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インターネット字書きマンの落書き帳

   
眠たい襟尾と見守る利飛太
櫂利飛太と襟尾純が出る話です。
ずーっと徹夜で捜査をつづけていて「まだまだいけますよ!」って意気込んでるけど「もうやめておけ」とストップがかかった襟尾が、ヨロッヨロで利飛太の事務所に転がり混んでくるような話ですよ。

襟尾はボスに対して「な、何をいってんだオメー……」みたいな危うい所がある男だけど、利飛太に対してもそういう所があるといいなぁ。
なんて思った話です。

こう、信頼している相手には危ういような事を言い出しちゃう、自分のこと可愛いって自覚が全然ない襟尾という概念……。
もぐもぐ……。(無言で食ってる)



『危うい男』

 その日、櫂利飛太の個人事務所を訪ねたのはすっかり覇気の無くなった襟尾純であった。

「おはよう、リヒタ。いや、こんにちは……なのかな」

 目の下にひどいクマが出来ているのがわかる。シャツもしわだらけで足取りもおぼつかない上、今が朝なのか昼間なのかも分からない様子から襟尾が休みなく街中をかけまわり仕事をしていたのは一目瞭然であった。

「どうしたんだいエリオ、随分とお疲れじゃぁないか」
「うん、まぁ。仕事でね、まだ終わってないんだけど、全然休んでないから少し休めっていわれて。でも、そうする訳にもいかないだろ? 事件解決してないんだしさ。だから、仮眠したらすぐ戻ろうと思って……」

 襟尾は最後まで言い終わらぬうち事務所に置かれたあるカウチソファーへ倒れ込む。それを見て、利飛太はやれやれと大きくため息をついた。

「まさかエリオ、ここで寝ていくつもりかい?」
「だって、家まで遠くってェ……もう限界で、全然動けなくってェ……だめかな?」
「ま、別にいいさ。今日来る予定の依頼人もいないしね。だけどそんな所で寝て、疲れがとれるとは思わないけれども」
「う、うん……んー」

 利飛太言葉に、襟尾は生返事をする。もう頭の半分は眠っているのだろう。この調子だともし家に帰らせても無事に到着するかもあやしいものだ。
 電車のなかで居眠りし気付いたら全然知らない駅にいた、なんて事になるのなら利飛太の事務所で寝ていた方が幾分かは安全だろう。
 それに、襟尾がそう思って利飛太の事務所まで来たのだとすれば、警察を辞めた今でも襟尾にとって利飛太は信頼できる友人だと思ってくれている証拠でもある。
 信頼されている限り、それを裏切るのも申し訳ない。利飛太はそのような考えをする男であった。

「心配しなくても大丈夫だよ、リヒタ……椅子で寝るのなんて慣れてるし……このソファーはふっかふかで寝心地いいくらいだ……」

 襟尾は寝ぼけた声で辛うじて返事をする。きっともう、意識の半分は夢にいるのだろう。

「それで、どれくらい寝るつもりだ。仮眠とはいったが……」
「うーん、20分くらい?」
「おいおい、20分で疲れがとれる様子には見えないぞ。本当はどれくらい休みがとれているんだ?」
「んー……出勤は明日でいいんだけど、まだ事件解決してないだろ。だから、気になるから、2,3時間で起こして……」

 この口ぶりから、やはり何日も徹夜で捜査をし続けていたに違いない。 全く休もうともしないから上司が無理矢理に休んでこいと命令され半ば強引に現場から離されたのだろう。
 それでも仮眠をしたら職場に顔を出そうと思っているのはいかにも襟尾らしいが、無理をさせる訳にもいかなそうだ。
 寝てしまったら起きるまでそっとしておこう。

「2,3時間か……とても起きられそうには見えないけどな」
「そっかー……このまま永遠に眠り続けたりしたらどうしようかな」
「何言ってるんだ、そういうタイプじゃぁないだろうキミは」

 襟尾はソファーに仰向けになるとぼんやりとした顔で利飛太を見る。そしてさも楽しそうに、悪戯っぽく笑うのだ。

「もしオレが起きなかったら、キスして目覚めさせてくれよな。王子様」

 バカな事を言うなと思うが襟尾の大きな目と可愛い顔立で無邪気な笑顔とともに言われると一瞬ドギマギしてしまい、言い返す機会を逸する。
 それに対して襟尾は目を閉じると、静かに寝息を立て始めた。

「まったく、本当に何を言っているんだか。まさか上司にまでそんな物言いをしてるんじゃないだろうな、エリオ」

 利飛太は呆れながらも傍にあったタオルケットを手に取るとそれを襟尾にかけると、眠る襟尾の頬を優しく撫でてやるのだった。

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インターネット駄文書き
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