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インターネット字書きマンの落書き帳

   
やりたいお年頃なシンドーさんのはなし(あらしん・BL)
平和な世界線で普通に付き合ってる新堂さんと荒井くんという概念です。
童貞の新堂さんが未経験荒井くんに誘われてカラダの関係になってから「身体の関係になったなら責任とらねぇとな」って付き合う事になった感じの世界なのでこのまま末永くお付き合いを続けることでしょう。

末永く付き合うんだよ!

今回は、もうすでに荒井くん抱いちゃってるから「えっちな事してぇなぁ」って気分が収まらず朝からムラムラしているけど童貞だったのでこういう時なんて言ったらいいかわからないの……って新堂さんの概念をはなします。

話は全体的に新堂さんの一人語りですが、誰かに話しかけているって訳じゃないですね。
脳内で一人会話してるのでしょう。

概念はいつだって健康にいい!
みんなも健康になってください!




『おとしごろの新堂さん』

 オマエだってあるだろ、朝から「ヤリてぇ」って思う事がよ。
 無いとか言う奴はそりゃ「真面目だ」「誠実だ」って思われたいって下心でもある奴だぜ。
 人間だって動物だろ? 自分の種ってのを残そうって本能みてぇなもんが多少なりとはあるんじゃ無ぇのか。ってことはだ、抑えきれない性欲ってのが衝動的に高まる時があったって特別に不思議な事じゃ無ぇよな。
 ましてや俺たちは世間的にはまだガキだからな。熱狂みてぇに昂ぶる欲望なんざ抑えきるのは簡単なもんじゃ無ェんだよ。 朝からムラムラしてるって時はどうしてもそういう事ばっか考えちまうもんなんだって。
 もっとも、俺は健全なスポーツマンだからな。そういった感情も全部拳にぶつけてきた。練習に没頭すれば大抵の事は忘れられっし、身体を動かせばスカッとするだろ。鬱屈した一時の性欲なんか大概どっか行っちまうもんなんだよ。
 それでも抑えきれない時は仕方ねぇ、自分の身体だ自分で始末するしか無ぇよな。

 ンでもよ、一度セックスしちまったらやっぱり人肌ってのが恋しくなるもんだぜ。
 今の俺にはちゃんと相手がいるんだから尚更ってもんだ。

 荒井の所まで出向いたのは、まぁそういう理由(わけ)だな。あいつはメッセージ送っても平気で既読無視するから直接顔を合わせて話した方がいいと思ったんだ。

「よぉ、荒井はいるか?」

 とはいえよ、やっぱり三年が二年の教室に顔を出すってのは目立つよな。
 それじゃなくても俺はやけに下の連中にビビられてんだ。この間なんて坂上のツラ見に行っただけでやれ校舎裏でリンチにかけるやら連れ去って臓器を売るとか根も葉もねぇ噂囁かれたんだがいったい俺を何だと思ってやがるんだあいつらは。
 俺は酒も煙草もやらねぇいたって健全なスポーツマンだってのに失礼な奴らだぜまったく、人を見かけで判断しちゃぁいけねぇよなァ。
 最も俺は他人をビビらすためにこんな髪してんだから多少の悪評は甘んじて受け入れるべきなんだろうな……なんて荒井に言われてっからそれはわかってるんだけどよ。

「あの人、新堂さんじゃない? この前校舎裏で不良を5人病院送りにしたって言う鳴神学園の狂犬の……」
「あれ、新堂さんだろ……この前失踪した教師、実は新堂さんにタコ部屋送りにしたっていう……」
「新堂さんだって!? もう新堂さんのクラス失踪が3人ほど出てて、全部新堂さんが臓器バイヤーに売ったて聞いてんだけど……」

 でもよぉ、悪評とかそういうの全て通り過ぎて完全に犯罪者みたいな扱いを受けるってのはどういうことなんだろうな。 不良なんざもう相手にしてねぇし教師や生徒さらって臓器バイヤーに売ったりもしてねぇっての。
 どういう伝手があれば高校生が臓器バイヤーになれるってんだ、まったくテメェら妄想がすぎるぜ。

「どうしたんですか、新堂さん」

 そんな俺の後ろから荒井が声をかける。どうやら教室の外に出ていたようで「鳴神の死神がきた」とざわめく教室を前に荒井は呆れた顔を見せた。

「すごいですね、どうしたらこんな死と暴力の権化みたいな噂ばかりされるんですか? 日頃の行いだけではここまでなりませんよ」
「そんなの、俺だって知りてぇよ。俺は柴犬が大好きなただの優しいお兄さんだってのになぁ」

 俺の言葉に荒井は笑って見せるがそれが苦笑なのか失笑なのかはよくわからねぇ。
 しかしまぁ、他人にとやかく言われるのにゃ慣れてるとはいえこうも目立つと内緒話どころじゃ無さそうだ。 俺と荒井が何の話をするのか興味津々で聞き耳たててる連中がわんさかいる中で話したい内容でも無ぇしな。

「それで、何か? 僕に用があってきたんですよね」
「それなんだがなぁ、ここじゃちょっと目立つ……昼休みにツラ貸せよ、人が少ねぇ場所で話がしたい」
「でしたら視聴覚室でいいですか? 僕は鍵を預かってますし特別棟なら人が少ないですから」 「悪くねぇ、じゃ、昼休みにな」

 本当のところを言うとそのまま荒井をつれて授業なんてサボっちまいてェ気持ちの方が強かったんだが、あんなにも視線を浴びちゃアイツを連れ出す事なんて出来ねぇだろう。後で教室にいない荒井に気付いた教師に「三年の新堂さんが連れて行きました」なんて報告したら目も当てられねぇもんな。
 だから焦れた欲望に耐えてじぃっと昼休みまで待ってやったんだ。偉いもんだろ。授業なんて上の空だったが元々あんまり聞いちゃいねぇからたいした問題じゃ無ぇ。寝てないだけで褒めてもらいたくらいだぜ。
 それで昼休みになったら飯も食わずに真っ直ぐ視聴覚室へ向かったって訳だ。
 鳴神学園はマンモス校で何処だって生徒か教師いずれかの姿があるもんだが、実験室やら調理室といった普段やらねぇような授業の時に使う教室が集まってる特別棟は普段からあんまり人がいねぇ。
 化学の白井は準備室を自分の研究室みたいに誂えてずっとそこに籠もってるって話だが逆にいうとアイツとは化学室に行かなきゃ顔を合わせないって事だから都合がいい。
 俺が特別棟に行った時も生徒の数はまばらで視聴覚室の前に来た時にゃほとんど誰もいなかった。だがドアを開けようとしても開きやしねぇ。  
 当然だよな、鍵は荒井が持ってんだから荒井が来てなきゃ開くはずは無ぇ。 荒井には「昼休みになったらすぐに来い」とは伝えてなかった訳だ、飯食った後に来るのかもしれねぇ。早く来いと伝えておかなかったのは俺の落ち度だから我慢はするが正直よ、生殺しの気分だったよな。
 こっちは朝からヤりたくてしょうがないカラダを持て余してんのに昼までお預けくらってる訳だ。昼休み中の短い時間じゃあいつの事を可愛がってやるのにあまりにも短ェが抜いてもらうくらいはしてもらってもいいよな。
 もっと早く来てくれればヤれるかとも思ってるんだが……。

「新堂さん、ずいぶんと早いんですね」

 開かない扉を前にぼーっと突っ立っていたのはせいぜい4,5分くらいだったろうがえらい長く思えたもんだぜ。 先に来てた俺を見て驚く荒井を前に、俺は軽く手をあげて挨拶のかわりにすれば荒井もさして気にする様子もなく視聴覚室の鍵を開け俺を招き入れるとすぐに鍵をかけた。

「人払いをしたい話なら聞かれたくないことなんでしょう? いったいどうしたんですか」

 薄暗い部屋で二人になると荒井は俺のすぐそばでそう訴えてる。
 少し長い前髪がさらさらと揺れるのを見て本当に綺麗な顔してるな、なんて下らない事を考えながら俺は非道く困惑していた。
 確かに荒井を呼び出したのは俺だが、こういう時に何を言ったらいいのか全然考えていなかったからだ。
 率直に言えば「ヤリてぇから今日抱かせろ」って事なんだがそんな直球になんて恥ずかしくてとても言えねぇ。 無理もねぇだろ、俺は荒井とヤるまで童貞だったんだぞ? それに荒井を抱くようになってからは荒井から「抱いて欲しい」と頼んでくる事の方が圧倒的に多かった……いや、ほとんどそれで抱いてたから俺も性欲なんぞ溜める事なく今まで来ていた訳だ。
 だからいざ、自分から頼む立場になると何て伝えたらいいのかわからなくてな。

「いや、たいした話じゃないんだけどよ……」

 そこから先が全然続かねぇんだよな。
 実際、何て言ったらいいんだこういう時。「オマエが欲しい」なんてキザったらしい台詞も雰囲気に飲まれたら言えるだろうがここは学校で窓の外からは他の生徒がぎゃーぎゃー騒ぐ声が聞こえてきてんだぞ。
 荒井なら「セックスしてくれ」でも充分通じるだろうし回りくどい言い方はかえって伝わらないような奴だからその方がいいんだろうが、それだって照れくせぇ。
「俺といい事しようぜ」なんてまるで変態だ、AVだってそんなこと言う奴いねぇだろいまさら。いや、逆に現実じゃ言わいような事だからこそ言うのか。いやいや、現実で言わないんならやっぱり俺が言うのおかしいよな。当然「俺と悪いことしようぜ」も全く同じ意味だからダメだ。エロい話じゃいい事も悪い事もみんなセックスなんだからな。
 あれこれ考えるもいい言葉なんざ出てこない俺を前にさすがの荒井も苛立った様子でこちらを睨めつけた。

「どうしたんですか、人を呼び出して何も言わないとか……昼休みだって限られてますからね。用がないなら僕は教室に戻りますよ」
「いや、まて、帰るな」

 荒井はすぐにでも教室を出るといった様子だったから、俺はとっさにあいつの両肩を掴んでいた。 マズい、言わないと本当に荒井は出ていくだろう。だけど俺の頭には気の利いた言葉なんざ一つだって浮かんじゃ来ねぇ。

「頼む、荒井。ヤらせてくれ、今すぐじゃなくてもいいが出来れば今日中がいい」

 荒井の体を掴んだのとそんな言葉がこぼれたのはほとんど同時だったろうよ。 アレコレ考えていたが荒井が帰っちまうと思うと焦りが先んじて思わず……というとちょっと違うな。思った言葉がまとまらないまま、カッコつかない言葉がこぼれ出たってとこか。
 荒井は少しばかり驚いたような顔をし目を丸くしていたがやがて堪えきれなかったように吹き出しやがった。

「ま、まってください。新堂さん……新堂さん、焦るとそんな風になってしまうんですね」
「なぁっ……」

 確かに格好いい誘い方じゃなかったろうが、笑わなくともいいだろう。等と思った俺はまだ荒井の性質を完全に理解していなかった。

「すいません……実は少しだけ実験、いや。観察をさせてもらってたんです」
「はぁ? 何いってんだテメェ……」
「今まではわりと頻繁に僕から声をかけていたでしょう? ですがもし僕から声をかけなかったらどうなるのか……少し気になりまして。意図してこちらから声をかけずにいたのですが……まさか、思ったよりずっと……純粋な人だな、と思ったので」

 そうだ、荒井はこういう奴だ。 自分の好奇心を満たすため平気で俺でも使い潰すようなやつ。綺麗な顔にクソみたいな性格がへばり付いているやつだ。 観察というが俺をからかう為に我慢させていやがった。それで俺が何を言うのか、どうやって迫ってくるのか好奇の目で見てたと思うと腹が立つ。

「……でも、良かったです。もし僕が声をかけずにいるうちに他の誰かへ興味をもったらどうしてやろうかと思ってましたので」

 腹が立つというのにどこか安心したようなツラで言うから、こっちも悪い気がしないくなるんだから俺も甘っちょろくなったもんだぜ。
 最も、俺だって試合前なら荒井に頼まれたって相手が出来ないだろうし、そんな時荒井が他の相手にフラフラと抱いた抱かれた関係になってたんなら絶対に許せねぇからそういった所では解る部分もあるんだけどな。

「何いってんだテメェ……テメェのご主人様が誰だか忘れたのか? オマエが俺のモンである限り、俺はオマエ以外を相手になんざしねぇよ。そこまで腐った奴じゃねぇ」
「そうですね、安心しました。あなたは思ったより実直で……不器用です」
「し、仕方ねぇだろっ、色恋沙汰には慣れてねぇんだ……おまえがはじめてなんだからな……それよりもよ、いいか? 今じゃなくとも……放課後、練習が終わった後でもいいんだが……」
「今からでいいですよ。午後の授業は抜けるつもりで準備してきたので……」

 そう言いながら荒井は俺の手に指先を絡める。
 俺の限界が来るまで我慢していた、ってことは荒井だってその間は自制してたんだろう。俺を笑っているがコイツだってその気で来てるてことだ。

「いいのか優等生? おまえ頭いいだろ……授業なんかフけて怪しまれたりしねぇよな」
「僕は別に優秀な生徒ではないですよ。真面目な生徒だったら学校でこんな事しませんからね」

 そりゃぁそうだ。俺は荒井の体を抱き寄せるとそのまま机の方まで押しやりその上へと座らせた。

「だなァ……ったく、なめた真似しくさって……テメェには少しばかり仕置きが必用だな」
「ふふ、調子出てきたじゃないですか。余裕のない新堂さんもとてもカワイイと思いましたが……やはり貴方はそうしている方がお似合いですよ」
「なに言ってんだテメェ……ま、テメェが俺のモノである間はそのクソ生意気な態度も愛してやってもいいがな」

 俺はそのまま荒井の手を押さえつけ少し強引に唇を奪う。
 普段より火照った肌に触れ貪るようにキスを続ける最中、昼休みを終えるチャイムが鳴るがすでにそんな事はどうでもいい。 俺は荒井の体を焦らすように撫で、人のことを虚仮にしてくれたこの男にどんな仕置きをするか、ただそればかり考えてた。

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プロフィール
HN:
東吾
性別:
男性
職業:
インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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