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インターネット字書きマンの落書き帳

   
サプライズに向かなすぎる男(ルーチェス)
時は令和である。(挨拶)
というワケで、令和なのでウィザーズハーモニーのルーファス×チェスターを書こうと思います。

2月はルー君の誕生日だからね。
2月の初めくらいに書いておきたかったんだけど、間に合いませんでした。
ルー君の誕生日になっちまったなッ!

誕生日になっちまったけど、誕生日前の話をします。
ルーチェスもうCPになってるので、普通にイチャイチャしてますよ。




「特別な日は驚きとともに」

 それは今月に入ってすぐの事だった。

「一応言っておくけど、プレゼントは期待するんじゃ無ぇぞ」

 どっかりと椅子にこしかけ腕を組むと、チェスターはやや横柄な態度で言う。
 いや、態度が大きいのは今にこした事ではないか。
 ルーファスはそう考え直し、魔術書をめくった。

「プレゼント? 何かあったっけ……」
「何かって、お前の誕生日だろ!? 忘れてたのか」

 言われてルーファスは今月が自分の誕生日だった事を思い出す。
 といっても、まだ10日も先だから考えていなかったのだ。

「あぁ、そういえばそうだった。で、何かくれるのか、チェス?」
「聞いてなかったのかよ!? だからっ、誕生日にプレゼントを期待しても、俺は何も渡すつもりはないからなッ」
「そっか。残念だけど仕方ないよね。チェスターも学生だし、そんなにお金もないだろ。俺も1年の頃は勉強について行くだけで精一杯だったから小遣い稼ぎなんて出来なかったもんなぁ。別に無理しなくていいよ、気持ちだけで嬉しいから」

 ページをめくりながらそうこたえれば、チェスターはやや拍子抜けしたような顔を向けた。

「何だよッ、もっと残念がるかと思ってたぜ」
「残念は残念だよ。期待してなかったといえば嘘になるからなぁ……でも、プレゼントをしようと思っていたんだろ? その気持ちが嬉しいのは本当だし、俺はチェスが傍にいてくれればそれなりに嬉しいからね。誕生日、一緒にいてくれるんだろ?」

 当然のようにそう聞けば、チェスターは耳まで紅くし狼狽える。

「あっ、あっ、あ、当たり前だろッ! プレゼントもあるし、ケーキの注文だってしてるんだから……」

 そしてそう口にした瞬間、「しまった」といった表情を浮かべた。

「あれ? 何だ、ケーキもプレゼントも準備してくれてるのか。じゃぁ何でプレゼントはないって……あ! そうか、サプライズにするつもりだったんだな?」
「ちがっ……ホントに準備とかしてねぇからッ……プレゼントも買ってないしッ、ケーキの予約もしてないッ」
「ホントかな。チェス、さっきからずーっと顔が赤いけど」
「赤くなってねぇよ! ……ホントに何も準備してないし、一緒にいれるかどうかもわからないから、とにかく期待するなよ!」

 チェスターはそう言うと、慌てて席を立つ。
 これ以上ルーファスと話していたらボロが出るという事に気付いたのかもしれない。
 だが去り際に。

「プレゼント、見つからないように隠しておかねぇと……」

 ぽつりとそう言ったのは、ルーファスの耳に入る。

 きっとケーキも準備してくれているのだろう。
 そして二人で誕生日を祝おうと思ってくれているのだ。

 直情的で何でも顔に出るからサプライズなんて到底向かないのに、それでも内緒で喜ばせてくれようとしてくれるのは有り難い。
 だから今は気付かないふりをしよう。

「あーあ、残念だな。俺はチェスと一緒に誕生日祝いたかったのにな……」

 ルーファスはそう言いながら、自然と笑顔になる。
 今はただ誕生日が待ち遠しかった。

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