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インターネット字書きマンの落書き帳

   
花さえも嫉妬に至る病(ヤマアル)
ヤマムラに対しては人一番束縛と独占欲とその他もろもろが強くなってしまうアルフレート=サン概念です。

ヤマムラが部屋に飾っていた花。
それが誰かからのプレゼントだと知ったら嫉妬しないワケにはいかないフレートくんですよ。

双方めんどくい男たち。
めんどくさい男たちが……好きです!

気持ちとしてはヤマアル。
だがイニシアチブ的には……アルヤマかもね。




「面倒くさい男たち」

 ヤマムラの部屋に入れば、珍しく甘い香りがした。

(これは……一体何の……)

 不思議に思いアルフレートが室内を見渡せば、窓辺に白い花が一輪挿してある。
 ただ一輪だが部屋中に甘い匂いがする、美しい花だ。

「珍しいですね、花を飾るなんて」

 部屋に入り挨拶もそこそこにアルフレートはついそう漏らす。
 ヤマムラが部屋に赤い実のついた木の枝や野山で摘んだ花などを飾るのは実の所をいうとさほど珍しい事ではなかったのだが、こんなにも強い香りがする花を飾る事は少なかったからだ。

「あぁ、それね。いい香りだろう?」

 ヤマムラは椅子に腰掛け、児童向けの本を読んでいた。
 こちらの言葉を喋る事はできるが未だに文字の読み書きが不得手なヤマムラは、よくこうして児童書を読み自分の知る言葉と単語とを確認しているのだ。
 彼はページをめくりながら、特に気のない様子で言った。

「それ、綺麗だろう? 今日、長の……ヴァルトールの代わりに買い物へ出かけたら礼に一輪くれたから飾らせてもらったんだ」

 その一言で、アルフレートはとたんに不機嫌になる。

「どうしてわざわざそんな花を飾るんですか……」

 花は飾らなければ勿体ないのは分かっている。
 花瓶に活けておかなければすぐ萎れてしまうのもだ。

 だがそれでもヤマムラが誰かにもらった花を部屋に飾っているという事実に苛立っている自分を隠す事が出来なかった。
 その花がヴァルトールからのものと言えば尚更だ。

「せっかく貰ったんだし、枯らしてしまったら可愛そうだろう?」
「そうですけど……」

 納得はしているが、理解しきれない。
 そんな顔をしているアルフレートを見て、ヤマムラはゆるく笑って見せた。

「どうした、嫉妬してるのか? ……俺が誰かからもらった花を飾るのも許せないのか」
「そ、そんな事ッ……」
「相変わらず、面倒くさい男だなキミは」

 そう言われ、アルフレートは唇を噛み俯く。
 特に言い返す事が出来なかったからだ。

「そうですよッ……どうせ私は嫉妬深くて、独占欲が強くて、束縛が強くてッ……面倒くさい男ですよ……」

 半ば自棄になって吐き捨てるような言えば、ヤマムラは肩をふるわせながら笑う。

「何ですか、何がオカシイんですかっ。仕方ないじゃないですか……貴方に対しての思いも嫉妬も、どうしても止める事が出来ないんですから……」
「いや、悪い。可笑しいワケではないんだ……ただ、やっぱりそう嫉妬してくれるのかと思うと少しばかりくすぐったくってな」

 ヤマムラはそう言いながら読んでいた本をテーブルに置いた。

「実の事をいうと、この花はもらったものじゃない。俺が森で見かけて手折ってきたものだ。珍しい花だと思ったのと、キミに似た白い花だったからね」
「えっ……何で。何でそんな嘘をつくんですかっ……」
「キミがそう言うと俺に嫉妬してくれるか確かめたかった……といったらキミは怒るかな。悪かったね、試すような真似をして」

 そしてゆっくり立ち上がるとコップの水を花につぎ足し、香りの残る手でアルフレートの頬に触れる。

「……つまるところ、俺も独占欲の強い面倒くさい男なんだよ。キミの愛は俺のものであってほしいし、そうであれば嬉しいと思う。そんなつまらない支配欲を確かめるために嘘をつく、つまらない男だ」

 穏やかに笑うその顔はどこか悪戯っぽく、それがやけに愛おしく見えて。


「貴方でもそんな嘘つくんですね……」
「あぁ、そうだ。軽蔑したか?」
「……いいえ。それに乗せられ嫉妬する私だって大概、面倒くさい男ですよ」
「そうか、面倒くさい男同士でお似合いか?」
「そうですね……そうかもしれない」

 と、そこでアルフレートは不意にヤマムラの鼻をつまむ。

「痛ッ……何をするんだキミは」
「でも、それはそれ。これはこれ、です……下手な嘘で私を騙してからかった罰はたーっぷり受けてもらいますからね?」

 そして鼻を押さえ俯くヤマムラを少し強引に抱き寄せると、アルフレートは彼と唇を重ねた。
 嫉妬、束縛、独占欲。
 それらを全部ヤマムラの中へと注ぎ込むようにして。

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インターネット駄文書き
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