インターネット字書きマンの落書き帳
0番ホームから帰還した新堂と荒井のはなし(BL)
平和な世界線で別に付き合ってはいない新堂×荒井の話です。
付き合ってないけど付き合いそうな新堂×荒井……ですよッ。
話は昨日の「0番ホーム」の続きなので頑張って昨日の作品も読んでくれると嬉しいです。
昨日の作品は怪談にBLを入れた感じですが、今回はBL全振りでいってますよ。
新堂×荒井のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ!
付き合ってないけど付き合いそうな新堂×荒井……ですよッ。
話は昨日の「0番ホーム」の続きなので頑張って昨日の作品も読んでくれると嬉しいです。
昨日の作品は怪談にBLを入れた感じですが、今回はBL全振りでいってますよ。
新堂×荒井のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ!
『昨日のキスは今日の……』
新堂誠は自分の席に座るとぼんやりスマホを眺めていた。いくらスワイプしても現れる写真はピンボケしているか何を撮ったかわからぬほどノイズがかかっているかで、ひどい有様だ。見られないほど乱れた写真は、昨日荒井と行った「0番ホーム」で撮った写真であった。異世界に行ったのだから記念に、と思ってホームの様子や看板、時刻表など撮ったのだが全部ダメになってしまったようだ。
「写真をとってる時は綺麗にとれていたはずなんだがなぁ」
荒井も何枚か写真を撮っていたが、荒井の写真も全てダメになっているのだろうか。気になった新堂は昼休みになるとすぐ、荒井の教室まで出向いていた。
「よー、荒井いるかー」
教室を覗き声をかければ、幸いにも荒井は友達と弁当を広げている最中だった。
荒井の隣には袖山など新堂も知っている顔がある。
「おう、弁当の途中だったか。悪いな」
「どうしたんですか新堂さん……いえ、ちょうど食事は終わった所なんで大丈夫ですけど」
「いや、昨日さ。写真とったろ? 俺のとった写真はノイズがかかって全然見えないんだが、そっちはどうかと思って」
「その話ですか……僕も少し話したいと思っていたので、待っていてください」
荒井は友達に声をかけ弁当をしまうと「行きましょう」と、新堂の袖を引いた。
そのまま教室棟の屋上まで行き周囲に人の気配がないのを確認してから、荒井は自分のスマホを差し出す。見る限りそちらも0番ホームで撮っていた写真は全てノイズがかかっていて何が写っているのかわからない有様だった。
「お前の写真もそうか、俺のも見ての通りだ」
新堂は自分のスマホを荒井に手渡す。どちらの写真も、どこにでもある駅のホームととれる輪郭は残すものの異質と思えるにじんだ看板ややけに無機質なホームの様子は殆ど残っていなかった。
「ホームで確認した時は綺麗に写っていたんですけどね、僕も自宅で確認したときはもうノイズがかかって見えなくなってました」
「そんな早くから確認してたのか」
「えぇ、異世界に行った証拠ですからね。ですが見ての通り、動画も撮影したんですがそちらはもっとひどいですよ。今日、パソコンを通して復元してみようと思うんですが徒労でしょうね」
荒井の口ぶりは落胆と諦めが半々といった様子だ。怪異について調べていても証拠がつかめない方がよっぽど多いのだろう。
「僕としては0番ホームに行けただけでも喜ぶべき事ですから、写真や動画までは期待してませんでしたけど」
「そうか。ま、異世界に行ったといってもちょっと文字化けしている看板だけなら合成写真だろ、で笑われて終わりだったろうな」
「そうでしょうね。最近は画像にしても動画にしても編集が容易いですから、怖がらせるだけのエフェクトをかけるのは難しくもないですし……やはり実体験に勝るものはありませんね」
荒井からすれば証拠品などは副産物にすぎないのだろう。だが、せっかく異世界に行ったのに何ら証拠がないまま戻ってきたのは寂しくもある。
「なぁ荒井、今日また挑戦してみねぇか」
新堂がそう思ったのは、単純な好奇心からだった。
「あの0番ホームでとった写真がノイズかかって見えるなら、0番ホームでは現実でとった写真にノイズがかかったりするのかとか、スマホじゃなくフイルムのカメラだったらとか色々試してみる価値はあるだろ、な?」
そうして荒井の方を見れば、普段青白い顔をした荒井の頬が目に見えて真っ赤に染まっていた。 その顔で、すぐに昨日自分がした事を思い出す。とっさに、仕方なく、良かれと思った判断のつもりだったが荒井にとっては刺激が強すぎたようだ。
それにしても、この荒井が昨日のことをこんなにまで引きずるとは思ってもいなかった。もっと割り切って受け取るとばかり思っていたのだが。
「あー、悪かったよ、悪かったって。ホント、ごめんな?」
「い、いいんです別に……新堂さんだって助けてくれた訳ですから。ですが、その……もう0番ホームへは行かないと思います。実在の確認がとれただけで、僕としては充分ですので」
「そっか、お前がそういうなら俺も無理強いはしねぇよ。俺一人で行ったら戻って来られなそうだしな」
自分のスマホを操作し、写真を消そうとする新堂の手を荒井は慌てて止める。
「あ、まってください新堂さん。新堂さんの撮ったた写真も復元してみたいので、消してしまうならデータをくれませんか?」
「おう、いいぜ。データ送るな」
スマホを向ければ懸命にデータを受け取る荒井の髪が微かに揺れる。少し前髪が長いが、顔立ちそのものは綺麗だと思う。色白い肌に薄いピンクの唇がやけに栄えているとも。
この唇に昨日、触れたのだ。やわらかく暖かいことはぼんやりと覚えているが、後は怪異のせいで何も覚えていない。
「……勿体なかったか」
「はい? 何か言いましたか?」
「いや、お前の唇な。結構柔らかくて良かったのに、あんな急いで触れるだけのキスじゃ、勿体なかったと思ってな」
新堂の言葉に、荒井はまた顔を真っ赤にする。そしてスマホを突き出すと。
「もう終わりました、ありがとうございます」
なんて、どこか不機嫌な様子で言うのだ。
いや、不機嫌なのは当然だろう。荒井にとって忘れたい記憶をわざわざ蒸し返してしまったのだから。
「あー、悪かった悪かった。変な事言ったよな……」
「別にいいですよ。それより……今度また面白い話を聞いたら、少し付き合ってくれませんか。僕としても一人でいくより、腕っ節に自信のある貴方がいたほうが都合がいいので」
「あぁ、それくらいなら別にかまわないぜ。俺も部活があるから完全にフリーって訳じゃ無ェけどな」
それに、荒井の唇を奪ってしまった罪悪感もある。罪滅ぼしになるのなら怪異探しの付き合いくらい仕方ないとは思ったが。
「……良かった。楽しみにしてますよ」
柄にも無く嬉しそうに笑う荒井を見て、新堂は動揺する。
そんな風に笑われてしまっては、また昨日のようなハプニングを期待してしまうじゃないか。その思いから、新堂は無意識に自分の唇に触れる。
そんな新堂の前で、荒井はどこか悪戯っぽく彼の目を見つめていた。
新堂誠は自分の席に座るとぼんやりスマホを眺めていた。いくらスワイプしても現れる写真はピンボケしているか何を撮ったかわからぬほどノイズがかかっているかで、ひどい有様だ。見られないほど乱れた写真は、昨日荒井と行った「0番ホーム」で撮った写真であった。異世界に行ったのだから記念に、と思ってホームの様子や看板、時刻表など撮ったのだが全部ダメになってしまったようだ。
「写真をとってる時は綺麗にとれていたはずなんだがなぁ」
荒井も何枚か写真を撮っていたが、荒井の写真も全てダメになっているのだろうか。気になった新堂は昼休みになるとすぐ、荒井の教室まで出向いていた。
「よー、荒井いるかー」
教室を覗き声をかければ、幸いにも荒井は友達と弁当を広げている最中だった。
荒井の隣には袖山など新堂も知っている顔がある。
「おう、弁当の途中だったか。悪いな」
「どうしたんですか新堂さん……いえ、ちょうど食事は終わった所なんで大丈夫ですけど」
「いや、昨日さ。写真とったろ? 俺のとった写真はノイズがかかって全然見えないんだが、そっちはどうかと思って」
「その話ですか……僕も少し話したいと思っていたので、待っていてください」
荒井は友達に声をかけ弁当をしまうと「行きましょう」と、新堂の袖を引いた。
そのまま教室棟の屋上まで行き周囲に人の気配がないのを確認してから、荒井は自分のスマホを差し出す。見る限りそちらも0番ホームで撮っていた写真は全てノイズがかかっていて何が写っているのかわからない有様だった。
「お前の写真もそうか、俺のも見ての通りだ」
新堂は自分のスマホを荒井に手渡す。どちらの写真も、どこにでもある駅のホームととれる輪郭は残すものの異質と思えるにじんだ看板ややけに無機質なホームの様子は殆ど残っていなかった。
「ホームで確認した時は綺麗に写っていたんですけどね、僕も自宅で確認したときはもうノイズがかかって見えなくなってました」
「そんな早くから確認してたのか」
「えぇ、異世界に行った証拠ですからね。ですが見ての通り、動画も撮影したんですがそちらはもっとひどいですよ。今日、パソコンを通して復元してみようと思うんですが徒労でしょうね」
荒井の口ぶりは落胆と諦めが半々といった様子だ。怪異について調べていても証拠がつかめない方がよっぽど多いのだろう。
「僕としては0番ホームに行けただけでも喜ぶべき事ですから、写真や動画までは期待してませんでしたけど」
「そうか。ま、異世界に行ったといってもちょっと文字化けしている看板だけなら合成写真だろ、で笑われて終わりだったろうな」
「そうでしょうね。最近は画像にしても動画にしても編集が容易いですから、怖がらせるだけのエフェクトをかけるのは難しくもないですし……やはり実体験に勝るものはありませんね」
荒井からすれば証拠品などは副産物にすぎないのだろう。だが、せっかく異世界に行ったのに何ら証拠がないまま戻ってきたのは寂しくもある。
「なぁ荒井、今日また挑戦してみねぇか」
新堂がそう思ったのは、単純な好奇心からだった。
「あの0番ホームでとった写真がノイズかかって見えるなら、0番ホームでは現実でとった写真にノイズがかかったりするのかとか、スマホじゃなくフイルムのカメラだったらとか色々試してみる価値はあるだろ、な?」
そうして荒井の方を見れば、普段青白い顔をした荒井の頬が目に見えて真っ赤に染まっていた。 その顔で、すぐに昨日自分がした事を思い出す。とっさに、仕方なく、良かれと思った判断のつもりだったが荒井にとっては刺激が強すぎたようだ。
それにしても、この荒井が昨日のことをこんなにまで引きずるとは思ってもいなかった。もっと割り切って受け取るとばかり思っていたのだが。
「あー、悪かったよ、悪かったって。ホント、ごめんな?」
「い、いいんです別に……新堂さんだって助けてくれた訳ですから。ですが、その……もう0番ホームへは行かないと思います。実在の確認がとれただけで、僕としては充分ですので」
「そっか、お前がそういうなら俺も無理強いはしねぇよ。俺一人で行ったら戻って来られなそうだしな」
自分のスマホを操作し、写真を消そうとする新堂の手を荒井は慌てて止める。
「あ、まってください新堂さん。新堂さんの撮ったた写真も復元してみたいので、消してしまうならデータをくれませんか?」
「おう、いいぜ。データ送るな」
スマホを向ければ懸命にデータを受け取る荒井の髪が微かに揺れる。少し前髪が長いが、顔立ちそのものは綺麗だと思う。色白い肌に薄いピンクの唇がやけに栄えているとも。
この唇に昨日、触れたのだ。やわらかく暖かいことはぼんやりと覚えているが、後は怪異のせいで何も覚えていない。
「……勿体なかったか」
「はい? 何か言いましたか?」
「いや、お前の唇な。結構柔らかくて良かったのに、あんな急いで触れるだけのキスじゃ、勿体なかったと思ってな」
新堂の言葉に、荒井はまた顔を真っ赤にする。そしてスマホを突き出すと。
「もう終わりました、ありがとうございます」
なんて、どこか不機嫌な様子で言うのだ。
いや、不機嫌なのは当然だろう。荒井にとって忘れたい記憶をわざわざ蒸し返してしまったのだから。
「あー、悪かった悪かった。変な事言ったよな……」
「別にいいですよ。それより……今度また面白い話を聞いたら、少し付き合ってくれませんか。僕としても一人でいくより、腕っ節に自信のある貴方がいたほうが都合がいいので」
「あぁ、それくらいなら別にかまわないぜ。俺も部活があるから完全にフリーって訳じゃ無ェけどな」
それに、荒井の唇を奪ってしまった罪悪感もある。罪滅ぼしになるのなら怪異探しの付き合いくらい仕方ないとは思ったが。
「……良かった。楽しみにしてますよ」
柄にも無く嬉しそうに笑う荒井を見て、新堂は動揺する。
そんな風に笑われてしまっては、また昨日のようなハプニングを期待してしまうじゃないか。その思いから、新堂は無意識に自分の唇に触れる。
そんな新堂の前で、荒井はどこか悪戯っぽく彼の目を見つめていた。
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