インターネット字書きマンの落書き帳
坂上くんにはぴばする新堂さん
坂上くんはっぴーばーすでー♪
今日は坂上くんの誕生日なので!
坂上くんにプレゼントを渡しに来る新堂さんの話を書きました。
ほのぼので、特にBL要素のない先輩と坂上くんの話ですよ♥
坂上くん16歳おめでとう♥
今日は坂上くんの誕生日なので!
坂上くんにプレゼントを渡しに来る新堂さんの話を書きました。
ほのぼので、特にBL要素のない先輩と坂上くんの話ですよ♥
坂上くん16歳おめでとう♥
『坂上くんへのプレゼント?』
新聞部で活動する日はいつも遅くなる。
その日も坂上は最後まで残り、記事の下書きを終わらせた所だった。
まだ文化祭までは日にちは残っているが、どうせなら良い記事を仕上げたい。
文化部にとって文化祭は一大イベントであり、三年生にとって最後の活動兼、新部長・副部長に任命された二年生にとって最初の大きな仕事だ。
そんな訳で、部室には運動部と比べれば頻繁に部長である朝比奈も、副部長である日野もよく見に来てくれていた。
日野などは今日、3つの記事を同時進行させ下書きをする坂上を見て。
「随分書くのが早くなったし、文章も上手くなったぞ。3年になったらおまえが部長かもな」
なんていいながら笑ってくれた。
新聞部に入ってすぐに坂上の実力を認めた上で大きな仕事を任してくれた、そのサポートも色々してくれていた日野は坂上にとって憧れの先輩だ。
彼に褒められるのは少しくすぐったいが、嬉しい。
そうして今日もつい調子にのって、遅くまで記事を書いていたのだ。
二年の新部長は、坂上がいつも遅くまで残っているのを知って部室の戸締まりは彼に任せるようになっていた。
電気を消して、ゴミも捨てたのを確認し、坂上はしっかり戸締まりをする。そして家に帰ろうと長い廊下を歩き始めたその時。
「よかったぜ、坂上まだいたか! いやー、間に合ったみたいだ」
息を弾ませた新堂が、坂上の前へ現れた。
「あれ、どうしたんですか新堂さん……」
新堂はつい先月までボクシング部の主将をしていた。夏の最後の大会では思った以上に好成績を出したらしく、今はスポーツ推薦が狙えないかと進路を模索中だと聞いている。文化部と違い、運動部は夏の大会で2年に主将の座を完全に引き渡し、夏休みで引退している。新堂も今は残って部活もしてないはずだが、何故こんな遅い時間にいるのだろう。
様々な疑問が渦巻く最中、新堂は坂上に紙袋を撮りだした。
「ほら、これ。坂上、プレゼント。今日誕生日だよな」
そう言われ、坂上は目を丸くする。
新堂が自分の誕生日を覚えていることも驚いたが、わざわざプレゼントを買ってくれたことにも驚いたのだ。
「おまえ、7月の俺の誕生日にスポーツタオルプレゼントしてくれただろ? その礼だよ。借りっぱなしは性分じゃねぇから」
そういえば、そんなことがあったか。
あの頃はまだ大会前でピリピリしていた新堂に、少しでも緊張がほぐせればいいと汗をよく吸い取るというスポーツタオルをプレゼントしたのだ。
「ありがとうございます、嬉しいです」
紙袋に入っているということは、自分のために予め準備をしていたのだろう。
新堂は何となく、誕生日当日に購買のパンやジュースを渡すタイプだと思っていたから、わざわざ自分のために準備されたプレゼントを貰うのも嬉しかった。
「いや、実はな……おまえの誕生日が今日だって、風間から聞いたんだよ。俺、全然知らなくてな……それで一度家に帰って、すぐに買いに出かけたんだ。だから急に集めたもんで……悪いな」
そういえば、風間も今日は誕生日だと知って部室にやってきたのを思い出す。
細田はカレー味のスナックをたくさんもってきてくれたし、荒井も書きやすいシャープペンシルをプレゼントしてくれた。
みんなに祝われる喜びを噛みしめながら、坂上は袋を見た。少し、大きい。それにゴツゴツしたものも入っている。
「あの、ありがとございます。開けてみていいですか?」
「あぁ、いいぜ」
許可を得たので開けて見ると、中から現れたのは犬用のジャーキーだった。
それから、柔らかめのボールとか、犬用の歯ブラシなどが立て続けに出てくる。
「……ってまってください、これって僕のプレゼントじゃなくて、ポヘのプレゼントじゃないですか!?」
坂上は思わず声をあげる。
入っていたのは全部、犬のおやつやオモチャだった。ちゃんとポヘが老犬のパグだというのを理解しているチョイスであり、坂上も少し欲しいと思っていたものだから嬉しいのだが、自分の誕生日にポヘのプレゼントが来ると「なんで!?」という気持ちが勝る。
それを聞いて、新堂ははっと気付いたような顔をした。
「あぁ、言われてみればそうだな。悪い悪い、お前の顔を思い浮かべていたら、犬飼ってるよなーと思って。つい、犬のことばっかり考えてた」
「新堂さん、犬好きなのはわかってますけど……」
「確かにお前の誕生部プレゼントは全然無かったよなぁ、悪い悪い。じゃ、コレ」
と、新堂は目の前にある自動販売機でスポーツドリンクを一本買うとそれを坂上に差し出した。
「これが人間のプレゼントってことで。いやー、本当に悪いは。なんか犬に喜んでほしくなっちまって……」
「はぁ……別にいいですよ。僕も、ポヘが喜んでくれるのは嬉しいですから」
そうして部室棟を出た時、新堂は鍵を坂上へと見せる。
「実は一度家に帰った後、バイクで学校まで来てんだよ。よかったらケツに乗ってくか? 家の前まで送っていくぜ」
「えっ、いいんですか? 僕、大きいバイクで二人乗りとか初めてですけど」
「いいんだよ、気にするなって。俺もツレがいる方が楽しいからな」
新堂に誘われ、坂上はよろこんで後を追う。
プレゼントも嬉しいが、こうして自分を気に掛けてくれて、一緒に何かをしてくれる。それだけでも、結構嬉しいものだ。
坂上は密かに誕生日を祝ってもらえる幸せを噛みしめていた。
新聞部で活動する日はいつも遅くなる。
その日も坂上は最後まで残り、記事の下書きを終わらせた所だった。
まだ文化祭までは日にちは残っているが、どうせなら良い記事を仕上げたい。
文化部にとって文化祭は一大イベントであり、三年生にとって最後の活動兼、新部長・副部長に任命された二年生にとって最初の大きな仕事だ。
そんな訳で、部室には運動部と比べれば頻繁に部長である朝比奈も、副部長である日野もよく見に来てくれていた。
日野などは今日、3つの記事を同時進行させ下書きをする坂上を見て。
「随分書くのが早くなったし、文章も上手くなったぞ。3年になったらおまえが部長かもな」
なんていいながら笑ってくれた。
新聞部に入ってすぐに坂上の実力を認めた上で大きな仕事を任してくれた、そのサポートも色々してくれていた日野は坂上にとって憧れの先輩だ。
彼に褒められるのは少しくすぐったいが、嬉しい。
そうして今日もつい調子にのって、遅くまで記事を書いていたのだ。
二年の新部長は、坂上がいつも遅くまで残っているのを知って部室の戸締まりは彼に任せるようになっていた。
電気を消して、ゴミも捨てたのを確認し、坂上はしっかり戸締まりをする。そして家に帰ろうと長い廊下を歩き始めたその時。
「よかったぜ、坂上まだいたか! いやー、間に合ったみたいだ」
息を弾ませた新堂が、坂上の前へ現れた。
「あれ、どうしたんですか新堂さん……」
新堂はつい先月までボクシング部の主将をしていた。夏の最後の大会では思った以上に好成績を出したらしく、今はスポーツ推薦が狙えないかと進路を模索中だと聞いている。文化部と違い、運動部は夏の大会で2年に主将の座を完全に引き渡し、夏休みで引退している。新堂も今は残って部活もしてないはずだが、何故こんな遅い時間にいるのだろう。
様々な疑問が渦巻く最中、新堂は坂上に紙袋を撮りだした。
「ほら、これ。坂上、プレゼント。今日誕生日だよな」
そう言われ、坂上は目を丸くする。
新堂が自分の誕生日を覚えていることも驚いたが、わざわざプレゼントを買ってくれたことにも驚いたのだ。
「おまえ、7月の俺の誕生日にスポーツタオルプレゼントしてくれただろ? その礼だよ。借りっぱなしは性分じゃねぇから」
そういえば、そんなことがあったか。
あの頃はまだ大会前でピリピリしていた新堂に、少しでも緊張がほぐせればいいと汗をよく吸い取るというスポーツタオルをプレゼントしたのだ。
「ありがとうございます、嬉しいです」
紙袋に入っているということは、自分のために予め準備をしていたのだろう。
新堂は何となく、誕生日当日に購買のパンやジュースを渡すタイプだと思っていたから、わざわざ自分のために準備されたプレゼントを貰うのも嬉しかった。
「いや、実はな……おまえの誕生日が今日だって、風間から聞いたんだよ。俺、全然知らなくてな……それで一度家に帰って、すぐに買いに出かけたんだ。だから急に集めたもんで……悪いな」
そういえば、風間も今日は誕生日だと知って部室にやってきたのを思い出す。
細田はカレー味のスナックをたくさんもってきてくれたし、荒井も書きやすいシャープペンシルをプレゼントしてくれた。
みんなに祝われる喜びを噛みしめながら、坂上は袋を見た。少し、大きい。それにゴツゴツしたものも入っている。
「あの、ありがとございます。開けてみていいですか?」
「あぁ、いいぜ」
許可を得たので開けて見ると、中から現れたのは犬用のジャーキーだった。
それから、柔らかめのボールとか、犬用の歯ブラシなどが立て続けに出てくる。
「……ってまってください、これって僕のプレゼントじゃなくて、ポヘのプレゼントじゃないですか!?」
坂上は思わず声をあげる。
入っていたのは全部、犬のおやつやオモチャだった。ちゃんとポヘが老犬のパグだというのを理解しているチョイスであり、坂上も少し欲しいと思っていたものだから嬉しいのだが、自分の誕生日にポヘのプレゼントが来ると「なんで!?」という気持ちが勝る。
それを聞いて、新堂ははっと気付いたような顔をした。
「あぁ、言われてみればそうだな。悪い悪い、お前の顔を思い浮かべていたら、犬飼ってるよなーと思って。つい、犬のことばっかり考えてた」
「新堂さん、犬好きなのはわかってますけど……」
「確かにお前の誕生部プレゼントは全然無かったよなぁ、悪い悪い。じゃ、コレ」
と、新堂は目の前にある自動販売機でスポーツドリンクを一本買うとそれを坂上に差し出した。
「これが人間のプレゼントってことで。いやー、本当に悪いは。なんか犬に喜んでほしくなっちまって……」
「はぁ……別にいいですよ。僕も、ポヘが喜んでくれるのは嬉しいですから」
そうして部室棟を出た時、新堂は鍵を坂上へと見せる。
「実は一度家に帰った後、バイクで学校まで来てんだよ。よかったらケツに乗ってくか? 家の前まで送っていくぜ」
「えっ、いいんですか? 僕、大きいバイクで二人乗りとか初めてですけど」
「いいんだよ、気にするなって。俺もツレがいる方が楽しいからな」
新堂に誘われ、坂上はよろこんで後を追う。
プレゼントも嬉しいが、こうして自分を気に掛けてくれて、一緒に何かをしてくれる。それだけでも、結構嬉しいものだ。
坂上は密かに誕生日を祝ってもらえる幸せを噛みしめていた。
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