インターネット字書きマンの落書き帳
【新堂×荒井がつきあってるのを知っているかざまパイセン(BL)】
新堂×荒井がつきあっている事を知っている風間です。
新堂×荒井の人間だけど、新堂、風間、荒井が一つ屋根の下でくらしてたら……。
それはそれでおいしいですね、と漠然と思っています。
今回は「荒井くん、新堂ちょうだい」と軽率に言いに来る風間の話ですよ。
風間は当て馬なのかというより、「ちょっかいかけてみた」「覆ったより本気で困る」みたいなノリです。
新堂×荒井の人間だけど、新堂、風間、荒井が一つ屋根の下でくらしてたら……。
それはそれでおいしいですね、と漠然と思っています。
今回は「荒井くん、新堂ちょうだい」と軽率に言いに来る風間の話ですよ。
風間は当て馬なのかというより、「ちょっかいかけてみた」「覆ったより本気で困る」みたいなノリです。
『ちょっかいかけたい風間さん』
放課後、一人残って参考書を開いていた荒井の元に風間が現れた時はどういう気まぐれかと思ったものだが
「ねぇ荒井くん、新堂との調子はどうだい?」
周囲もろくに確認せず不躾に問いかけてきたので、来訪の意味を何とはなしに察する。
新堂と付き合っている事を周囲に公言している訳ではないが、日野は何となく気付いているようだ。案外とカンの良い風間はもう確信しているのだろう。
もちろん、ただのブラフである可能性も高い。どう答えても「秘密にしておくから500円」とでもいうか、あるいは「うまく行くように願掛けをしてあげよう、500円」とでも言うのだろう。
聞こえないふりをして参考書の問題を解いていれば、風間は荒井の前に置かれた机に座ると呆れたようにため息をついた。
「おいおい聞こえないふりかい? 先輩に対してあいかわらず礼儀がなってないねキミ」
敬意を払って欲しいなら敬意を払いたくなるような態度を送ってほしいものだ。
だが相手にしなければしつこく絡んできそうな相手でもある。
「どうしたんですか風間さん。見ての通り、勉強で忙しいので無駄話ならお友達としてきてください」
お友達と、と言ったのは嫌味だ。
風間は友達らしい友達がいないというのは知っていたからだ。
実際、風間と同じクラスの面々は殆どが「風間とは付き合うな」と口をそろえて言う。「ろくでもない奴だ」「貸した金は返さない」「破れた本も弁償しない」なんてよくもまぁこんな悪口が出るといった有様だった。
日野や新堂はまだ普通に風間と接していられる部類の数少ない友人だろう。
それでも風間は一切気にする様子もなく、大げさに両手を広げて見せた。
「いや、キミと新堂の様子を聞きに来たんだよ。後学のためにもね、うまく行ってるのかい?」
「それが風間さんと何の関係があるっていうんですか」
「あるに決まっているだろう? もしキミが新堂と別れたらボクが貰おうと思っているからね」
それまで順調に滑らせていたペンが止まる。
何を言っているのだろう。いぶかしげな視線に気付いたのか、風間はさも当然といった様子で荒井を見据えた。
「あれ、意外かい。これでもボク、けっこう新堂の事は気に入っていたんだよ。新堂は男なんて興味がないだろうと思っていたけど、荒井くんが道を開いてくれたからね。今は以前より敷居も低くなっているだろ? だったらボクにもワンチャン、あるんじゃないか……なんて思ってね」
よくもまぁ、いけしゃあしゃあとそんな事が言えるものだ。
苛立ちから自然と指に力が入り、シャーペンごと折りそうになっていた。
「荒井、いるか? 練習終わったから一緒に帰ろうぜ」
その時、新堂が教室へと入ってくる。今日は放課後、教室で勉強をしているつもりだと伝えていたからこちらまで様子を見に来たのだろう。 ひょっとしたら風間はその時の会話でも耳にしていたのかもしれない。
新堂は教室に荒井と風間がいるのに少し驚いた様子だったが、すぐに何か気付いた顔をするとまっすぐ荒井の方へ向かった。
「待たせたみたいだな、荒井。すぐ帰れるか?」
「いえ、待ってません。ただ……」
驚きと困惑の入り交じった表情を向ける荒井の不安を全て打ち消そうとするかのように、新堂は彼の肩を抱き寄せると唇を重ねる。
躊躇いなく風間の前でキスをするものだからつい赤くなるが、新堂は堂々とした様子で風間へ笑って見せた。
「一応、こういう事だから。俺の荒井をあんまりからかわないでくれよな。じゃ、行くぜ荒井」 「えっ? あっ、は……はい」
荒井はあわてて鞄の中に参考書をつめこむと、目の前にある新堂の手を自然と握る。新堂もまた握られた手をしっかり握り返すと。
「おまえの入る隙間はねーよ、風間」
茶化すように笑って教室を出ていった。
一人残された風間は窓枠へよりかかると「あぁ」とため息交じりに独りごちる。
「新堂も荒井くんも、結構本気で好きだったんだけどなぁ……ま、しかたないか。坂上くんでもからかいに行くか」
その目には、二人が出て行った教室の扉だけが映っていた。
放課後、一人残って参考書を開いていた荒井の元に風間が現れた時はどういう気まぐれかと思ったものだが
「ねぇ荒井くん、新堂との調子はどうだい?」
周囲もろくに確認せず不躾に問いかけてきたので、来訪の意味を何とはなしに察する。
新堂と付き合っている事を周囲に公言している訳ではないが、日野は何となく気付いているようだ。案外とカンの良い風間はもう確信しているのだろう。
もちろん、ただのブラフである可能性も高い。どう答えても「秘密にしておくから500円」とでもいうか、あるいは「うまく行くように願掛けをしてあげよう、500円」とでも言うのだろう。
聞こえないふりをして参考書の問題を解いていれば、風間は荒井の前に置かれた机に座ると呆れたようにため息をついた。
「おいおい聞こえないふりかい? 先輩に対してあいかわらず礼儀がなってないねキミ」
敬意を払って欲しいなら敬意を払いたくなるような態度を送ってほしいものだ。
だが相手にしなければしつこく絡んできそうな相手でもある。
「どうしたんですか風間さん。見ての通り、勉強で忙しいので無駄話ならお友達としてきてください」
お友達と、と言ったのは嫌味だ。
風間は友達らしい友達がいないというのは知っていたからだ。
実際、風間と同じクラスの面々は殆どが「風間とは付き合うな」と口をそろえて言う。「ろくでもない奴だ」「貸した金は返さない」「破れた本も弁償しない」なんてよくもまぁこんな悪口が出るといった有様だった。
日野や新堂はまだ普通に風間と接していられる部類の数少ない友人だろう。
それでも風間は一切気にする様子もなく、大げさに両手を広げて見せた。
「いや、キミと新堂の様子を聞きに来たんだよ。後学のためにもね、うまく行ってるのかい?」
「それが風間さんと何の関係があるっていうんですか」
「あるに決まっているだろう? もしキミが新堂と別れたらボクが貰おうと思っているからね」
それまで順調に滑らせていたペンが止まる。
何を言っているのだろう。いぶかしげな視線に気付いたのか、風間はさも当然といった様子で荒井を見据えた。
「あれ、意外かい。これでもボク、けっこう新堂の事は気に入っていたんだよ。新堂は男なんて興味がないだろうと思っていたけど、荒井くんが道を開いてくれたからね。今は以前より敷居も低くなっているだろ? だったらボクにもワンチャン、あるんじゃないか……なんて思ってね」
よくもまぁ、いけしゃあしゃあとそんな事が言えるものだ。
苛立ちから自然と指に力が入り、シャーペンごと折りそうになっていた。
「荒井、いるか? 練習終わったから一緒に帰ろうぜ」
その時、新堂が教室へと入ってくる。今日は放課後、教室で勉強をしているつもりだと伝えていたからこちらまで様子を見に来たのだろう。 ひょっとしたら風間はその時の会話でも耳にしていたのかもしれない。
新堂は教室に荒井と風間がいるのに少し驚いた様子だったが、すぐに何か気付いた顔をするとまっすぐ荒井の方へ向かった。
「待たせたみたいだな、荒井。すぐ帰れるか?」
「いえ、待ってません。ただ……」
驚きと困惑の入り交じった表情を向ける荒井の不安を全て打ち消そうとするかのように、新堂は彼の肩を抱き寄せると唇を重ねる。
躊躇いなく風間の前でキスをするものだからつい赤くなるが、新堂は堂々とした様子で風間へ笑って見せた。
「一応、こういう事だから。俺の荒井をあんまりからかわないでくれよな。じゃ、行くぜ荒井」 「えっ? あっ、は……はい」
荒井はあわてて鞄の中に参考書をつめこむと、目の前にある新堂の手を自然と握る。新堂もまた握られた手をしっかり握り返すと。
「おまえの入る隙間はねーよ、風間」
茶化すように笑って教室を出ていった。
一人残された風間は窓枠へよりかかると「あぁ」とため息交じりに独りごちる。
「新堂も荒井くんも、結構本気で好きだったんだけどなぁ……ま、しかたないか。坂上くんでもからかいに行くか」
その目には、二人が出て行った教室の扉だけが映っていた。
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