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インターネット字書きマンの落書き帳

   
風間の前で甘いものを食う新堂の話
新堂と風間が出る話です。

珍しく二人で弁当を食べた後、デザートにマカロンを食べ始める新堂とそれを見ているだけの風間という話ですよ。

新堂が甘いものを幸せそうに食べていてほしい。
新堂に甘くて可愛いものを食べさせたいな!
という欲望だけで書きましたので、その欲望だけしか存在してません。

二次創作! 俺の欲望が詰まっているだけのコンテンツ!



『甘くて優しいお兄さん』

 弁当を食べ終わった後、新堂は食後のデザートといいながらマカロンを取り出す。母親がパート先でシフトを変わった例にもらったのだが、マカロンなど食べ付けないからと息子である新堂へ譲ってくれたのだという。
 薄ピンクや緑に黄色、中には紫なんて味の想像も出来ないようなマカロンを新堂は上機嫌に眺め、どれから食べようかと迷っている。そんな新堂を前に、風間は頬杖をついた。

「新堂って本当に甘いもの好きだよねぇ」

 金髪にピアスといった威圧的な外見の新堂が手のひらに収まる程小さなお菓子に。それも童話に出てくるようなファンシーなものを前に笑顔を向ける姿はアンバランスさを通り越し少し面白い取り合わせに見える。

「まぁな、スポーツって体力使うから、甘いもんが欲しくなるんだよ」

 だが当人はまったく気にする様子もなくピンク色のマカロンをつまむと一口で食べる。よほど美味しかったのか、幸せそうに笑い身体を小さく震わせていた。
 それにしても、何と美味しそうに食べるのだろう。
 風間は食べ物に好き嫌いはないが、こんなに甘いものを嬉しそうに食べて見せた事は早々ない。
 それに、新堂の仕草はいちいち大仰すぎるくらいで、あざとい程可愛く思える。
 自分の顔や立ち振る舞いがチンピラっぽいのは自覚しているだろうにこんなにも可愛く振る舞えることに、風間は関心すら覚えた。

「そんなに可愛いモノ、新堂には似合わないと思うよ。ボクだったらもっと似合うと思うけど」

 一つつまみ食いしようと手を伸ばせば、新堂に素早くたたき落とされる。その目は「マカロンを一つ貰おうなどと甘い、マカロンは値段が高いし数も少ないんだからお前にくれてやる分は一つだってないぞ」と充分すぎるほどに語っていた。

「別に、俺が何食ったっていいだろ。甘いものってのは、女子供が喜びそうな形してる奴が多いんだから仕方ねぇしな」

 今度は緑のマカロンをつまみ、口の中に放り込む。あの色は抹茶か、それともピスタチオだろうか。 いや、マカロンは細かい味や風味などないほど甘ったるいから大雑把な新堂はその味まで気付いているかもわからない。
 新堂は、次に食べるマカロンをつまみながら風間の方を見た。

「実のこと言うと、俺も最初はこんな可愛い食い物が好きな俺に抵抗があったんだよ。男らしくねぇってか……スイーツ系の店って、大概可愛い系だろ。喫茶店でパフェなんて頼んで食ってると、じろじろ見られる事も多かったしな」

 新堂は黄色のマカロンをかじる。あの色は檸檬か、パイナップルだろうか。
 新堂は顔や雰囲気が不良めいている上、金髪で耳にはいくつもピアスを開けているような男だ。そんな男が可愛いパフェをつついていたら否が応でも目立つだろう。男らしさ、女らしさなんて言葉は今どき古くさいが、新堂はそんな古くさい価値観をもつ男だから尚更に可愛い食べ物を好む自分が恥ずかしかったはずだ。

「でもよォ、一緒にパフェを食いに行く栗原とか、袖山なんかがな。パフェ食ってる俺を見て、いつも可愛い可愛いって言ってくれるんだよな。そう言われてると、甘いもの食ってる事に段々抵抗なくなってきたワケよ。俺はあま~いパフェ食ってるのも似合う優しいお兄さんだと思うと、悪くねぇってな」

 なるほど、つまり後輩の褒め言葉を真に受けたという事か。
 いや、新堂の後輩である栗原は新堂に対して心酔に近い感情で接しているし、袖山もどこか常識がずれているような穏やかな性格だと聞くから、本当に甘いものを食べる新堂を可愛いと思っているのかもしれない。
 どちらにしても、それに対してコンプレックスを抱えていた新堂にとっては良かった事なのだろう。

「そうだねぇ、甘いものを食べてる時の新堂はとーっても可愛いから、わかるよ」

 微笑みながら風間が言えば、新堂は一瞬恥ずかしそうに顔を赤くする。風間にからかわれたと思ったのだろう、だがすぐに気を取り直したように笑うと。

「そうだろ、俺は甘い物も似合うかわいいお兄さんだからな」

 なんて、どこか得意げな顔をする。
 以前の新堂は、甘いものが好きだと公言していなかったはずだ。人前で甘いものを食べる事もなかったし、そんな素振りも見せなかっただろう。
 だから今、好きなものを好きなように食べる事ができる新堂の姿を見られるのは、きっと幸せなことなのだ。
 風間は頬杖をついたまま、新堂を見つめる。マカロンのおこぼれに一つもありつけなかったが、嬉しそうにマカロンをつまむ新堂を見ているだけで充分すぎるほど甘いものを堪能できたような心持ちになっていた。

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インターネット駄文書き
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