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インターネット字書きマンの落書き帳

   
あらいくんを誘拐しよう!(※not犯罪予告)
やぁみんな、推しを誘拐するのは好きかな?
(※犯罪を助長する意図はありません)
俺は好きだよ!
(※犯罪予告ではありません)

という訳で、これから「荒井昭二を誘拐して監禁したい」という欲求を駄々漏らしする話を日々ゆっくりと更新していこうと思います。

・新堂誠×荒井昭二の世界線で話が進んでいるよ(俺の趣味だ)
・荒井くんを監禁するのはモブだよ(俺の趣味だ)
・気持ちが折れなければ助ける所まで書くよ(頑張れ俺)
・折れてしまったら作者が遁走するよ(頑張れ俺)

自由な二次創作……していこうね!
作者が遁走しないよう祈っていてね!




【a room somewhere / 荒井昭二のいる部屋】

 僕が目を覚ました部屋は僕の知らない部屋でした。
 身体が沈むほどに柔らかなベッドは暖かく良い香りがしていかにも高級そうな誂えでしたが、それとは裏腹に室内はまるで牢獄のように冷たい石造りの部屋だったのです。
 僕の目線より高い場所につけられた窓は冷たい鉄格子がはめられていましたし、室内にはベッドの他には何も見当たりません。
 そのときの服装は緑の寝間着……というより入院患者が着るような前開きの服でした。室内にトイレや風呂とおぼしきドアがある他に分厚い鉄でできた扉があります。
 その扉にはのぞき窓のような部分と食事用のトレイを出し入れできるような隙間があり、内側からは外の様子が一切わからない代わりに向こう側からは好きなように覗く事が出来るのです。そういった作りからも、僕ますますその部屋が牢獄のように思えたのです。
 もちろん、僕の抱いた牢獄のイメージはテレビや漫画などで見た罪人を閉じ込める部屋のイメージであり実際の刑務所や留置所とは全く違うのでしょうが。
 室内に時計のようなものはなく、唯一の窓も遮光カーテンが敷かれていたため室内はやけに薄暗かったです。電灯のスイッチなども見当たらず、近くには懐中電灯のようなものもありません。試しにポケットを探ってみましたが、当然スマホなどもありませんでした。
 そもそも、僕の着ている服にはポケットそのものがなかったのですが。

 そういえば、スマホはどこかに置いてきたのを僕は思い出しました。
 何となく、こうなるのを予測しておいてきたのだろうとそう思います。
 だけど何処に置いてきたのか。何を予測したから置いてきたのかといった部分は非道く曖昧でそれが僕の不安を一層書き立たせるのです。

 少しでも冷静にならなければ不安に押しつぶされてしまう。
 そうなってしまえばこの場の空気に飲まれ流されてしまう。
 その思いから僕はいちど深呼吸をし、改めて室内の観察を始めました。

 ベッドから身体をおこして見える範囲はやはり灯りも乏しく今が日中なのか夜なのかさえわかりません。壁や床は石造りでしたから牢獄のように見えるこの部屋そのものがよりそれらしさを追求し趣向をこらしたある種の趣味を突き詰めた部屋だったろうと思います。唯一の出入り口とおぼしき扉にはドアノブがついていませんでしたのでこの部屋が誰かを閉じ込めることに特化した作りなのは明白でしょう。
 そもそも一つの部屋に風呂とトイレが備え付けられている時点で少しおかしいですよね。
 アパートの一室だったらまだわかるのですが、通常の住宅にその部屋だけでつかえるトイレや浴室なんてほとんど意味がありませんから、この部屋はもともと誰かを閉じ込めこの部屋だけで完結させるために存在したのでしょう。

 例えばそう、誘拐・監禁などを目的として連れ去った相手を暫くそこに住まわすための部屋。
 あるいは座敷牢というものでしょうか。生まれた時から隠さなければいけないような出自の子を密かに隠して育てるか、頭が狂って人前では出せないような人間を無理矢理閉じ込めておくなどするための部屋です。

 はたして僕はそのどれなのでしょうか。
 誘拐され監禁されているのか、生まれた時からこの部屋にいるのか、それとも気が触れてしまい閉じ込められてしまったのか……。
 それさえも曖昧なのは、僕自身が僕という人間の正体をよくわかっていなかったからでしょう。
 目覚めてからずっと頭には黒い靄がかかったように記憶も思い出も曖昧で、自分のことが誰なのかすらよくわかっていなかったのです。
 ちょうど長い夢を見て起きた直後に今が現実かまだ夢の中にいるのか判別つかないような状態が近いのでしょう。
 僕は自分が何者だかわかっていませんでした。

 幸い室内は熱すぎることも寒すぎることもありませんでしたが、だからこそ今が何時頃なのか、どれくらいの季節なのか判断が出来ません。窓の位置はやや高く僕の身長ではカーテンを開ける事すらできないのは一目瞭然でした。
 せめて室内に何か場所や時間がわかるものが無いだろうか。
 そう思った僕は身体を起こしてベッドから立ち上がろうとした時、僕の足はまるで歩き方を忘れてしまったかのように力なくその場へ膝をついてしまったのです。
 理由はわからないのですが、足に一切の力が入らず立っている事ができなくなっていたのです。
 その上、足が非道く痛み歩こうとするとまるでカミソリで出来た床の上を歩かされているような痛みであるじゃないですか。
 一体どうしてこんな事になってしまったのでしょうか。
 見る限り僕の足は普通の足で大きな怪我などしている様子はありません。ですが足に感覚はなく、歩こうとすると非道く痛むのです。
 声を失い足を手に入れた人魚姫は、その代償に歩くと鋭い剣で刺されたように痛むというのはアンデルセンの創作ですが、僕の足にある痛みもまるでそのようなものでした。
 僕の身体に何がおこったのでしょう。
 僕は痛みでベッドに戻ることもできず、毛布を引き寄せて小さくなることしか出来ませんでした。

 ここは、どこなのでしょうか。 どうして僕はここにいるのでしょう。
 何故こんなに足が痛むのでしょうか。見る限り怪我などしていないのに、歩くと身体が刻まれるような痛みのせいで立ってもいられないのです。
 身体にも力が入らず、ベッドから転がり落ちてしまった今再びベッドに戻る程の力もありませんでした。

 ですが、それより恐ろしかったのはやはり自分が何者だかわからなかったという事でしょう。
 寝起きのせいだと言い聞かせ冷静になろうと思いましたが、僕は名前だけではなくここにいる理由すらも曖昧だったのです。
 どうしてこんな牢獄のような部屋に閉じ込められなければいけないのでしょうか。
 身体の自由もきかない状態では思うように動けませんし、外に出られたとしても名前が思い出せない僕はどこに帰ればいいのでしょう。
 不安で押しつぶされそうになり、いったいどれだけその部屋で小さくなっていたのでしょう。

「……ショージ、起きれたのかい。どうしてそんな所に……あぁ、ベッドから転げ落ちてしまったんだね。いますぐ、ベッドに戻してあげるから」

 かんぬきを外すような音がしたかと思えば鉄扉の向こうから知らない男が姿を現しました。
 僕より一回りは年上に見えたと思います。色白で人なつっこい笑顔を浮かべた綺麗な人でした。 ショージ、というのは僕の名前でしょうか。随分親しげに見えますが、僕の知り合いか。あるいは家族なのかもしれません。

「あ、あの。えぇと……あなたは……」

 僕は驚きと戸惑いの入り交じった中、精一杯聞けたのはそれだけでした。
 だけど彼はぼくの言葉を聞いて非道く落胆したような顔をしたものだから、何となく悪いような気がしたのです。

「そうか、まだ僕が誰だかわからないか……まぁいいさ、ゆっくりやっていこう。ひとまずベッドに戻すからね」

 彼は笑顔のまま僕を抱き上げると、ベッドへ横にしました。 ベッドは柔らかくその人も優しかったのですが僕はもう何がなんだかわからずに湧き出してくる不安をついその人へとぶつけていました。

「あの、僕は……僕はどうしてここにいるんですか? 足は歩けるほど力もないですし、歩こうと思うと非道く痛むんです。それに、僕は僕のことを何も覚えていない……僕は、何者ですか。あなたは……」

 そこまで言い、ぼくは彼の顔をようやくゆっくり眺める事が出来たのです。
 綺麗な顔立ち。ずっと年上で背の高い痩躯の、青白い肌をもつこの人を、僕は知っている。艶やかな黒髪とガラス玉のように輝くが活力のないこの目をどこかで見た事がある。
 僕はこの会った事があるはずだ。

 不思議ですね、自分のことは何も覚えていないというのに他人であるこの人については何とはなしに覚えていたのです。
 同時に、頭の奥底で警鐘が鳴り響くのです。
 おかしい、僕がこの人の傍にいるということがおかしい。僕はこの人とそこまで親しい間柄ではない。それなにのどうしてこの人は僕を「名前」で呼ぶんだ。

 そうだ、ショージ……昭二はぼくの名前だ。だけどそれをこの人に伝えた事はないはずだ。
 それなのに、どうしてこの人は……。

 割れる程に痛む頭を抑え、僕はほとんど無意識に言葉にしていました。

「どうして、なんですか。僕の名前を、どうして知っているんです。僕はあなたに名乗った事はない……僕は、確かに『荒井』とは言いました。あの時は、時田くんと一緒で……だけど名前は聞かれなかったからこたえなかった。だけどどうして、どうして知っているんです」

 おぼろげな記憶が断片的に浮かぶのですが、そのどれも曖昧で本当にあった出来事なのかさえもわかりません。
 だけど僕の言葉を聞いて、その人はひどく落胆したようでした。

「……やはりまだ完全になじんでいないようだね、荒井くん」

 彼の言葉で僕は確信しました。
 そう、僕は「荒井昭二」だと。それが僕の名前で、鳴神高校の二年生だと。
 何故そんな当たり前の事を忘れていたのでしょう。
 それに、自分の名前を思い出してもまだ疑問はあります。

 ここが何処なのか。
 どうしてこの人がここにいるのか。
 僕の足が動かない理由は一体何なのだろうか。

「好奇心ばかりが募っていく、といったところかな。だけどごめんね荒井くん。キミにこたえてあげられる事は何もないんだ。そう、なぁんにも……ね」

 その人は優しい笑顔のまま素早く僕の首に「何か」を突き刺したのです。
 それは針のようにも見えたし注射器のようにも見えました。何かしら液状の薬が入っていたのは間違いないでしょう。
 針が刺さるチクリとした痛みの後、身体の中に異物が注がれる感覚が染み渡ればぼくはすぐに声を出すことすら出来ずベッドへと沈んでいきました。

「もう少しだけ眠っているといい。次に起きた時は荒井くんではなく、ぼくのショージでいてほしいものだけどね」

 急激な眠気が僕の意識を夢の世界へ押し戻そうとします。
 そこでこのあぁ、そうだ。この人は……。
 眠っては、いけない。眠ってしまったら今度こそ僕は「荒井昭二」でいられなくなるのだから。
 そんな危機感だけを残したまま、僕の意識は闇へと消えた。

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東吾
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男性
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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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