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インターネット字書きマンの落書き帳

   
サンドウィッチが上手に作れないグ・ラハくん概念(ネタバレあり)
番組の途中ですがここでFF14です。(挨拶)

ここ暫く毎日狂ったように何かを書き続けていたのですが……。
少し脳を休めたほうがいいよという天啓を受けたので気分転換に「サンドウィッチをうまくつくれないグ・ラハくん」の話を書きます。

暁月完了の後、みたいな話で書いているので暁月くらいのネタバレがあります。
がんばってFF14を6.0まで終わらせてね!

この話には自ヒカセンが出ます。
グ・ラハくんが主役なので自ヒカセンはあくまでエッセンス程度のつもりですがそれでも「こいつ邪魔だな」と思ったら何というか……。

俺のヒカセンは俺のために可愛いので許してください!
自ヒカセンの設定こちらです

<自ヒカセン設定>

なまえ:シェヴァ
ねんれい:21歳(自称)
しゅぞく:みこって・さんしーかー
すきなことば:何でもよくかんで食べよう




『水っぽいサンドウィッチ』

 ソファーに座るシェヴァの腹がぐぅと音をたてるのを聞いてグ・ラハ・ティアは耳をピンと立てた。

「何だ、腹が減ってるのか?」
「うん、そうみたい……今日は朝、慌ててパンだけしか食べなかったからかなぁ。今からちょっと何か食べて来ようかな」
「まってくれ、それなら俺がいま何か作るよ。外に行くのは面倒だろ」
「いいの? それならお願いしちゃおうかな。おれ、コーヒーをいれておくから」

 二人はそんなやりとりをし、グ・ラハはキッチンへ。シェヴァはコーヒーメーカーの前へそれぞれ向かう。 キッチンの食料品を覗けば賢人パンに混じりハムやベーコンなど新鮮な食材がいくつも並んでいた。
 栄養さえとれれば味は二の次、といった人間が多いシャーレアンでもバルデシオン委員会では比較的に色々な食材が多いのはシャーレアンの外で活躍するメンバーが比較的に多いのもあるだろう。とうぜん、グ・ラハ憧れの英雄に魚粉の味しかしないような賢人パンを出す訳にはいかない。だが使える食材も時間も限られているとなるとやはりサンドウィッチのような手軽なものがいいだろう。

「そういえば、クリスタリウムでもサンドウィッチを差し入れた事があったっけな……」

 グ・ラハは自分の記憶を頼りにサンドウィッチを作り始めた。
 クリスタリウムにいた頃のグ・ラハは今の姿ではなく「水晶公」として街をおさめていた。本当の姿をさらす訳にはいかず顔も隠して名前も変え接していたが目の前にいる英雄は憧れであり届かない場所で輝く星のような存在だった。
 手に届かない相手だと思いながらもせめてこのサンドウィッチを食べて少しでも彼が元気になってくれたのならと料理を作る自分を周囲の人間は随分と不思議そうに見ていたのは今でも覚えている。
 街をおさめる人間が手ずからそんな事をせずにと思ったのだが、あの時はどうしても彼に何かをしてあげたい気持ちが勝っていたのだ。
 そんな彼と、今は同じ世界で旅をしている。
 あの時は「ただ一度かもしれない」と思った差し入れだったがこれからは何度か作れるのかもしれない。
 食べてくれたのか。美味しかったのか。
 その感想はとうとう聞けないままだったがこれからはきちんと言ってくれるのだろう。
 今日のサンドウィッチは美味しいといってもらいたい。
 そして出来ればこれからもずっとそう言い続けて欲しいと、そう思って作ったのだが。

「あれ……あれ。あれー?」

 出来たのは、やけにパンが水っぽくなって切り口の歪んだ不格好なサンドウィッチだった。
 おかしい。水晶公であった時はもう少しマシなカタチをしていたのだが、以前より下手になっている……?

「ラハくーん、コーヒー入ったよ!」

 でも、あんまり憧れの英雄を待たせる訳にはいかない。

「あー! もー! くそ、仕方ないな!」

 グ・ラハは極めて遺憾ながらもいびつなサンドウィッチをシェヴァの前へと出した。

「わー、ラハくんありがと! おなか減ってたからうれしー」

 シェヴァは顔いっぱいに笑顔を浮かべ、グ・ラハが作ったサンドウィッチを前に手を叩いて喜んで見せる。 だけど明らかに歪でトマトもキュウリもべちゃべちゃ、マスタードもはみ出ているサンドウィッチだ。今のところは何とか崩れずサンドウィッチの体裁を留めているが食べてるうちに具がはみ出してぽろぽろとこぼれるのは間違いないだろう。
 暖かなコーヒーを前に、耳がしおれていくのが自分でもわかった。

「なんか、ごめんな。うまく……いかなくて……」
「うまく? ……おいしいよ! 何であやまるのさ-」
「でもほら、以前……クリスタリウムでいた頃に差し入れた奴より……カタチもおかしいし味もへんじゃないか? ……前よりへんな飯作っちゃってさ。何か……ゴメン」

 自分から勇んで作るといったのにこんなべちょべちょのサンドウィッチを作ってしまったのが申し訳なかったし、水晶公と呼ばれていた頃より明らかに下手になっていたのも納得できなかった。
 自分は水晶公であり、だが全くおなじ存在でもない。それを理解しているからこそ、未来と過去を生きた「水晶公」に自分が負けているような気がしたのも非道く悔しかったのだ。
 だがシェヴァは何も気にしてないように笑う。

「そんなの気にしないよ! おなかに入れば一緒だし、俺だっていつも成功するわけじゃないし」
「でも! でもさ……俺、もっと美味しいもの食べて欲しかったし。何か……失敗した料理とか……」
「そう? 俺のために作ってくれた料理なんてせかいじゅうでいちばーんおいしいよ? 失敗なんかじゃないし」

 シェヴァは屈託なく笑う。心の底からそう思っているのだろう。

「ラハくんが俺のためにつくってくれたんだから、失敗とか思うわけないだろ! 料理って上手とか下手とかは関係ないし、やっぱり自分のために作ってくれたのって最高に嬉しいし」
「でも……」
「でもね! でも、もし水晶公時代の自分より下手になったなーとか思ってるんなら、それは仕方ないとおもうんだ。人間って、知識と行動は完全に一緒じゃないから……水晶公の頃と比べてまだ料理はそこまで慣れてないから、あの頃より上手じゃないのは当然だと思うし。それに……おれは水晶公の『上手になったサンドウィッチ』しかしらないけど。これからラハくんが『上手になっていくサンドウィッチ』を楽しめるんだろうなとおもうと、おれそれがすっごく嬉しいよ!」

 グ・ラハは顔をあげ、シェヴァの笑顔を見つめる。
 ずっと遠くにしか存在しないと思っていた英雄はいま近くで、自分とさして歳のかわらない一人の青年として笑っているのだ。 自分も一緒に笑って一緒に失敗しながらともに過ごす事が出来る。それをもっと喜んでもいいのだろうし、彼もきっとそれを望んでいる。
 自分のなかにある憧れが大きすぎてまだどこかぎこちなくなってしまいがちだけれども……。

「そっか、じゃ、今度はうまく作るから見ててくれよな!」

 別にいつだって完璧じゃなくたっていいんだ。
 そもそも水晶公の頃だって決して完璧な人間ではなかったのだから。
 そうして笑うと、シェヴァもまた楽しそうに尻尾をぱたぱた振ってみせた。

「また今度もつくってくれるの? 楽しみー……じゃ、俺もその時もっとおいしいコーヒーいれるからね!」

 互いに笑いあう二人の前に置かれたカップからは暖かな湯気がたちのぼっていた。

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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
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