インターネット字書きマンの落書き帳
俺のこと何処が好きか聞きたい年頃のDK(しんあら・BL)
平和な世界線で普通に付き合ってる新堂先輩と荒井くんの話しようぜ!
し よ う ぜ !(挨拶)
という訳で平和に付き合い半年ほどたってお互いの家に行き来し、週末で家に誰もいないぞ。
何て日があったらイチャイチャしまくっている二人の話です。
今回は「俺のこと、どこが好きなんだよ」って聞いてみる新堂さんの話ですよ。
俺の大好きなシチュエーションなのでこの話は永遠にしていきたいと思いま~す。
二次創作、基本的に自分の大好きなもの詰め合わせ!
なので!
皆さんも好きになってくれると嬉しいで~す。
し よ う ぜ !(挨拶)
という訳で平和に付き合い半年ほどたってお互いの家に行き来し、週末で家に誰もいないぞ。
何て日があったらイチャイチャしまくっている二人の話です。
今回は「俺のこと、どこが好きなんだよ」って聞いてみる新堂さんの話ですよ。
俺の大好きなシチュエーションなのでこの話は永遠にしていきたいと思いま~す。
二次創作、基本的に自分の大好きなもの詰め合わせ!
なので!
皆さんも好きになってくれると嬉しいで~す。
『4点目のゴール』
新堂誠は荒井昭二のベッドに横になったままテレビで流れるサッカーの試合を眺めている。そのすぐ隣で荒井はサッカーになどさして興味を見せる様子もないまま寝転びながら携帯もできるゲーム機を凝視していた。
荒井の家ではしばしば両親が遠方へ出張をし彼が一人で留守番する事が多く最近は荒井の両親がいない日に新堂が泊まりに来るのがほとんど決まり事のようになっていた。
家を留守にしがちなのを荒井の両親も悪いとは思っているのだろう。せめて一人でいても寂しくないようにと考えたのか、荒井の家では番組配信サービスに加入をしていた。
映画は勿論のこと国内ドラマに海外ドラマやアニメ、時代劇といった様々な番組をいつでも自由に見る事が出来る。当然、国内外のスポーツまで見られるのだから退屈する暇すらない程充実しているといっていいだろう。
だから荒井の両親がいない時に招かれた時、新堂はサッカーやラグビー、格闘技といった好きなスポーツを見るのが習慣になっていた。
だが新堂がスポーツを見る時、荒井は一緒にそれを見て盛り上がるという事は一切ない。
サッカーにしてもラグビーにしてもルールは把握しているし一緒に見ている時もある程度は楽しんでいるようではあるが普段はあまり率先してスポーツ観戦をするタイプではないようだ。
だがその点でいえば新堂も似たようなものであり、荒井が好む映画を見ている時は大概スマホのゲームを弄っていた。
新堂も別に映画が嫌いだという訳ではないのだが好きなのは派手な演出や爆発、格闘シーンなどがあるアクション映画に多く偏っているし見終わった後もろくすっぽ感想など出てこない有様なのだから真剣に見ているとは言いがたいだろう。
つくづく、荒井とは趣味が会わないものだ。
二人にある共通の話題といえば学校の事と耳に挟んだ怪異の噂、有名どころのゲームの話題くらいだろう。
それでも荒井といるのが苦痛ではなかったのは、荒井は決して新堂の趣味を否定しなかったからだろう。家で新堂が格闘技などを見ていれば母親が「野蛮なスポーツばかり見て」だと苦い顔で言われ、サッカーを見ていればずっと野球しか見て来なかった父親から「どっちが戦っているかわからないからつまらん」と別の番組に変えられてしまうのが当たり前になっていたが、荒井はそういう事は一切せずただあるがまま新堂の好きなものを受け入れてくれていた。
自分の見ているものを否定されない。
それだけで随分と気が楽になるのを実感したからこそ、新堂もまた荒井の見る映画に関して口だしはしないようになっていた。
一緒に見ていてあまりにも会わなかった時は黙ってスマホを弄るだけだし、面白いと思った作品は最後まで見て一言二言意見を交わす。 その感想は的外れすぎて荒井から失笑をかう事もあったが「新堂さんは面白いところに気付きますね」と感心したような声をかけられることもありそれが少しだけ嬉しかったりもした。
趣味は会わないが距離感が心地よいからこそ、今でも続いているのだろう。
そういえば以前、荒井はこんな事を言っていた気がする。
「好きなものが同じ相手より、嫌いな事が近い相手の方が長続きするそうですよ」
その言葉が本当なら、新堂と荒井は自分がされて嫌な事や嫌いなことが似ているのかもしれない。だからこそ一緒にいる時間が長くても気楽に過ごす事が出来ており、二人で過ごす時間を楽しいと思えるのかもしれない。
最も二人の間にある「楽しさ」は夜更けに肌を重ねる事を含めての話にもなるのだが。
「なぁ、荒井。おまえさ、俺の何処が良かったんだよ」
だがやはり疑念は芽生える。
新堂は見るからにコワモテの不良で考えるより体が動いてしまうタイプだ。一方の荒井は物静かなインドア派。理屈や理論などを重んじ知性を愛する性分である。趣味の傾向もこれだけ違えば仮に同じ教室にいたとしても連む友人は全く違っていただろう。
新堂は荒井のような優等生タイプは……荒井の場合「優等生に見える問題児」なのだが、それでもインドアで座学を得意とするようなタイプの人間は不良をもっと格下に見て関わらないものだと思っていた。 実際に新堂と同じクラスにいる吉田という勉強だけが特技であり自分のプライドそのものであるといいたげな生徒は常日頃から新堂を蛇蝎の如く嫌っていたから秀才はみな不良なぞ格下扱いしていると思っていたからこそ出た疑問に対し荒井は少し呆れたように長く息を吐いた。
「以前もそういうこと聞きませんでした? 僕は新堂さんの顔と身体が好きなんですよ」
そして涼しい顔で身も蓋もない事を言う。
確かに以前似たような事を聞いた時も「鍛え抜かれた身体にだったら抱かれてみたいと思った」なんて露骨な性処理目当ての言葉をぶつけられた事があったのだ。
三年間絶え間なく鍛え続けていた身体を褒められるのは嬉しいのだがそれだけしか求められていなかったというのは心から喜べない。どうせ愛してもらえるのなら「優しい」とか「一緒にいて楽しい」なんてこちらの内面も一つくらい褒めてほしいのが本音である。
それに新堂の顔は荒井と違い見るからに美男子といった容姿には程遠い。どちらかとコワモテで目つきも素行も悪いと言えただろう。とても人に好かれるような顔だとは自分でも思っていなかったから荒井から「顔が好き」と言われても今ひとつピンとはこなかった。
「身体はわかるんだよ、鍛えてるからな。でも、顔はホントかおまえ……こんな目がつり上がった怖ェ顔の男が好きとかホントかよ……髪なんて金髪だぜ? 耳なんてピアスの数が減った事なんて一度だって無ェんだぞ」
「言うじゃないですか、蓼食う虫も好き好きって。僕は新堂さんの顔は嫌いではないですよ。むしろ僕がわりと女性的に見える顔なので新堂さんみたいな雄々しい顔立ちに憧れもあるんですよ」
蓼食う虫も好き好きなんて表現は新堂の顔立ちがコワモテであるのを認めているようなものだがこの顔に憧れがあるというのを誰から見ても美形と言える荒井から言われるのなら嬉しいようなくすぐったいような気持ちになる。
だがやはり全てが「容姿が好みだったから」になるのは少しばかり寂しかった。
もっとも、新堂と荒井の関係はお互いの気の迷いから始まったようなものだ。
荒井が興味本位で新堂に声をかけ新堂はその甘言に乗せられる形で彼を抱いた……きっかけが「試しの性処理」なのだから顔と身体が好きな相手、かつ後腐れがない相手……全く知らない訳ではないが深い仲という訳でもない自分を選んだのはそのような合理的判断で新堂が選ばれたのは必然のようなものだったしそもそもが一度きりのつもりだったのだから「顔と身体に興味がある」という荒井の評価もまた自然なことだろう。
それはわかっているのだが、もう付き合ってから半年近くは経つ。そろそろ他の所が好きになってもいいのではないだろうか。一緒にいる時間も増えたのだから、一つくらい他のいいところを見つけて欲しいのだが……そんな事を思う新堂の内心を察したのか、それまでゲームに向いていた荒井の顔は新堂へと向きその身体を抱きしめた。
「お、おい……荒井……」
テレビを見ていた新堂の背中に荒井の胸元が当たり湿った吐息が首筋にかかる。否が応でも心臓の鼓動が高鳴るのがわかった。
「もちろん、今でも顔と身体は好きですよ。僕たちセックスの相性がけっこういい方だと思うので……新堂さんにされると、身体の奥底から痺れるほど心地よくて自分の意識がすべて蕩けてしまうほど幸せですからね」
「なぁ、何言ってっ……ま、まぁ……俺もお前とするのは嫌いじゃ無ェけどよ……」
「ふふ……でも、今は身体が全てって訳じゃないんですよ。ただ……どうして僕が新堂さんにこんなにこだわってしまうのか。執着して、独占したくなるのか。ずっと僕だけの新堂さんでいてほしいなんて思ってしまう理由は僕にもまだわからないんです……自分でも、上手く言葉に出来なくて……」
「何いってんだよ、お前頭いいだろ?」
「頭の善し悪しと感情の言語化は違うと思いますよ。でも……何というのでしょうか。色々な思いや感情を抱くのですが、今はまだそれを言葉にしなくてもいいような気がするので……」
と、そこで荒井は新堂の首筋へとキスをする。
「うわっ、おま、おまえ……何するんだっ、まったく……」
そう言いながら慌てて後ろを振り返ればそれを狙い澄ましたかのように荒井は新堂へ唇を重ねる。 普段なら身長差があるから荒井からキスをされる事は珍しく、だからこそいつもより熱が籠もったキスになっていた。
互い唇を重ね、舌を舐り溺れる程にキスを堪能したあと荒井は恥ずかしそうに顔を赤らめ俯いてみせる。
「すいません、言葉にしないかわりに、キスで……僕とのキスがお好きでなければ止めますが……」
そして恥ずかしげにそんな事を言うのだった。
だがそんなにしおらしい姿を見せられてどうして嫌いだと言えるものか。
「やめんなよ……ほら」
新堂は荒井の身体をベッドに押し沈めると親指で荒井の唇を開き少し強引に舌をねじ込む。 お互いの舌を舐り慰め唇の心地よい場所を全て攻め立てる最中、荒井はふと笑って見せた。
「いいんですか、新堂さん。試合……見なくて」
「あぁ、もう3点も点差が開いてるからな……おまえこそいいのか、ゲームの途中だったろう」
「ゲームはセーブしてありますし、やり直しも出来ますから。それに……僕は、最初からこうしてほしかったので……」
「そうか、そいつぁ奇遇だな、俺もだぜ」
二人は互い笑うと再び唇を重ねる。 テレビからは4点目のゴールを決める歓声が流れていた。
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