インターネット字書きマンの落書き帳
可愛がられる新堂さんと可愛がる坂上
新堂誠と坂上修一が出る話です。
坂上の身長は、いまの女子高校生の平均身長くらいなんですよね。
坂上のまわりにいる女子は倉田をはじめとして坂上より小柄な子が多いからそこまで気にならないかもしれませんが、実質女子高生! と思うとワクワクしますね。しませんか、そうですか。
今回の話は、坂上を「小さいな~うりうり」と可愛がっていた新堂が、坂上って女子高校生くらいなんだよ~って気付かされて「女子高校生!? 俺は女子にひどいことを!? いや、坂上と距離感がこんなに近くて実は恥ずかしいのでは!?」と自覚し狼狽える。
そんな新堂のことかわい~ってなる坂上の話ですよ。
新堂をかわいいと思う坂上かわいいね♥
坂上の身長は、いまの女子高校生の平均身長くらいなんですよね。
坂上のまわりにいる女子は倉田をはじめとして坂上より小柄な子が多いからそこまで気にならないかもしれませんが、実質女子高生! と思うとワクワクしますね。しませんか、そうですか。
今回の話は、坂上を「小さいな~うりうり」と可愛がっていた新堂が、坂上って女子高校生くらいなんだよ~って気付かされて「女子高校生!? 俺は女子にひどいことを!? いや、坂上と距離感がこんなに近くて実は恥ずかしいのでは!?」と自覚し狼狽える。
そんな新堂のことかわい~ってなる坂上の話ですよ。
新堂をかわいいと思う坂上かわいいね♥
『秘密の赤』
弁当を忘れてしまい一人で学食へと向かう坂上に飛びつくように抱きつくと、新堂は嬉しそうに彼の肩をしっかり抱き寄せた。
「よぉ、坂上じゃ無ェか。今から学食に行くのか? 一人か? 一人なら一緒に飯食おうぜ、俺も今日一人だからよ」
一人で食事をするのが寂しかったのか、それとも見知った顔がいたのがよほど嬉しかったのだろう。新堂は楽しそうに笑いながら、坂上が返事をする前に肩を組んで歩き出す。断れる雰囲気ではなかったし、坂上も一人で食べるのは寂しと思っていた所なので新堂の申し出は嬉しかった。新堂はちょっと怖い先輩として名を馳せていたから、彼が近くにいれば不良っぽい生徒に絡まれることもないのは安心できたし、新堂は口下手な坂上相手に余計な事を聞いたりプライベートにずかずか入り込んだ質問をする事もないから連んでいて気が楽というのもある。
「ありがとうございます、ご一緒していいですか」
「あたりまえだろ、俺から誘ったんだからな。しっかし坂上、おまえ本当に小っさいよなぁ、ちゃんと飯食ってるか? ちゃんと肉食えよ肉」
並んで歩きながら、新堂は坂上の頭をくしゃくしゃに撫でたり、頬に触って感触を確かめたりしている。坂上が同年代の男子と比べても小柄ではあるし、体格も新堂と比べれば一回りは小さいのもあってか、新堂からはよくこんなスキンシップをされていた。新堂からすると小動物を可愛がる感覚になっているのだろう。
新堂のことは嫌いではないし、可愛がられているのもわかるから撫でられるのも嫌ではないのだが、いかにも子供かハムスターでも可愛がるような新堂の行動は少し恥ずかしい所もあった。
「た、食べてますよ……僕だって新堂さんくらい大きくなりたいと思ってますから」
「そっか、じゃぁもっと運動しろ運動。スポーツはいいぞ、適度にやれば健康にいいからな。お前なまっちょろいから、ろくに運動してねーだろ。今度一緒にやるか、ボクシング?」
「い、いきなりボクシングは無理ですよ。新堂さんの練習、足を引っ張ったら悪いですから……夏の大会が終わって、新堂さんがボクシング部を引退した時は一緒に出来るスポーツをやりませんか?」
「お、いいな。お前小さいから、道具は少し軽めのほうがいいかもしれないな……」
「そ、そんなことないですよ。僕だって男ですから普通の重さで大丈夫ですし、新堂さんが引退するころはもっと背が伸びてるかもしれないじゃないですか」
自分でそう言いながらも、坂上はそれがあり得ないことだと思い若干の寂しさを覚えていた。背はもうすこし伸びると思うが、少しくらいでは今と体格は殆どかわらないはずだ。新堂の言う通り、まだ小さめのウェアを着ないといけないだろうし、普段運動をあまりしない坂上ならボーリングをするにしてもバドミントンをするにしても、軽めの道具を使う方がいいのだろう。
実際、今の坂上は普段一緒にいる倉田や元木、福沢などが自分より小柄なので忘れがちだが、彼自身の身長は一般的な女子高校生とそれほど変わりがないのだ。
「そりゃぁ、今の僕はあんまり大きくないですし、背も女子の平均とそれほど変わらないですけど……」
坂上は自分の細い手を眺め、嘆くように呟く。殆ど独り言のつもりで口から出たその言葉に、新堂は驚いたように顔を上げた。
「な、何だ坂上。おまえ、女子くらいしか背が無ェのか……」
「そうみたいですね。女子高校生って平均身長が僕くらいみたいですよ。いつも近くにいるのが倉田さんだから、僕もつい自分があんまり背が高くないのを忘れちゃいますけどね」
そこまで言うと、新堂は顔を赤くして驚いたように坂上の身体から離れた。
「どうしたんですか新堂さん、急に離れて……」
それまで距離感ゼロという程近かったのもあり、急に離れられると少し不安になる。心配そうに顔をのぞき込むと、新堂は照れたように口元を押さえ坂上から視線を逸らした。
「い、いや。たいした事じゃ無ェんだけどよ……おまえが、女子くらいしか背丈がないんだな。と思うと、なんか女の子にひでぇことしてるんじゃないかとか思えちまってな……」
「えぇっ!? 確かに僕は女子の平均身長とそれほど変わらないくらいの背丈ですけど、別に女子ではないですから心配しなくてもいいですよ」
「わかってるって、わかってるけどなァ……」
新堂は顔を紅くしたまま頭を掻く。
「わーかってるけど、何かこう、なぁ……お前は女子じゃ無ェけど、もし女だったとしたら、俺はちょっとお前にべったりくっつきすぎだよなぁ、って思ってな……デリカシー無ぇよな……お前がなんか小っさいから可愛いと思ってついくっついてたけどよォ……」
やっぱり、小動物か何かと思って接していたのだろう。坂上の口から女の子、という言葉が出て、急に意識してしまったのかもしれない。もしそうだとしたら、強面で不良を気取っているが随分と純情なものだ。
「ふふ、何いってるんですか。新堂さん、可愛いところがあるんですね」
あまりに赤面ししどろもどろになる新堂を見て、ついそう口に出る。そして、言ってから後悔した。最上級生の先輩に、しかもボクシング部の主将として腕っ節の強い男たちをまとめている人物に可愛いなんて、何て失礼なことを言ってしまったんだろう。きっと怒られる。怒られなくてもげんこつ一つくらいは覚悟しなくては。そう思っていたのだが。
「か、可愛いとか言うんじゃ無ェよ。そんなの、言われたことねぇから……恥ずかしいだろッ」
新堂は戸惑いながら顔をそむけ、目を合わせようとしない。坂上は小柄なのもあり、倉田や福沢から散々にかわいい、かわいいともてあそばれているからすっかり慣れてしまったが、確かに男が可愛いなどと言われることはあまり無いことだろう。それにしたって照れすぎな気がする。
「そんな照れないでくださいよ、新堂さんって結構可愛い所があるんですね」
「だから、可愛いってガラじゃ無ェだろ俺はッ……」
言えば言う程頬を赤くし照れた顔になるのを見ると、つい虐めたくなってくる。だがあまり言い過ぎると新堂も怒るだろうし、本当に嫌われて今までのように気楽に話しかけてくれなくなるのは寂しい。
せっかく新堂の意外な弱点を見つけたのだから、今はそれを自分だけの秘密にして、自分だけが時々赤くなる新堂を密かに楽しみたいという欲求もある。
「わかりましたよ、行きましょう。学食、座る所なくなっちゃいますよ」
新堂へと手を伸ばせば、少し躊躇うように坂上の手を握る。まだ意識しているのだろうか。それとも、可愛いといわれた照れが抜けていないのだろうか。
どちらでもいい、今は手に入れた秘密の輝きを楽しんでいたかった。
弁当を忘れてしまい一人で学食へと向かう坂上に飛びつくように抱きつくと、新堂は嬉しそうに彼の肩をしっかり抱き寄せた。
「よぉ、坂上じゃ無ェか。今から学食に行くのか? 一人か? 一人なら一緒に飯食おうぜ、俺も今日一人だからよ」
一人で食事をするのが寂しかったのか、それとも見知った顔がいたのがよほど嬉しかったのだろう。新堂は楽しそうに笑いながら、坂上が返事をする前に肩を組んで歩き出す。断れる雰囲気ではなかったし、坂上も一人で食べるのは寂しと思っていた所なので新堂の申し出は嬉しかった。新堂はちょっと怖い先輩として名を馳せていたから、彼が近くにいれば不良っぽい生徒に絡まれることもないのは安心できたし、新堂は口下手な坂上相手に余計な事を聞いたりプライベートにずかずか入り込んだ質問をする事もないから連んでいて気が楽というのもある。
「ありがとうございます、ご一緒していいですか」
「あたりまえだろ、俺から誘ったんだからな。しっかし坂上、おまえ本当に小っさいよなぁ、ちゃんと飯食ってるか? ちゃんと肉食えよ肉」
並んで歩きながら、新堂は坂上の頭をくしゃくしゃに撫でたり、頬に触って感触を確かめたりしている。坂上が同年代の男子と比べても小柄ではあるし、体格も新堂と比べれば一回りは小さいのもあってか、新堂からはよくこんなスキンシップをされていた。新堂からすると小動物を可愛がる感覚になっているのだろう。
新堂のことは嫌いではないし、可愛がられているのもわかるから撫でられるのも嫌ではないのだが、いかにも子供かハムスターでも可愛がるような新堂の行動は少し恥ずかしい所もあった。
「た、食べてますよ……僕だって新堂さんくらい大きくなりたいと思ってますから」
「そっか、じゃぁもっと運動しろ運動。スポーツはいいぞ、適度にやれば健康にいいからな。お前なまっちょろいから、ろくに運動してねーだろ。今度一緒にやるか、ボクシング?」
「い、いきなりボクシングは無理ですよ。新堂さんの練習、足を引っ張ったら悪いですから……夏の大会が終わって、新堂さんがボクシング部を引退した時は一緒に出来るスポーツをやりませんか?」
「お、いいな。お前小さいから、道具は少し軽めのほうがいいかもしれないな……」
「そ、そんなことないですよ。僕だって男ですから普通の重さで大丈夫ですし、新堂さんが引退するころはもっと背が伸びてるかもしれないじゃないですか」
自分でそう言いながらも、坂上はそれがあり得ないことだと思い若干の寂しさを覚えていた。背はもうすこし伸びると思うが、少しくらいでは今と体格は殆どかわらないはずだ。新堂の言う通り、まだ小さめのウェアを着ないといけないだろうし、普段運動をあまりしない坂上ならボーリングをするにしてもバドミントンをするにしても、軽めの道具を使う方がいいのだろう。
実際、今の坂上は普段一緒にいる倉田や元木、福沢などが自分より小柄なので忘れがちだが、彼自身の身長は一般的な女子高校生とそれほど変わりがないのだ。
「そりゃぁ、今の僕はあんまり大きくないですし、背も女子の平均とそれほど変わらないですけど……」
坂上は自分の細い手を眺め、嘆くように呟く。殆ど独り言のつもりで口から出たその言葉に、新堂は驚いたように顔を上げた。
「な、何だ坂上。おまえ、女子くらいしか背が無ェのか……」
「そうみたいですね。女子高校生って平均身長が僕くらいみたいですよ。いつも近くにいるのが倉田さんだから、僕もつい自分があんまり背が高くないのを忘れちゃいますけどね」
そこまで言うと、新堂は顔を赤くして驚いたように坂上の身体から離れた。
「どうしたんですか新堂さん、急に離れて……」
それまで距離感ゼロという程近かったのもあり、急に離れられると少し不安になる。心配そうに顔をのぞき込むと、新堂は照れたように口元を押さえ坂上から視線を逸らした。
「い、いや。たいした事じゃ無ェんだけどよ……おまえが、女子くらいしか背丈がないんだな。と思うと、なんか女の子にひでぇことしてるんじゃないかとか思えちまってな……」
「えぇっ!? 確かに僕は女子の平均身長とそれほど変わらないくらいの背丈ですけど、別に女子ではないですから心配しなくてもいいですよ」
「わかってるって、わかってるけどなァ……」
新堂は顔を紅くしたまま頭を掻く。
「わーかってるけど、何かこう、なぁ……お前は女子じゃ無ェけど、もし女だったとしたら、俺はちょっとお前にべったりくっつきすぎだよなぁ、って思ってな……デリカシー無ぇよな……お前がなんか小っさいから可愛いと思ってついくっついてたけどよォ……」
やっぱり、小動物か何かと思って接していたのだろう。坂上の口から女の子、という言葉が出て、急に意識してしまったのかもしれない。もしそうだとしたら、強面で不良を気取っているが随分と純情なものだ。
「ふふ、何いってるんですか。新堂さん、可愛いところがあるんですね」
あまりに赤面ししどろもどろになる新堂を見て、ついそう口に出る。そして、言ってから後悔した。最上級生の先輩に、しかもボクシング部の主将として腕っ節の強い男たちをまとめている人物に可愛いなんて、何て失礼なことを言ってしまったんだろう。きっと怒られる。怒られなくてもげんこつ一つくらいは覚悟しなくては。そう思っていたのだが。
「か、可愛いとか言うんじゃ無ェよ。そんなの、言われたことねぇから……恥ずかしいだろッ」
新堂は戸惑いながら顔をそむけ、目を合わせようとしない。坂上は小柄なのもあり、倉田や福沢から散々にかわいい、かわいいともてあそばれているからすっかり慣れてしまったが、確かに男が可愛いなどと言われることはあまり無いことだろう。それにしたって照れすぎな気がする。
「そんな照れないでくださいよ、新堂さんって結構可愛い所があるんですね」
「だから、可愛いってガラじゃ無ェだろ俺はッ……」
言えば言う程頬を赤くし照れた顔になるのを見ると、つい虐めたくなってくる。だがあまり言い過ぎると新堂も怒るだろうし、本当に嫌われて今までのように気楽に話しかけてくれなくなるのは寂しい。
せっかく新堂の意外な弱点を見つけたのだから、今はそれを自分だけの秘密にして、自分だけが時々赤くなる新堂を密かに楽しみたいという欲求もある。
「わかりましたよ、行きましょう。学食、座る所なくなっちゃいますよ」
新堂へと手を伸ばせば、少し躊躇うように坂上の手を握る。まだ意識しているのだろうか。それとも、可愛いといわれた照れが抜けていないのだろうか。
どちらでもいい、今は手に入れた秘密の輝きを楽しんでいたかった。
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