インターネット字書きマンの落書き帳
ハロウィーンの仮装する新堂のはなし(新堂×荒井/BL)
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話をしています。(挨拶)
ハロウィーンの時期ですからね。
俺もハロウィーンの仮装をする話書きたくて、書きました。
大倉に乗せられて仮装する新堂の話です。
大倉は仮装した新堂の写真を高く売りつけているので彼らに払ったお小遣いもちゃんと回収してますよ!
ハロウィーンの時期ですからね。
俺もハロウィーンの仮装をする話書きたくて、書きました。
大倉に乗せられて仮装する新堂の話です。
大倉は仮装した新堂の写真を高く売りつけているので彼らに払ったお小遣いもちゃんと回収してますよ!
『お菓子をやるから黙っていろ』
昼休みに入り程なくして、唐突に教室の扉が開くとオレンジと紫を組み合わせた派手な衣装を着た新堂が籠いっぱいにお菓子をつめて荒井たちのいる教室へと現れた。
「トリック・オア・トリート! さぁ、センパイがお菓子を配りにきたぞ。お菓子がほしいか? それともいたずらしてやろうかッ」
新堂はそう言うと半ば自棄になりながら安っぽい生地でつくったマントを翻す。見れば獣の耳をかたどったカチューシャやモフモフの毛皮で作られた獣の手足、ズボンには尻尾までつけられているあたり狼男の仮装をしているようだ。
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、という定番文句ではないのは新堂が正しく「トリック・オア・トリート」の意味を知らないのか、それとも意図的にそう言っているのか判断はつかなかった。
突然現れたオオカミ男がお菓子を配っているのはやはり目立つのか、新堂のまわりには男女問わず生徒が集まってきて籠いっぱいに入っていたお菓子はたちどころに無くなっていく。
「ど、どうしたんですか新堂さん。そんな格好して……」
クラスメイトの袖山も仮装しているのが新堂だと気付いたのだろう。驚いた様子で近づきおずおずと声をかければ、新堂は気まずそうに笑って見せた。
「これなァ、大倉に頼まれたんだよ。仮装して『大倉金融』のCMをしてくれってな。お菓子のパッケージに大倉の連絡先が書いてあるんだ、ホラ」
新堂はポケットから飴玉を取り出すとそれを荒井と袖山にもくばる。 飴玉には『大倉金融・お金に困ったらお気軽に貸し出します・いつもニコニコぜいたく金利』なんておおよそ学校で見ない胡乱な文面が並んでいた。
「大倉さんの頼みを聞くとか、また何か弱みでも握られているんですか? 借金をしてるとか、ギャンブルに負けたとか……」
荒井はもらった飴玉をポケットにいれるといぶかしげな視線を向ける。
新堂はギャンブル好きでよく大倉と賭けに興じてはボロ負けし彼から借金をするのが日常になっていたのだ。荒井と付き合うようになってから財布は荒井が管理するようになっているので以前のように借金漬けにされたりはしてないが、新堂は軽率に相手の言葉へ乗せられる事があるから心配は尽きない。
「いや、これは違うぜ。コスプレしてお菓子を配ってくれば小遣いくれるっていうから。ハロウィンだし面白そうだと思ってやってるだけだって、犬の格好できるのも面白そうだしな」
心配になって聞いてみれば、大倉から頼まれたコスプレCMらしい。
となると、このコスプレは大倉の趣味なのだろうか。新堂は犬好きだから狼の仮装が出来ると言えば喜んでやると思ったに違いない。
「そういえば、2年の星野くんと吉川くんも仮装してお菓子配ってた気がするなぁ、吸血鬼とミイラ男の格好してたと思うよ」
袖山は飴を口の中で転がしながらそんな事をいう。大倉は金の臭いをちらつかせて不良連中を多くアゴで使うような男だから星野や吉川も体よく使われているのだろう。
「2年は星野さんや吉川さんが担当しているなら、僕のクラスまで新堂さんがくる必用はなかったのでは」
「何言ってんだ、せっかくかっこ良い狼男になってるんだぜ。せっかくならおまえらにも見せてやりたいだろ、なっ」
新堂は八重歯を見せて笑うと荒井と袖山の肩を抱く。
本心では荒井に見せるためわざわざやって来たのだろう。狼の仮装などハロウィーンに浮かれ踊らされているような気持ちになるが、制服とも私服とも違う新堂の姿が見られるのは新鮮だ。
「どうだ、格好いいだろ?」
悪戯っぽく笑う新堂を前に、袖山は素直に頷いて見せる。
「はい、格好いいですよ新堂さん。いつもと違うワイルドな雰囲気で……ねぇ、荒井くんもそう思うよね」
「うん……そうだね、格好いいと思う」
格好いいといわれれば満更でもないのだろう。新堂はどこか嬉しそうに胸を張る。
だが、得意になっている新堂を見るとどこか腹立たしい。こんなに格好いい姿を周囲に見せつけて歩いていたのだと思うと、元々強い荒井の独占欲がひどく刺激されるから、荒井は新堂の袖をひくと新堂にだけ聞こえるよう小さな声で囁いた。
「でも、普段のあなたはもっと素敵ですよ。いいですか、本当のあなたの姿を知っているのは僕だけ、それを忘れないでください」
そうして笑えば、新堂も心得たといった顔をし荒井の頭を撫でる。
「わかってるって、ま、たまにはこういうのもいいだろ?」
「えぇ、たまには……」
そうして見つめ合い笑い合う二人の姿を、袖山は飴を転がしながら不思議そうに眺めていた。
昼休みに入り程なくして、唐突に教室の扉が開くとオレンジと紫を組み合わせた派手な衣装を着た新堂が籠いっぱいにお菓子をつめて荒井たちのいる教室へと現れた。
「トリック・オア・トリート! さぁ、センパイがお菓子を配りにきたぞ。お菓子がほしいか? それともいたずらしてやろうかッ」
新堂はそう言うと半ば自棄になりながら安っぽい生地でつくったマントを翻す。見れば獣の耳をかたどったカチューシャやモフモフの毛皮で作られた獣の手足、ズボンには尻尾までつけられているあたり狼男の仮装をしているようだ。
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、という定番文句ではないのは新堂が正しく「トリック・オア・トリート」の意味を知らないのか、それとも意図的にそう言っているのか判断はつかなかった。
突然現れたオオカミ男がお菓子を配っているのはやはり目立つのか、新堂のまわりには男女問わず生徒が集まってきて籠いっぱいに入っていたお菓子はたちどころに無くなっていく。
「ど、どうしたんですか新堂さん。そんな格好して……」
クラスメイトの袖山も仮装しているのが新堂だと気付いたのだろう。驚いた様子で近づきおずおずと声をかければ、新堂は気まずそうに笑って見せた。
「これなァ、大倉に頼まれたんだよ。仮装して『大倉金融』のCMをしてくれってな。お菓子のパッケージに大倉の連絡先が書いてあるんだ、ホラ」
新堂はポケットから飴玉を取り出すとそれを荒井と袖山にもくばる。 飴玉には『大倉金融・お金に困ったらお気軽に貸し出します・いつもニコニコぜいたく金利』なんておおよそ学校で見ない胡乱な文面が並んでいた。
「大倉さんの頼みを聞くとか、また何か弱みでも握られているんですか? 借金をしてるとか、ギャンブルに負けたとか……」
荒井はもらった飴玉をポケットにいれるといぶかしげな視線を向ける。
新堂はギャンブル好きでよく大倉と賭けに興じてはボロ負けし彼から借金をするのが日常になっていたのだ。荒井と付き合うようになってから財布は荒井が管理するようになっているので以前のように借金漬けにされたりはしてないが、新堂は軽率に相手の言葉へ乗せられる事があるから心配は尽きない。
「いや、これは違うぜ。コスプレしてお菓子を配ってくれば小遣いくれるっていうから。ハロウィンだし面白そうだと思ってやってるだけだって、犬の格好できるのも面白そうだしな」
心配になって聞いてみれば、大倉から頼まれたコスプレCMらしい。
となると、このコスプレは大倉の趣味なのだろうか。新堂は犬好きだから狼の仮装が出来ると言えば喜んでやると思ったに違いない。
「そういえば、2年の星野くんと吉川くんも仮装してお菓子配ってた気がするなぁ、吸血鬼とミイラ男の格好してたと思うよ」
袖山は飴を口の中で転がしながらそんな事をいう。大倉は金の臭いをちらつかせて不良連中を多くアゴで使うような男だから星野や吉川も体よく使われているのだろう。
「2年は星野さんや吉川さんが担当しているなら、僕のクラスまで新堂さんがくる必用はなかったのでは」
「何言ってんだ、せっかくかっこ良い狼男になってるんだぜ。せっかくならおまえらにも見せてやりたいだろ、なっ」
新堂は八重歯を見せて笑うと荒井と袖山の肩を抱く。
本心では荒井に見せるためわざわざやって来たのだろう。狼の仮装などハロウィーンに浮かれ踊らされているような気持ちになるが、制服とも私服とも違う新堂の姿が見られるのは新鮮だ。
「どうだ、格好いいだろ?」
悪戯っぽく笑う新堂を前に、袖山は素直に頷いて見せる。
「はい、格好いいですよ新堂さん。いつもと違うワイルドな雰囲気で……ねぇ、荒井くんもそう思うよね」
「うん……そうだね、格好いいと思う」
格好いいといわれれば満更でもないのだろう。新堂はどこか嬉しそうに胸を張る。
だが、得意になっている新堂を見るとどこか腹立たしい。こんなに格好いい姿を周囲に見せつけて歩いていたのだと思うと、元々強い荒井の独占欲がひどく刺激されるから、荒井は新堂の袖をひくと新堂にだけ聞こえるよう小さな声で囁いた。
「でも、普段のあなたはもっと素敵ですよ。いいですか、本当のあなたの姿を知っているのは僕だけ、それを忘れないでください」
そうして笑えば、新堂も心得たといった顔をし荒井の頭を撫でる。
「わかってるって、ま、たまにはこういうのもいいだろ?」
「えぇ、たまには……」
そうして見つめ合い笑い合う二人の姿を、袖山は飴を転がしながら不思議そうに眺めていた。
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