インターネット字書きマンの落書き帳
泡沫はこんなにも美しく(アルヤマ)
アルフレートくんとヤマムラさんが付き合っています。
(至極真面目な顔で自分の幻覚を説明するスタイル)
いやー、俺はですねぇ、「寝たふりをしている」「眠ろうとしている」「だけど意識がある」って状態の相手にキスをする話がだぁ~い好きなんですよ。
だから今回はそのような話を……書きました!
疲れていて眠気が勝り、意識はあるけど身体を動かすのが億劫だな~。
くらいの状態のヤマムラさんにキスをしてくるアルフレートくんの話です。
これは! 若い男に手玉にとられているというヤマムラさん概念が似合うと思うので!
アルヤマですよ! やったね!
読んで元気になってください!
(至極真面目な顔で自分の幻覚を説明するスタイル)
いやー、俺はですねぇ、「寝たふりをしている」「眠ろうとしている」「だけど意識がある」って状態の相手にキスをする話がだぁ~い好きなんですよ。
だから今回はそのような話を……書きました!
疲れていて眠気が勝り、意識はあるけど身体を動かすのが億劫だな~。
くらいの状態のヤマムラさんにキスをしてくるアルフレートくんの話です。
これは! 若い男に手玉にとられているというヤマムラさん概念が似合うと思うので!
アルヤマですよ! やったね!
読んで元気になってください!
『夏の夢は泡沫のごとく』
その日、ヤマムラは狩りに戻って装束を脱ぐとすぐさまベッドに身を投げ出した。
這いずり回るように走り続けてた訳ではない。むしろ普段の狩りと比べればよっぽど動かなかっただろう。
だが動かない狩りというのはそれで神経をつかうものだ。
耳を澄まし周囲の様子に気を配ってただじっと獲物を待つ。長時間ただ待つだけというのは身体を動かすのとは違う消耗がある。
これならまだ走り回っている方が気が楽だったろう。
そんな事を思いながらベッドで微睡むヤマムラの耳にドアが開く音が聞こえる。そういえばあまりの疲れでドアを閉めるのもわすれていたか。盗まれるようなものもないから気にしなかったが少し不用心だった。
「あれ、ヤマムラさん。寝てるんですか?」
だがその声を聞いて安心する。 どうやら入ってきたのはアルフレートのようだった。
初めて会った時、アルフレートはヤマムラの武器を見て血族の手のものと思い非道く手荒い歓迎をしてくれた。
疑いが晴れてからはやけにヤマムラに懐いてきて、冷たくあしらうのも悪いと思い優しく接しているうちに好意がそのまま行為となってヤマムラの身体を悦ばせる関係になっていたのだ。
アルフレートだったら自分に害を加える事はないだろうし、もし自分を殺そうとしたのならそれはそれで仕方ないとヤマムラは思っていた。
知らぬうちに恨みを買っていたのは悲しいが、愛しいと思った相手に殺されるというのはこのヤーナムでは滅多にない幸福な死に方なのだから。
「ヤマムラさん……」
アルフレートの足音はヤマムラのベッドへと近づいてくる。
起きて出迎えてやるのが道理だろうが今は身体を動かすのがひどく億劫だったから、アルフレートには悪いがこのまま今日は眠りにつこう。そんな思考さえもまどろみに飲み込まれそうになるその狭間からヤマムラを引き戻すよう、アルフレートは彼と唇を重ねた。
挨拶代わりにする触れるだけのキスではなく、身体を求め愛を確かめる時にする情熱的な貪るようなキスには半ば眠りかけていた脳髄は否が応でも目覚めに傾く。
だが意識が目覚めていても身体にまとわりついた汗のような疲れがすぐにとれる訳でもなく、完全に覚醒に至らなかった身体は感覚だけが鋭敏になり身体がうまく動かないというひどくちぐはぐな状態になっていた。
「ヤマムラさん……ヤマムラさん……」
アルフレートはそんな最中でも愛しそうに何度も名を呼んではヤマムラの耳をくすぐる。
名残惜しそうに離れた唇から滴る涎を拭うと休む暇もないまま今度は胸を滑り、痺れるような快楽はどんどん高まりついに耐えきれぬ程になっていた。
「はぁ……ッ、っ……あ……アル? アル……」
たまらなくなって声を漏らせばアルフレートの顔に妖しい笑み浮かぶ。
「起きたんですか、ヤマムラさん。それとも寝たふりでした?」
吐息がかかる程の近くで囁いた後、質問の答えなど聞く必用はないといった顔で唇を塞ぐ。
一時の暇もあたえずキスを雨のように降らすアルフレートに意識は奪われ一度微睡みにおちかけた脳はますます朦朧としていった。
「くる、しい……やめてくれ、アル……このままじゃ、溺れてしまう……」
あまり自由にならない思考と身体からかろうじて苦しみを訴えれば、アルフレートは彼の胸をなぞりながら艶やかに笑う。
「ふふ、すいません。私が来たのに寝たふりをしていたと思ったら少し……お仕置きしたくなっちゃったんです」
「それは……ちが、う。俺は……」
別にわざとじゃない。身体を動かすのが少し億劫だっただけだ。
半ばまどろみに入っていたので狸寝入りという訳ではない。だが何をいってもきっとアルフレートは言い訳としかとらないのだろうし、疲れなどから答えなかったのもまた事実だ。何と返事をすればいいのか躊躇ううちにアルフレートの指先がヤマムラの肌を滑る。
得も言われぬ感覚が理性を飲み込み身体を昂ぶらせた。
「やめてくれ、という割には身体はとっても欲しそうですよ。どうしますか、ヤマムラさん」
ヤマムラの身体を撫でながら、アルフレートは悪戯っぽく笑う。
彼が望むままに自分の身体を貪って自由に扱って欲しいとは思うが、今の身体があまりにも自分の思いと乖離して思うように動かないのもまた事実だ。
アルフレートはヤマムラを喜ばせてくれるだろう。だが頭の半分が夢に奪われたような状態ではヤマムラが思うようにアルフレートを喜ばせる事ができるとは思えない。 ただしてもらうというだけなのは申し訳ない気がしたし、どうせなら二人で存分に楽しみたいというのが本音だった。
「アル……俺は……」
自分の身体がまだ動くのかそれとも夢に絡め取られているのか判別できないまま、ヤマムラは告げる。
それは心に浮かんだ素直な願いであり、また自分の今を精一杯に伝えた言葉だった。
「自分の身体が自分のものと思えないほど……夢に、身体が喰われて消えそうなんだ。だから……キミを喜ばせる事が出来ない、かわりに俺の身体を……好きに、してくれ。すべて夏の夜にとけてしまうように……」
その言葉を聞き、アルフレートは楽しそうにそして妖艶に笑う。
「わかりました、ヤマムラさん。あなたの夢にひとときの喜びと、そして惑いを」
それから蜜とも毒とも思えぬ口づけを繰り返し注げるだけの思いをヤマムラへと注いでいた。
もしこの世界がすべて夢であり泡沫の出来事だとしてもはじける泡のなかに一つでも熱狂と歓喜が入り交じった思い出があるのならそれはきっと幸福なことだろう。
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