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インターネット字書きマンの落書き帳

   
【クリスマス前の赤川×袖山のはなし(BL)】
平和な世界で付き合ってる赤川×袖山の話をします。
赤川も袖山も恋人として付き合ってるけど、親にはまだそういう話はしてない、仲の良い友達くらいに思われている感じだよ。

今日は二人でクリスマスをしたい! クリスマスパーティをしたい!
袖山にプレゼントもしたい! 恋人らしく振る舞いたい! でもまだクリスマスに一緒にいようと誘ってもいない! みたいな赤川くんの話ですよ。

赤川×袖山くんのCP好きかい?
今日から好きになろうぜ!

この作品はpixivにも置いてます♥ → pixivのはこちら


『サンタクロースの長靴』

 期末テストが近いというのに赤川哲也は勉強に集中など出来なかった。
 街ではクリスマスソングが流れ、駅前にはイルミネーションに飾られいよいよ年末の雰囲気が漂い始める。
 クラスの中でもクリスマスに恋人がいないのは寂しいとでも思ったのか、急にカップルが増え始め24日は泊まるのかとかパーティはどうするなんて相談があちこちで囁かれるようになっていた。
 赤川もまた、クリスマスの予定をどうもちかけようか悩んでいた最中だった。
 彼の恋人である袖山はどちらかといえば内気で真面目な性格だ。クリスマスパーティを開けば来てくれるだろうが、門限などが決まっている可能性はある。
 それに、クリスマスプレゼントもまだ決まっていない。
 趣味のゲームに関しては色々と知識がある自信はあったが、それ意外の面で、普通の、袖山のような学生が何を喜ぶのかなんて全く検討も付かなかったのだ。
 袖山をクリスマスパーティにエスコートして、それから彼が喜ぶようなプレゼントをスマートに渡す。 恋人としてこれくらい格好いい所を見せたいと思ったが、現実はまだクリスマスの誘いも出来てないといった有様だ。
 袖山は自分のことを何も出来ない平凡な人間だと思っているが、荒井や時田をはじめとして友達は多い。このままでは赤川が誘う前に他の誰かが袖山をクリスマスパーティに誘ってしまわないか心配だ。
 いや、いっそのこと荒井や時田に頼み、皆でクリスマスパーティを楽しむ方が無難なのではないかとさえ思えていた。
 二人きりで恋人らしくすごす。それを考えただけで気恥ずかしいようなくすぐったい気持ちと、袖山の身体を自由に蹂躙し愉しみたいという下卑た欲求が両方とも頭にもたげてきてしまうから、そんな自分を自制するためにも友達がそばに居るほうがいいような気もしていた。
 だが、恋人になってはじめてのクリスマスを臆しているようでは袖山に呆れられやしないかと心配になる。
 どうしていいのか、どうしたらいいのか。打開策もないまま悶々と日々を過ごしている赤川に、袖山の方から話しかけてきた。

「あ、赤川くん。あのねっ、12月24日に、家族でクリスマス・パーティをやろうと思うんだけど、お母さんが友達を誘ってもいいって言うから……よかったら、一緒にどうかな。泊まっていってもいいから……」

 まさに渡りに船の提案だ。赤川は二つ返事でOKしていた。

「えっ、でもいいのかい。当然行かせてもらうよ! な、何か手土産をもっていくから、何がいいかな!?」
「そ、そんなに気を遣わなくていいよ。赤川くんのことは良く母さんにも話すから、是非連れてきなさいって……母さんも赤川くんに会いたがっているんだ」

 袖山は微笑みを絶やさず赤川の手をとる。
 クリスマス・パーティを袖山と過ごすのはこれで確定した。だがいきなり、袖山の家族と顔をあわせるのは少し緊張する。 袖山の家族は赤川のことを親しい友人くらいにしか認識していないかもしれないが、恋人らしく振る舞った方がいいのだろうか。あまり焦って失敗しては取り返しのつかないことになるから、そこは冷静に普通の友人として対処したらいいだろう。
 袖山家では「何もいらない」と言っていたが招待される側だから何かしら手土産はあったほうがいいだろう。紅茶か焼き菓子のようにすぐ出さなくてもいい日持ちするものでいいだろうか。
 今はそれより、袖山に何をプレゼントするかの方が大事だろう。最近はどうやってクリスマスに誘っていいのかばかり考えていて、袖山に何を渡したらいいのか全く考えていなかったのだ。いらないものをプレゼントするより、当人に聞いて欲しいものをプレゼントしたほうが袖山も助かるだろう。

「あぁ、そうだ。袖山くん、クリスマスには何が欲しい? ほら、僕は誕生日にプレゼントを買ってもらっただろう? キミの誕生日はまだ先だから、何かプレゼントをしたいなぁと思って……」
「えぇ、そんな。気にしなくていいのに……」
「いやいや、そういう訳にはいかないよ。それに、袖山くんが僕のためにプレゼントをしてくれたのと同じように、僕だってキミの為に何かしてあげたいんだ。だから、何でも好きなものを言ってくれって」

 普段より少し強めに迫ると、袖山は顔を真っ赤にしながら俯いて恥ずかしそうに赤川を見た。

「だ、だったら。あのね、僕……サンタさんの長靴に入ってるお菓子がいいんだけど……ダメかな?」
「えっ、サンタの……長靴……」
「僕の家では昔から、お菓子の食べ過ぎはダメって言われてたからさ。お菓子がいっぱい入っているサンタの長靴に憧れがあって、一度でいいから欲しいなぁって思ってたんだ。子供っぽいかもしれないけど、あれがいいんだ……ダメかな」

 何と可愛い願い事だろう。そう思った時、赤川は袖山の頭を抱きしめて思いっきり撫でていた。

「何てッ、何て可愛いんだよ袖山くん! わかった、いっぱい買ってあげるからねッ、街にあるサンタの長靴という長靴ぜんぶ集めてあげるからッ!」
「えぇっ!? そんなにはいらないよ、一つで充分だよ!? ダメだよ赤川くん、悪いことして変なことしたらぜったいダメだからね、って聞いてる!?」
「んー、袖山くん可愛いねぇッ……大丈夫、今年も来年も再来年もずっとサンタの長靴をプレゼントしてあげるからッ……」

 袖山を押さえつけなで回す赤川を、クラスメイトは呆れたように眺める。あぁ、また赤川が袖山を愛でている、くらいの気持ちが最近このクラスでは当然に流れていたのだ。

「何やってるんですか、赤川くん。袖山くんが困ってるじゃないですか、もう……」

 赤川のなでくり回しは荒井が止めるまで続いたが、撫でられている袖山はまんざらでもない様子だったということは語っておいてもいいだろう。

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インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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