゼント……見つけちゃって。あ、あの、これ……着てみたんだけど、変じゃないかな」
あまりの驚きであやうくトレイを取り落としそうになるが、何とかこらえ緊張したままトレイを小さなテーブルに置くと、真っ赤になって袖山を見た。
「違うんだよ袖山くん、それはプレゼントじゃないというか……」
「えっ、違うの。ご、ごめん勝手に着て……すぐ脱ぐから……」
「いや、違わないんだ、それを着てほしいと思ってプレゼントとして買ったけど、流石にこんな可愛い服を準備されたら引かれるかなと思っていて、ちゃんと別のプレゼントも準備してあるけど、何だろう着てくれてありがとうすっごい可愛いね、結婚しようか!?」
袖山が見せるあまりに可愛い表情に耐えかね、しっかり肩を掴みつい早口でまくし立てるうち、思わぬ言葉を口にしている事に気付いた。
だがもう遅い。袖山は顔を真っ赤にして口元を抑えると。
「えぇ!? え、えっと……ふ、ふつつかものですが……よろしくおねがいします……」
ぺこりと小さく頭を下げる。
その姿が愛らしく、赤川は触れるだけのキスをすると耳元で囁いた。
「ごめん、袖山くん……着たばっかりのパジャマ、汚しちゃうかもしれないから脱がすね。あと……ケーキ食べるの、後になっちゃうけど、いいかな」
「う、うん……どうぞ、先に僕を……えっと、僕を、めしあがれ。なんて、言っていいのかな……」
あぁ、やっぱり可愛い。
赤川は声に出すのももどかしいといった様子で夢中になってキスをする。
テーブルに置かれた紅茶は、僅かに湯気をたてていた。
二つの包み紙を並べ、赤川は思案した。
片方には普段からゲームで遊ばないようなユーザーでも遊びやすいシステムと抜群に面白いストーリーが詰め込まれた評判のゲームが。
もう片方には、ふわふわでモコモコの猫を模した可愛らしいパジャマが入っている。
「ゲームは普段使いできないし、プレゼントに渡すものとしては、遊んだら終わりって気もするけど……流石にこのパジャマを着てほしい! って渡したら引かれちゃいそうだよなぁ」
3月21日は赤川の恋人である袖山の誕生日だ。
休日でもありどこかへデートでもと思っていたが、袖山は「赤川くんはゲームしていたいでしょ? 僕、赤川くんがゲームしている所を見ていたいし、珍しい所に行かなくても赤川くんと一緒にいられれば充分嬉しいよ。あんまり人が多い所に行くと、僕、気分が悪くなっちゃうからそれで赤川くんを困らせたくないしね」と言われた事もあり、今日は一日赤川の家で過ごす事になっていた。
きっと袖山は気を遣ってあえてお家デートを提案したのだろう。実際、学生の赤川にとってデートの出費は大きな痛手だし、そのぶんゲームの購入費を削らなければいけないというのも大きい。
いや、資金であればちょっとしたプログラム作りに携わって資金を得たり、ダークウェブ経由で諸々の情報を売るという方法で何とかなるのだが、袖山から「バイトは禁止されているんだよ。ダークウェブも危険なんでしょ? 赤川くんに危険なことしてほしくないな……」なんて泣き付かれたものだから最近は控えている。
だからせめて、プレゼントは少しでも奮発しようと思ったのだがネットで何かプレゼントに良いものは無いかと探していた所、見かけた猫のパジャマがあまりにも可愛くてつい購入してしまったのだ。
きっと袖山なら似合う。是非とも着てほしい所だが、普段袖山の前では格好いい赤川哲也を演じているのだ。急にこんなプレゼントを渡し、普段の格好いい赤川哲也像を壊す訳にはいかない。
ゲームをプレゼントするなんていかにも赤川哲也の発想だという思いは否めないし、遊び終わったらもう用がなくなるものより普段から使えるものの方が思い出に残るのでは、とも感じたが、ゲームで遊んだ内容だってずっと思い出になり語る事ができるのだから悪いものでもないだろう。
プレゼントはゲームに決めてここぞという時に渡すため、引き出しにかくしておく。
モコモコのパジャマの方は、ベッドの中にでも隠しておこう。
そうこうしているうちにインターフォンが鳴る。きっと袖山が来たのだろう。インターフォンについた画面を確認すれば、どこか不安げに周囲を見渡す袖山の姿があった。赤川の家には何度か着ているが、新興住宅地に建つ赤川の家には似たような建物が多い。この家で良かったのか、きっと不安なのだ。
赤川は大慌てで玄関に向かうと笑顔で袖山を出迎えた。
「いらっしゃい袖山くん。よく来てくれたね、あがってよ。今両親もいないから、のんびり出来ると思うよ」
とびっきりの笑顔を作ったつもりだが、普段から皮肉な笑みばかり浮かべているからどうにも笑顔がぎこちなくなる。
それに、両親がいないアピールは軽率だったか。ひょっとしてエッチな事を考えているんじゃないかと思われていたら恥ずかしい。もちろん、全く考えていないのかと言われれば嘘になるのだが、あまりに露骨にアピールすると袖山は引いてしまうだろう。
今の赤川にとって、袖山に嫌われるということが何よりも不安だった。
「おじゃまします、赤川くん。これ、おみやげ……つまらないものですが」
袖山は赤川にお辞儀をすると、手に提げた紙袋を差し出す。中身は焼き菓子のようだ。袖山は家にくるたびいつも気を遣って、こうしてお菓子をもってきてくれるのだ。
「別にいいって言ってるのに……ほら、あがってよ。僕の部屋でゆっくりして」
恋人の家に来るとはいえ、気を遣うのだろう。あるいは袖山家では友人宅に行く時には失礼のないよう土産を持たせるように言われているのかもしれない。
赤川は袖山の手を引き部屋に案内した後、柔らかなクッションに座らせ人心地つくまで軽い雑談を交わした後、ゆっくりと席を立った。
「まだ飲み物も出してないよね。いま、何か準備してくるから」
「えぇ、気を遣わなくてもいいよ。自分でジュースをもってきたし……」
「それは後で飲めばいいだろ。珈琲と紅茶とどっちがいい? ジュースのほうがいいかな」
「じゃあ、紅茶をお願いするね」
オーダーを受け、赤川はキッチンへと向かう。
冷蔵庫には袖山の誕生日を祝う為に買った小さなホールケーキがある。暖かい紅茶とともにケーキを出せばきっと喜ぶだろう。
「えーっと、紅茶のポットは……あれ、ティーセットはどこにあるっけな」
しかし、慣れないキッチンで紅茶を入れるのは思いの外一苦労だ。
もっと頻繁にキッチンに立って、どこに何があるかくらい把握しておかなければいけないと後悔しつつ、手間取りながらも何とか紅茶とホールケーキを準備し終えた赤川は、トレイに何とかケーキとティーセットを乗せ落とさないよう気をつけながら自室へ戻る。
「ごめん袖山くん、お待たせ。誕生日おめでとう、これ僕からバースデーケーキ……」
ドアを開けた赤川の目に入ったのは、もこもこでフワフワの猫パジャマを着た袖山だった。
「あ、あの、ごめんね赤川くん。何かお布団が不自然に膨らんでるから、何だろうと思ったら、プレゼント……見つけちゃって。あ、あの、これ……着てみたんだけど、変じゃないかな」
あまりの驚きであやうくトレイを取り落としそうになるが、何とかこらえ緊張したままトレイを小さなテーブルに置くと、真っ赤になって袖山を見た。
「違うんだよ袖山くん、それはプレゼントじゃないというか……」
「えっ、違うの。ご、ごめん勝手に着て……すぐ脱ぐから……」
「いや、違わないんだ、それを着てほしいと思ってプレゼントとして買ったけど、流石にこんな可愛い服を準備されたら引かれるかなと思っていて、ちゃんと別のプレゼントも準備してあるけど、何だろう着てくれてありがとうすっごい可愛いね、結婚しようか!?」
袖山が見せるあまりに可愛い表情に耐えかね、しっかり肩を掴みつい早口でまくし立てるうち、思わぬ言葉を口にしている事に気付いた。
だがもう遅い。袖山は顔を真っ赤にして口元を抑えると。
「えぇ!? え、えっと……ふ、ふつつかものですが……よろしくおねがいします……」
ぺこりと小さく頭を下げる。
その姿が愛らしく、赤川は触れるだけのキスをすると耳元で囁いた。
「ごめん、袖山くん……着たばっかりのパジャマ、汚しちゃうかもしれないから脱がすね。あと……ケーキ食べるの、後になっちゃうけど、いいかな」
「う、うん……どうぞ、先に僕を……えっと、僕を、めしあがれ。なんて、言っていいのかな……」
あぁ、やっぱり可愛い。
赤川は声に出すのももどかしいといった様子で夢中になってキスをする。
テーブルに置かれた紅茶は、僅かに湯気をたてていた。
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