インターネット字書きマンの落書き帳
梅雨時でびしょ濡れになるはなし
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話を繰り返しているコーナーです。(挨拶)
やっぱ男子高校生のカップルという概念は最高だな!
今はガンに効かないけどそのうち効くようになるぜ!(ネットミーム)
という訳で、付き合ってから荒井くんの家に通い泊まる事が増えている新堂パイセンが土砂降りの雨で強行した結果べしょべしょになるような話ですよ。
男子高校生という完全に自由な時間が存在しない頃合い……。
それでもイチャイチャしたい欲求が強すぎる男子高校生……自重できない昂ぶりを隠せない男子高校生……あぁ男子高校生……。
男子高校生のCP好きかい?
今日から好きになろうぜ!
新堂パイセンの家が電車で1時間くらいかかる所だけど荒井の家は徒歩圏内みたいな話は俺にとって都合がいい創作ですがフリー発想なのでみんなもそうしていいよ!
やっぱ男子高校生のカップルという概念は最高だな!
今はガンに効かないけどそのうち効くようになるぜ!(ネットミーム)
という訳で、付き合ってから荒井くんの家に通い泊まる事が増えている新堂パイセンが土砂降りの雨で強行した結果べしょべしょになるような話ですよ。
男子高校生という完全に自由な時間が存在しない頃合い……。
それでもイチャイチャしたい欲求が強すぎる男子高校生……自重できない昂ぶりを隠せない男子高校生……あぁ男子高校生……。
男子高校生のCP好きかい?
今日から好きになろうぜ!
新堂パイセンの家が電車で1時間くらいかかる所だけど荒井の家は徒歩圏内みたいな話は俺にとって都合がいい創作ですがフリー発想なのでみんなもそうしていいよ!
『濡れて赤く染まる』
今日は両親がいないので暇ですから遊びに来ますか?
昼休みに荒井昭二から来たメッセージを読んだ時、新堂誠のなかで行かないという選択は存在しなかった。
それは新堂の家が学校から電車と自転車を乗り継いで1時間はかかる場所にあるのに対し荒井の家なら歩いて30分もかからない立地の良さもあったというのが理由の半分で、残りの半分は恋人同士だったら当然にする期待からである。
新堂は部活が終わったら寄ると返事をしてから上機嫌のまま午後の授業を終え、部の練習を終えた。 夕食は荒井が準備しておくというから手ぶらで行っても大丈夫だろう。そう思い部室を出た時グラウンドは雨に濡れている。天気予報などあまり気にしない新堂は知らなかったが、今日は夕方から雨が降る予報だったのだ。
当然、天気予報など気に留めない性格なのだから置き傘なんてしていない。折りたたみ傘を持ち歩くという習慣もないので雨具の類いは一切ない。部長としていつも最後に部室を出て鍵をかけていくからすでに他の生徒の姿もないため傘を貸してもらえそうな相手はいなかった。
「仕方ねぇなァ……30分程度だ、走るか」
新堂は舌打ちをすると鞄を頭に乗せ雨を避けるよう走り出す。だがそんなもの雨除けにならないというのは30秒ほど走った時点で気付き、もはや走っても歩いても同じように濡れる程度の土砂降りであることは走り始めて5分で気付いた。
靴の中は勿論、シャツも雨でぐっしょり濡れている。このままなら荒井の家につく頃は濡れ鼠になるだろう。 せめてもの救いは梅雨時でも今日の気温は暑いくらいで濡れていてもそこまでの寒さを感じなかった事くらいだろう。雨に濡れながらでも走れば身体の熱がおさまって心地よいくらいだ。歩きなら30分はかかる道のりをひたすら走っていれば普段より随分と早く荒井の家まで到着した。 最も早いといっても練習が終わってからなので普通の高校生が帰る時間としては遅いのだろうが。
「いらっしゃい……随分と濡れてますね、靴下はここで脱いでください。そのまま浴室へどうぞ、今タオルをもってきますから」
荒井はすぐにタオルを渡し、新堂はそれで肌や髪を拭きながら大きくため息をついた。
「やっと帰って来れたぜ、練習場から出た時にはもう非道ェ雨だったからここまで全力で走ってきたんだがやっぱこんな雨じゃ濡れるよなァ」
「走っても歩いても濡れることには変わりありませんよ。傘はもっていなかったんですか……いえ、もっていたらこんな事にはならないでしょうね。とにかく、すぐにお風呂へ入ってください。濡れたままで家の中を歩かれたら掃除が大変ですから」
新堂は玄関で靴と靴下を脱ぐとタオルを首にかけ浴室へと向かう。廊下には雨に濡れた足跡が転々とつき、荒井は多めにもってきたタオルでそれを拭きながらついてきた。 こんなに濡れていては部屋にあがってくつろぐどころではないだろう。
走っている時は心地よいくらいだったが今は濡れた服がまとわりつき身体はすっかり冷え切っていたので今は一刻も早く暖かい湯を浴びたかった。
「お風呂にします? お風呂にするなら湯を張りますけど」
「いや、シャワーでいい。風呂の湯を張るまで待てねぇからな」
新堂は浴室のドアを閉めると脱いだ服をカゴに入れ脱衣所へ置くとすぐにシャワーのコックをひねる。温かな湯を浴びようやく人心地ついた気がした。
「新堂さん、靴下や下着はびしょ濡れですから洗濯しますよ。いいですよね」
しばらく湯を浴びてると、ドア越しに荒井の声がする。見ればカゴを覗いて洗濯に出しているようだ。
「あぁ……まぁ仕方ねぇよな。でもよ、俺は何着たらいいんだ? 着替えはもってきて無ぇぞ……」
荒井の家には随分と出入りしているが着替えや歯ブラシといったものは置いていない。荒井が一人暮らしなら持ち帰りも面倒だからと置きっぱなしにしていただろうが、他の家族がいるというのに私物を置いておくにはそれなりの理由が必要だろう。
もし新堂と荒井が近しい体格だったら誤魔化す事も出来ただろうが身長差は10cm以上あるうえ服の趣味も違いすぎる。
これで荒井が交友の広い性格でよく友達を家に泊めているようだったら新堂のシャツが一つ紛れていてもさして気にされないのだろうが滅多に人を家に入れないというタイプだからなおさらに気をつかう必用があった。
荒井の家族を見た事はないのだが放任主義という割に荒井はかなり厳しめに躾けられている印象がある。新堂のようにいかにも不良じみた外見の男が出入りしているのだと知れば今の自由がなくなるかもしれない。
そんな理由から新堂も自然と痕跡を残さないよう気を遣うようになっていた。とはいえ、荒井の身体に痕を残す衝動はどうしてもおさえられないため彼に恋人が出来た事くらいは家族に気付かれているかもしれないのだが。
「そうですね……僕の服や下着でも付けますか」
「本気でいってるのか? どう考えてもおまえの服はサイズが合わねぇだろ……それにお前のパンツはけってのか? ケツ破れたらどうすんだよ……」
「父の服なら新堂さんでもサイズが合うかと思いますがもってきましょうか?」
「そうだなァ……服はいいけどパンツはなぁ……おまえのオヤジとパンツ共用は勘弁してほしいな」
「思ったより潔癖ですよね、新堂さんって」
「いやいや、他人のパンツなんてはけないだろフツー」
シャワーを頭にかけながら新堂が言えば、磨りガラスの向こうで荒井は思案するような仕草を見せた。
「家にかえの下着なんて常備してませんよ。この雨で新堂さんのパンツを買いに行くのもなかなか屈辱的ですけど」
「おい、何で俺のパンツ買いにいくのが屈辱なんだよ。確かにこの雨でお前を外に出すのは気が引けるが、パンツはかないで過ごすのもなぁ」
「いいじゃないですか、どうせすぐ脱いでしまうんですから」
と、そこで荒井は自分の失言に気付いたように慌てて言葉を続けた。
「いえ、別にその……すぐに抱いてほしいとか考えていた訳ではないですけど」
取って付けたように言い訳をする口調は普段より少しだけ早口に思える。何処か他人を見下すような素振りすら見える冷静な荒井でもセックスをしたい気持ちを口に出すのは恥ずかしいのだろうか。年相応といえば当然だろうし初々しい反応が見られるのは嬉しいのだが荒井は自分の失態を見られたとでも思っているのか、急に不機嫌そうな声をあげた。
「もういいですよね。父のスウェットでももってきますから」
荒井が逃げ出す前に新堂は浴室の扉を叩くと彼の名を呼び止める。磨りガラスごしに立ち止まった荒井が不思議そうにドアへと近づいてきた。
「どうしたんですか、新堂さん」
「あのな、荒井……に……な」
「シャワー出しっぱなしにしているからよく聞こえませんよ、何ですか」
ドアに近づいてきた荒井の姿を確認すると、新堂はドアを開けて荒井の腕をつかみ浴室へ引きずり込む。暖かなシャワーの湯が荒井の服や髪を濡らした。
「なっ、何するんですか新堂さんッ……服も靴下もびしょ濡れですよ」
「ははッ、いいだろ俺だってそうだったんだしよォ……それに二人して濡れちまえば、もう服の事なんざ考えなくてもいいもんなァ」
笑いながら軽口を叩く新堂を前に、荒井は呆れたように大きく息を吐く。
「まったく、本当にしょうがない人ですね……でも、嫌いじゃないですよそういう所」
濡れた髪をかき上げて荒井は微かに笑う。
その頬が赤いのは湯が温かかったせいだけでもないだろう。
今日は両親がいないので暇ですから遊びに来ますか?
昼休みに荒井昭二から来たメッセージを読んだ時、新堂誠のなかで行かないという選択は存在しなかった。
それは新堂の家が学校から電車と自転車を乗り継いで1時間はかかる場所にあるのに対し荒井の家なら歩いて30分もかからない立地の良さもあったというのが理由の半分で、残りの半分は恋人同士だったら当然にする期待からである。
新堂は部活が終わったら寄ると返事をしてから上機嫌のまま午後の授業を終え、部の練習を終えた。 夕食は荒井が準備しておくというから手ぶらで行っても大丈夫だろう。そう思い部室を出た時グラウンドは雨に濡れている。天気予報などあまり気にしない新堂は知らなかったが、今日は夕方から雨が降る予報だったのだ。
当然、天気予報など気に留めない性格なのだから置き傘なんてしていない。折りたたみ傘を持ち歩くという習慣もないので雨具の類いは一切ない。部長としていつも最後に部室を出て鍵をかけていくからすでに他の生徒の姿もないため傘を貸してもらえそうな相手はいなかった。
「仕方ねぇなァ……30分程度だ、走るか」
新堂は舌打ちをすると鞄を頭に乗せ雨を避けるよう走り出す。だがそんなもの雨除けにならないというのは30秒ほど走った時点で気付き、もはや走っても歩いても同じように濡れる程度の土砂降りであることは走り始めて5分で気付いた。
靴の中は勿論、シャツも雨でぐっしょり濡れている。このままなら荒井の家につく頃は濡れ鼠になるだろう。 せめてもの救いは梅雨時でも今日の気温は暑いくらいで濡れていてもそこまでの寒さを感じなかった事くらいだろう。雨に濡れながらでも走れば身体の熱がおさまって心地よいくらいだ。歩きなら30分はかかる道のりをひたすら走っていれば普段より随分と早く荒井の家まで到着した。 最も早いといっても練習が終わってからなので普通の高校生が帰る時間としては遅いのだろうが。
「いらっしゃい……随分と濡れてますね、靴下はここで脱いでください。そのまま浴室へどうぞ、今タオルをもってきますから」
荒井はすぐにタオルを渡し、新堂はそれで肌や髪を拭きながら大きくため息をついた。
「やっと帰って来れたぜ、練習場から出た時にはもう非道ェ雨だったからここまで全力で走ってきたんだがやっぱこんな雨じゃ濡れるよなァ」
「走っても歩いても濡れることには変わりありませんよ。傘はもっていなかったんですか……いえ、もっていたらこんな事にはならないでしょうね。とにかく、すぐにお風呂へ入ってください。濡れたままで家の中を歩かれたら掃除が大変ですから」
新堂は玄関で靴と靴下を脱ぐとタオルを首にかけ浴室へと向かう。廊下には雨に濡れた足跡が転々とつき、荒井は多めにもってきたタオルでそれを拭きながらついてきた。 こんなに濡れていては部屋にあがってくつろぐどころではないだろう。
走っている時は心地よいくらいだったが今は濡れた服がまとわりつき身体はすっかり冷え切っていたので今は一刻も早く暖かい湯を浴びたかった。
「お風呂にします? お風呂にするなら湯を張りますけど」
「いや、シャワーでいい。風呂の湯を張るまで待てねぇからな」
新堂は浴室のドアを閉めると脱いだ服をカゴに入れ脱衣所へ置くとすぐにシャワーのコックをひねる。温かな湯を浴びようやく人心地ついた気がした。
「新堂さん、靴下や下着はびしょ濡れですから洗濯しますよ。いいですよね」
しばらく湯を浴びてると、ドア越しに荒井の声がする。見ればカゴを覗いて洗濯に出しているようだ。
「あぁ……まぁ仕方ねぇよな。でもよ、俺は何着たらいいんだ? 着替えはもってきて無ぇぞ……」
荒井の家には随分と出入りしているが着替えや歯ブラシといったものは置いていない。荒井が一人暮らしなら持ち帰りも面倒だからと置きっぱなしにしていただろうが、他の家族がいるというのに私物を置いておくにはそれなりの理由が必要だろう。
もし新堂と荒井が近しい体格だったら誤魔化す事も出来ただろうが身長差は10cm以上あるうえ服の趣味も違いすぎる。
これで荒井が交友の広い性格でよく友達を家に泊めているようだったら新堂のシャツが一つ紛れていてもさして気にされないのだろうが滅多に人を家に入れないというタイプだからなおさらに気をつかう必用があった。
荒井の家族を見た事はないのだが放任主義という割に荒井はかなり厳しめに躾けられている印象がある。新堂のようにいかにも不良じみた外見の男が出入りしているのだと知れば今の自由がなくなるかもしれない。
そんな理由から新堂も自然と痕跡を残さないよう気を遣うようになっていた。とはいえ、荒井の身体に痕を残す衝動はどうしてもおさえられないため彼に恋人が出来た事くらいは家族に気付かれているかもしれないのだが。
「そうですね……僕の服や下着でも付けますか」
「本気でいってるのか? どう考えてもおまえの服はサイズが合わねぇだろ……それにお前のパンツはけってのか? ケツ破れたらどうすんだよ……」
「父の服なら新堂さんでもサイズが合うかと思いますがもってきましょうか?」
「そうだなァ……服はいいけどパンツはなぁ……おまえのオヤジとパンツ共用は勘弁してほしいな」
「思ったより潔癖ですよね、新堂さんって」
「いやいや、他人のパンツなんてはけないだろフツー」
シャワーを頭にかけながら新堂が言えば、磨りガラスの向こうで荒井は思案するような仕草を見せた。
「家にかえの下着なんて常備してませんよ。この雨で新堂さんのパンツを買いに行くのもなかなか屈辱的ですけど」
「おい、何で俺のパンツ買いにいくのが屈辱なんだよ。確かにこの雨でお前を外に出すのは気が引けるが、パンツはかないで過ごすのもなぁ」
「いいじゃないですか、どうせすぐ脱いでしまうんですから」
と、そこで荒井は自分の失言に気付いたように慌てて言葉を続けた。
「いえ、別にその……すぐに抱いてほしいとか考えていた訳ではないですけど」
取って付けたように言い訳をする口調は普段より少しだけ早口に思える。何処か他人を見下すような素振りすら見える冷静な荒井でもセックスをしたい気持ちを口に出すのは恥ずかしいのだろうか。年相応といえば当然だろうし初々しい反応が見られるのは嬉しいのだが荒井は自分の失態を見られたとでも思っているのか、急に不機嫌そうな声をあげた。
「もういいですよね。父のスウェットでももってきますから」
荒井が逃げ出す前に新堂は浴室の扉を叩くと彼の名を呼び止める。磨りガラスごしに立ち止まった荒井が不思議そうにドアへと近づいてきた。
「どうしたんですか、新堂さん」
「あのな、荒井……に……な」
「シャワー出しっぱなしにしているからよく聞こえませんよ、何ですか」
ドアに近づいてきた荒井の姿を確認すると、新堂はドアを開けて荒井の腕をつかみ浴室へ引きずり込む。暖かなシャワーの湯が荒井の服や髪を濡らした。
「なっ、何するんですか新堂さんッ……服も靴下もびしょ濡れですよ」
「ははッ、いいだろ俺だってそうだったんだしよォ……それに二人して濡れちまえば、もう服の事なんざ考えなくてもいいもんなァ」
笑いながら軽口を叩く新堂を前に、荒井は呆れたように大きく息を吐く。
「まったく、本当にしょうがない人ですね……でも、嫌いじゃないですよそういう所」
濡れた髪をかき上げて荒井は微かに笑う。
その頬が赤いのは湯が温かかったせいだけでもないだろう。
PR
COMMENT