インターネット字書きマンの落書き帳
つまみ食い事変(赤袖/BL)
平和な世界線で普通に付き合っている赤川×袖山の話を……します!
赤川×袖山はいいぞ。
新鮮にイチャイチャしている真っ直ぐにお互いが好きな男子高校生CPを書いている気持ちになれる、それは私という人間を豊かにするのだ……。
そんな気持ちをいつも、抱いてます。
今回の話は、荒井に対して軽率に悪戯したり、弁当のつまみ食いをするけど、袖山は大事だからそんなことできない赤川が、そんな事してもらえないからと嫉妬されちゃうような話ですよ。
赤川×袖山のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ!
赤川×袖山はいいぞ。
新鮮にイチャイチャしている真っ直ぐにお互いが好きな男子高校生CPを書いている気持ちになれる、それは私という人間を豊かにするのだ……。
そんな気持ちをいつも、抱いてます。
今回の話は、荒井に対して軽率に悪戯したり、弁当のつまみ食いをするけど、袖山は大事だからそんなことできない赤川が、そんな事してもらえないからと嫉妬されちゃうような話ですよ。
赤川×袖山のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ!
『悪戯』
「ひとつ、もーらい」
そう言うが早いか、赤川は荒井の弁当から卵焼きをひとつつまんで口に入れた。
「荒井くんの家は卵焼き、いろいろ入ってて美味しいよね、おかずっぽい味だ」
口の中でちりめんじゃことほうれん草がしゃきしゃき音をたてる。その様子を見て、荒井は呆れた顔を見せた。
「つまみ食いはやめて下さい、言えば上げますから」
すでに赤川が他人の弁当からおかずをつまみ食いするのは日常になっていたが、荒井は一応釘を刺す。だが、赤川はひらひらと手を振るとスマホゲームを片手に笑って見せた。
「何言ってるんだい、君の眼を盗んで食べるから楽しいんじゃないか」
その態度に悪びれる様子はない。ゲームが何よりも好きな赤川にとって、荒井のおかずをつまみ食いするのもゲームの一環なのだろう。
「僕は別にいいんですけどね」
荒井は弁当を食べながら赤川へ眼をやる。 その視線は僅かだが挑発的な色を見せていた。
「袖山くんはどう思うでしょう」
不意に袖山の名前を出され、赤川は困惑した。赤川は袖山と付き合っているから、彼の名前を出されると弱いのだ。
「そ、袖山くんは関係ないだろ? 別に荒井くんが心配しなくとも、仲良くやってるし」
赤川はそう告げると、ぷっと頬を膨らませた。
赤川は袖山にベタぼれしている。いつだって袖山を必用以上に甘やかし、壊れ物のように丁重に扱っている凄まじいほどの溺愛っぷりは傍目からすれば明らかなのだが、袖山は自分を過小評価する傾向があり、赤川からいくら愛されていても不安が拭えないようで、いつでも「赤川くんに僕はふさわしくないんじゃないか」と心配するような臆病なところがある。
最も、赤川にとって袖山のそんな態度がますます庇護欲を掻き立てられ、余計に愛しく思えるようで、袖山がいじけるたびに溺愛が増すというスパイラルに陥っていた。
「君はそう思ってるみたいだけど、袖山くんは気にしていましたよ。君は僕の弁当をつまみ食いするけど、袖山くんにはしないって」
むくれる赤川に、荒井はそんな指摘をする。
確かに赤川は、荒井の弁当はつまむが袖山の弁当を勝手に食べた事はない。
「いや、それは、袖山くんにそんなことしたらかわいそうだからに決まってるだろ?」
だがそれは、袖山愛しい気持ちからだった。
他の友人たちのことをゲームの駒くらいにしか思っていない赤川だが、袖山は常に特別で守るべき恋人なのだから。
当然、荒井はそれを知っている。だからこそ、少し語気を強めた。
「袖山くんは、自分の弁当が美味しそうに見えないからかつまみ食いをしてくれないんだ、なんて気にしてましたよ。最近は赤川くんに食べてもらえるよう、自分でお弁当を作ってるのに、かわいそうじゃないですか」
「えっ? 袖山くんのお弁当、袖山くんの手作りだったの?」
それは、初耳だ。最近は学食やパンより弁当を持参することが増えていると思ったが、まさか手作り弁当だったとは思ってもいなかった。
「気付いてなかったんですか? 君に食べてもらうため、練習してるんですよ」
荒井は当然、といった顔でそう告げるが、赤川は驚き思わず立ち上がる。
「えぇ、ぼ……僕の為に?」
「そうです、本当に気付いてなかったんですか?」
赤川は幾度も首を縦に振る。同時に、胸の内から愛しい気持ちと、袖山に会いたい気持ちがふつふつと湧き上がってきた。
確か、今日の袖山は仲の良い先輩に誘われ学食で弁当を食べているはずだ。その先輩につまみ食いなどされていたらどうしようと思う。袖山の手作り弁当を、自分以外の誰かが食べる可能性がある、それが赤川にはとても耐えられなかった。
「僕、学食に行ってくる!」
赤川はそう告げると突然走りだす。それを横目に、時田は呆れた顔をした。
「赤川くんて、袖山くんに関してはすっごいバカになるよね」
荒井もまた、小さく頷き弁当を食べる。
「人を好きになると、少しは愚かになるものですよ」
つまみ食いする犯人がいない昼食は、いつもより静かだった。
おまけ >
学食で袖山を見つけた赤川は、開口一番こう言った。
「袖山くん、袖山くんの手作り弁当をつまみ食いさせてください」
丁重にお辞儀し宣言する赤川を前に、袖山は真っ赤になりながら弁当を差し出した。
「ど、どうして僕のお弁当が手作りだって知ってるの? あ、荒井くんから聞いたのかな。えっと……ど、どうぞ。好きなやつを召し上がってください」
おずおずと差し出された弁当を前に、赤川はつい拝む。
こんなに神々しい弁当があるのか、という気持ちを抱き食べる事さえ惜しい気持ちになるが、それは袖山に対して失礼だと思い直し、卵焼きをひとつつまむと口の中に放り込んだ。
その瞬間、ものすごい熱波と痛みが口の中に広がっていく。
「か、辛い! なっ……何これ、辛い!? 卵焼きが!?」
困惑する赤川を見て、袖山の隣に座っていた新堂が笑う。
「ははっ、辛いよなぁ。袖山のやつ、普段から家でも辛いもんばっかり喰ってるから、味付けが辛くなりがちなんだよ……」
「あぁ、ごめんね赤川くん。まだ、普通の味付けがよくわからなくて……お水、お水……」
袖山に渡された水を一気に飲み、赤川は人心地つく。
袖山の手作り弁当を食べられるようになるのは、もう少し先のようだ。
「ひとつ、もーらい」
そう言うが早いか、赤川は荒井の弁当から卵焼きをひとつつまんで口に入れた。
「荒井くんの家は卵焼き、いろいろ入ってて美味しいよね、おかずっぽい味だ」
口の中でちりめんじゃことほうれん草がしゃきしゃき音をたてる。その様子を見て、荒井は呆れた顔を見せた。
「つまみ食いはやめて下さい、言えば上げますから」
すでに赤川が他人の弁当からおかずをつまみ食いするのは日常になっていたが、荒井は一応釘を刺す。だが、赤川はひらひらと手を振るとスマホゲームを片手に笑って見せた。
「何言ってるんだい、君の眼を盗んで食べるから楽しいんじゃないか」
その態度に悪びれる様子はない。ゲームが何よりも好きな赤川にとって、荒井のおかずをつまみ食いするのもゲームの一環なのだろう。
「僕は別にいいんですけどね」
荒井は弁当を食べながら赤川へ眼をやる。 その視線は僅かだが挑発的な色を見せていた。
「袖山くんはどう思うでしょう」
不意に袖山の名前を出され、赤川は困惑した。赤川は袖山と付き合っているから、彼の名前を出されると弱いのだ。
「そ、袖山くんは関係ないだろ? 別に荒井くんが心配しなくとも、仲良くやってるし」
赤川はそう告げると、ぷっと頬を膨らませた。
赤川は袖山にベタぼれしている。いつだって袖山を必用以上に甘やかし、壊れ物のように丁重に扱っている凄まじいほどの溺愛っぷりは傍目からすれば明らかなのだが、袖山は自分を過小評価する傾向があり、赤川からいくら愛されていても不安が拭えないようで、いつでも「赤川くんに僕はふさわしくないんじゃないか」と心配するような臆病なところがある。
最も、赤川にとって袖山のそんな態度がますます庇護欲を掻き立てられ、余計に愛しく思えるようで、袖山がいじけるたびに溺愛が増すというスパイラルに陥っていた。
「君はそう思ってるみたいだけど、袖山くんは気にしていましたよ。君は僕の弁当をつまみ食いするけど、袖山くんにはしないって」
むくれる赤川に、荒井はそんな指摘をする。
確かに赤川は、荒井の弁当はつまむが袖山の弁当を勝手に食べた事はない。
「いや、それは、袖山くんにそんなことしたらかわいそうだからに決まってるだろ?」
だがそれは、袖山愛しい気持ちからだった。
他の友人たちのことをゲームの駒くらいにしか思っていない赤川だが、袖山は常に特別で守るべき恋人なのだから。
当然、荒井はそれを知っている。だからこそ、少し語気を強めた。
「袖山くんは、自分の弁当が美味しそうに見えないからかつまみ食いをしてくれないんだ、なんて気にしてましたよ。最近は赤川くんに食べてもらえるよう、自分でお弁当を作ってるのに、かわいそうじゃないですか」
「えっ? 袖山くんのお弁当、袖山くんの手作りだったの?」
それは、初耳だ。最近は学食やパンより弁当を持参することが増えていると思ったが、まさか手作り弁当だったとは思ってもいなかった。
「気付いてなかったんですか? 君に食べてもらうため、練習してるんですよ」
荒井は当然、といった顔でそう告げるが、赤川は驚き思わず立ち上がる。
「えぇ、ぼ……僕の為に?」
「そうです、本当に気付いてなかったんですか?」
赤川は幾度も首を縦に振る。同時に、胸の内から愛しい気持ちと、袖山に会いたい気持ちがふつふつと湧き上がってきた。
確か、今日の袖山は仲の良い先輩に誘われ学食で弁当を食べているはずだ。その先輩につまみ食いなどされていたらどうしようと思う。袖山の手作り弁当を、自分以外の誰かが食べる可能性がある、それが赤川にはとても耐えられなかった。
「僕、学食に行ってくる!」
赤川はそう告げると突然走りだす。それを横目に、時田は呆れた顔をした。
「赤川くんて、袖山くんに関してはすっごいバカになるよね」
荒井もまた、小さく頷き弁当を食べる。
「人を好きになると、少しは愚かになるものですよ」
つまみ食いする犯人がいない昼食は、いつもより静かだった。
おまけ >
学食で袖山を見つけた赤川は、開口一番こう言った。
「袖山くん、袖山くんの手作り弁当をつまみ食いさせてください」
丁重にお辞儀し宣言する赤川を前に、袖山は真っ赤になりながら弁当を差し出した。
「ど、どうして僕のお弁当が手作りだって知ってるの? あ、荒井くんから聞いたのかな。えっと……ど、どうぞ。好きなやつを召し上がってください」
おずおずと差し出された弁当を前に、赤川はつい拝む。
こんなに神々しい弁当があるのか、という気持ちを抱き食べる事さえ惜しい気持ちになるが、それは袖山に対して失礼だと思い直し、卵焼きをひとつつまむと口の中に放り込んだ。
その瞬間、ものすごい熱波と痛みが口の中に広がっていく。
「か、辛い! なっ……何これ、辛い!? 卵焼きが!?」
困惑する赤川を見て、袖山の隣に座っていた新堂が笑う。
「ははっ、辛いよなぁ。袖山のやつ、普段から家でも辛いもんばっかり喰ってるから、味付けが辛くなりがちなんだよ……」
「あぁ、ごめんね赤川くん。まだ、普通の味付けがよくわからなくて……お水、お水……」
袖山に渡された水を一気に飲み、赤川は人心地つく。
袖山の手作り弁当を食べられるようになるのは、もう少し先のようだ。
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