インターネット字書きマンの落書き帳
【そばに居てくれるだけで嬉しい事もある(赤袖/BL)】
平和な世界線で普通に付き合ってる赤川×袖山の話をします。
赤川くんと袖山くん、二人とも基本的には普通の男子高校生なので青春……って感じが強くていいですね。
普段は新堂×荒井をかいているので、二人とも初心い赤川くんと袖山くん書いていると「oh……パモさん男の子同士の恋愛をwatch……カワイイ、カワイね……」って気持ちになっちゃいます。
べつに新堂×荒井を描いている時にただれた気持ちを抱いている訳ではないですが。
(新堂×荒井もかわいいよ!)
今回のはなしは、パニックになると動けなくなっちゃう袖山くんが体育の時間に動けなくなって、赤川くんに保健室まで連れていってもらう。
そんな話ですよ。
赤川くんと袖山くん、二人とも基本的には普通の男子高校生なので青春……って感じが強くていいですね。
普段は新堂×荒井をかいているので、二人とも初心い赤川くんと袖山くん書いていると「oh……パモさん男の子同士の恋愛をwatch……カワイイ、カワイね……」って気持ちになっちゃいます。
べつに新堂×荒井を描いている時にただれた気持ちを抱いている訳ではないですが。
(新堂×荒井もかわいいよ!)
今回のはなしは、パニックになると動けなくなっちゃう袖山くんが体育の時間に動けなくなって、赤川くんに保健室まで連れていってもらう。
そんな話ですよ。
『誰かがそばにいるという事』
袖山勝が心身ともに落ち着きを取り戻した時、保健室のベッドで横になっていた。
「袖山くん、気付いたのか? もう大丈夫かい?」
隣では赤川哲也が袖山の手を握りながら心配そうに顔をのぞき込んでくる。
赤川の少し長い前髪が頬に触れ、少しのくすぐったさを抱きながら袖山はゆっくりと起き上がるのだ。
「うん、もう大丈夫だよ赤川くん。僕は……」
そこで袖山は倒れる前の記憶をぼんやりと思い返す。
体育での球技の時間だ。突然迫ってくるボールを前に不安と緊張が限界に達し、突然呼吸が苦しくなったのだ。
胸が圧迫され、何とか息を整えようとしても首を絞められたようにうまく空気が吸えず頭がぼんやりとしてくる。ひょっとしたらこのまま死ぬんじゃないか。その恐怖から膝をついた時、異変に気付いて真っ先に駆け寄ってくれたのは荒井昭二だった。
「大丈夫かい、袖山くん。また発作が出たのかな……時田くん、赤川くん、袖山くんをコートから出すから手伝って」
近くにいるはずの声が遠くに聞こえる最中、時田が肩を貸してくれたことで何とか立ち上がる。
「荒井くん、何かもってきた方がいいかな、紙袋を口に当てるといいんだっけ?」
そう話すのは赤川だろうか。
慌てた様子で周囲を見る彼を荒井は静かな様子で留めた。
「紙袋は必用ありません、今はそのままゆっくり呼吸を整えてもらうほうが主流なんですよ。紙袋だと窒息の可能性もありかえって危険になりますから……用の無い生徒は授業に戻りましょう。変に気を遣ってしまうと、袖山くんもかえって気にしてしまうでしょうから……」
丁寧な様子で物怖じする事も無く場を仕切る様子は有り難い。
驚いて袖山の周囲を囲んでいた生徒たちも荒井と教師の言葉もあり各々が持ち場へと戻っていく中、赤川は彼の傍らに膝を付いて手を握ってくれていた。
「大丈夫かい、袖山くん……」
返事をしたいが、思うように声が出ない。
喉からはヒューヒューと音が漏れるばかりだった。
「赤川くん、無理に話しかけないでください。呼吸が整うまで話すのは無理ですから……呼吸が落ち着いてきたら、袖山くんを保健室に……お願いできますか?」
「わかった、立てるようになったら僕の肩を叩いてくれよ、袖山くん」
袖山は辛うじて頷くと、意識して深呼吸をした。
呼吸は整ったと言える状態ではないが、最初に発作がおこった時より随分と楽になっただろう。 何とか立ち上がれるようになってから、赤川の手を借りて保健室までたどり着きすぐさまベッドで横になり少しうとうとしていたのだが、赤川は心配してくれたのかずっとそばにいたようだ。
「赤川くん、ありがとう。ずっとそばにいてくれたんだね」
「そんな、礼を言われるような事はしてないさ。僕なんてキミが倒れた時、狼狽えるばかりで荒井くんのように指示をすることも、時田くんのようにキミをコートから出す事も出来なかったんだから……こんなんじゃ、恋人失格だよ」
赤川は鼻の頭を掻き、申し訳なさそうに頭を下げるものだから袖山はすぐさま彼の手をとり強く握りしめていた。
「そ、そんな事ないよ赤川くん。僕は、昔からこう……すぐパニックになって倒れちゃうからキミに迷惑をかけて、恥ずかしいと思っているのに……そんな僕を嫌わないでそばにいてくれるのが、どれだけ嬉しいか……」
握った手は自然と強くなり、頬は赤く染まる。へんな事を言っている自覚はあるが今言わなければ後悔するような気がして、袖山は赤川の方を見た。
「赤川くん、僕のこと好きになってくれてありがとう。僕も、本当にキミの事が大好きだよ」
「袖山くん……目、閉じてくれる?」
赤川に目を閉じるよう促され瞼を閉じれば、彼の吐息が頬へ触れるほど近くなる。
キスをしてくれるのだろうと思うと、恥ずかしさと期待が入り交じった気持ちが否応なしに心臓の鼓動を高めた。
初めてするキスが保健室でいいのだろうか。ベッドはカーテンで仕切られているけど他の生徒もいると思うと少し緊張する。
だがその緊張も。
「おーい、なおったらベッドから出ろー。イチャイチャしてる暇があるならちゃんと授業に戻れ、若人ー」
カーテンを開けながら意地悪く笑う保険医・葛城の言葉が留める。
流石に葛城にバレたのなら戻らなければいけないだろう。
「す、すいません葛城先生、ありがとうございました!」
赤川と袖山、二人は転がるように保健室を出ると時計を見ながら歩き出す。
体育の授業は終わりそうだが、教師の前に顔を出した方が安心するだろう。一度は体育館に戻って、どうするかはそれから考えよう。 並んで歩く途中、赤川はちらりと袖山を見た。
「ご、ごめん。袖山くん、なんか僕、いま袖山くんの弱みにつけこんでキスしようとした気がする……」
「そんな事ないよ……僕もしてほしいな、と思っているから……」
「今度、ちゃんとするから……もうちょっと待っててくれるかい?」
赤川は自然と袖山の手を握る。その手は少し汗ばんでいて、赤川でも緊張しているのだというのが伝わったから。
「……うん、待ってる」
袖山は自然と笑顔になり、彼の手を握り返す。
体育の授業も、間もなく終わりを迎えようとしていた。
袖山勝が心身ともに落ち着きを取り戻した時、保健室のベッドで横になっていた。
「袖山くん、気付いたのか? もう大丈夫かい?」
隣では赤川哲也が袖山の手を握りながら心配そうに顔をのぞき込んでくる。
赤川の少し長い前髪が頬に触れ、少しのくすぐったさを抱きながら袖山はゆっくりと起き上がるのだ。
「うん、もう大丈夫だよ赤川くん。僕は……」
そこで袖山は倒れる前の記憶をぼんやりと思い返す。
体育での球技の時間だ。突然迫ってくるボールを前に不安と緊張が限界に達し、突然呼吸が苦しくなったのだ。
胸が圧迫され、何とか息を整えようとしても首を絞められたようにうまく空気が吸えず頭がぼんやりとしてくる。ひょっとしたらこのまま死ぬんじゃないか。その恐怖から膝をついた時、異変に気付いて真っ先に駆け寄ってくれたのは荒井昭二だった。
「大丈夫かい、袖山くん。また発作が出たのかな……時田くん、赤川くん、袖山くんをコートから出すから手伝って」
近くにいるはずの声が遠くに聞こえる最中、時田が肩を貸してくれたことで何とか立ち上がる。
「荒井くん、何かもってきた方がいいかな、紙袋を口に当てるといいんだっけ?」
そう話すのは赤川だろうか。
慌てた様子で周囲を見る彼を荒井は静かな様子で留めた。
「紙袋は必用ありません、今はそのままゆっくり呼吸を整えてもらうほうが主流なんですよ。紙袋だと窒息の可能性もありかえって危険になりますから……用の無い生徒は授業に戻りましょう。変に気を遣ってしまうと、袖山くんもかえって気にしてしまうでしょうから……」
丁寧な様子で物怖じする事も無く場を仕切る様子は有り難い。
驚いて袖山の周囲を囲んでいた生徒たちも荒井と教師の言葉もあり各々が持ち場へと戻っていく中、赤川は彼の傍らに膝を付いて手を握ってくれていた。
「大丈夫かい、袖山くん……」
返事をしたいが、思うように声が出ない。
喉からはヒューヒューと音が漏れるばかりだった。
「赤川くん、無理に話しかけないでください。呼吸が整うまで話すのは無理ですから……呼吸が落ち着いてきたら、袖山くんを保健室に……お願いできますか?」
「わかった、立てるようになったら僕の肩を叩いてくれよ、袖山くん」
袖山は辛うじて頷くと、意識して深呼吸をした。
呼吸は整ったと言える状態ではないが、最初に発作がおこった時より随分と楽になっただろう。 何とか立ち上がれるようになってから、赤川の手を借りて保健室までたどり着きすぐさまベッドで横になり少しうとうとしていたのだが、赤川は心配してくれたのかずっとそばにいたようだ。
「赤川くん、ありがとう。ずっとそばにいてくれたんだね」
「そんな、礼を言われるような事はしてないさ。僕なんてキミが倒れた時、狼狽えるばかりで荒井くんのように指示をすることも、時田くんのようにキミをコートから出す事も出来なかったんだから……こんなんじゃ、恋人失格だよ」
赤川は鼻の頭を掻き、申し訳なさそうに頭を下げるものだから袖山はすぐさま彼の手をとり強く握りしめていた。
「そ、そんな事ないよ赤川くん。僕は、昔からこう……すぐパニックになって倒れちゃうからキミに迷惑をかけて、恥ずかしいと思っているのに……そんな僕を嫌わないでそばにいてくれるのが、どれだけ嬉しいか……」
握った手は自然と強くなり、頬は赤く染まる。へんな事を言っている自覚はあるが今言わなければ後悔するような気がして、袖山は赤川の方を見た。
「赤川くん、僕のこと好きになってくれてありがとう。僕も、本当にキミの事が大好きだよ」
「袖山くん……目、閉じてくれる?」
赤川に目を閉じるよう促され瞼を閉じれば、彼の吐息が頬へ触れるほど近くなる。
キスをしてくれるのだろうと思うと、恥ずかしさと期待が入り交じった気持ちが否応なしに心臓の鼓動を高めた。
初めてするキスが保健室でいいのだろうか。ベッドはカーテンで仕切られているけど他の生徒もいると思うと少し緊張する。
だがその緊張も。
「おーい、なおったらベッドから出ろー。イチャイチャしてる暇があるならちゃんと授業に戻れ、若人ー」
カーテンを開けながら意地悪く笑う保険医・葛城の言葉が留める。
流石に葛城にバレたのなら戻らなければいけないだろう。
「す、すいません葛城先生、ありがとうございました!」
赤川と袖山、二人は転がるように保健室を出ると時計を見ながら歩き出す。
体育の授業は終わりそうだが、教師の前に顔を出した方が安心するだろう。一度は体育館に戻って、どうするかはそれから考えよう。 並んで歩く途中、赤川はちらりと袖山を見た。
「ご、ごめん。袖山くん、なんか僕、いま袖山くんの弱みにつけこんでキスしようとした気がする……」
「そんな事ないよ……僕もしてほしいな、と思っているから……」
「今度、ちゃんとするから……もうちょっと待っててくれるかい?」
赤川は自然と袖山の手を握る。その手は少し汗ばんでいて、赤川でも緊張しているのだというのが伝わったから。
「……うん、待ってる」
袖山は自然と笑顔になり、彼の手を握り返す。
体育の授業も、間もなく終わりを迎えようとしていた。
PR
COMMENT