インターネット字書きマンの落書き帳
殺すか殺されるかの恋をする(シンドー×あらい)
平和な世界線で普通に付き合う新堂×荒井の概念を書きます。(挨拶)
いや、まぁあんまり普通じゃない付き合い方をしている新堂×荒井も多いんですけどねッ!
そして今回は普通じゃない方の新堂×荒井の方です。
荒井に対しての暴力衝動が全然おさまらず嵐の如く衝動的に殴り手足の自由を奪っていたぶるものの「殺してしまうかもしれない」と思うとブレーキがかかる程度の理性のある新堂と、その理性が邪魔で仕方ない荒井みたいな話を……するよ。
おおよそ男子高校生の恋愛だと思えない話好きかい?
今日から好きになろうず!
いや、まぁあんまり普通じゃない付き合い方をしている新堂×荒井も多いんですけどねッ!
そして今回は普通じゃない方の新堂×荒井の方です。
荒井に対しての暴力衝動が全然おさまらず嵐の如く衝動的に殴り手足の自由を奪っていたぶるものの「殺してしまうかもしれない」と思うとブレーキがかかる程度の理性のある新堂と、その理性が邪魔で仕方ない荒井みたいな話を……するよ。
おおよそ男子高校生の恋愛だと思えない話好きかい?
今日から好きになろうず!
『相手の全てが自分に染まるのならば、それは人生が成功しているということだ』
疼くような痛みに促され荒井昭二が目を開けた時、最初に見たのは消された自室のライトだった。 部屋全体が灰色がかり暗い中、ベッドが傾き沈んでいる感覚は横になっていてもわかった。
きっとすぐそばに新堂誠が座っているのだろう。そして今頃、自分のしたことを後悔しているに違いない。
新堂は内に強い暴力性を住まわせた男だった。
中学時代に怒りが抑えきれず喧嘩相手を血祭りにあげたという話からも自分自身の感情に飲まれてしまう性分だというのはわかるだろう。
しかも、なまじっか格闘技のスタイルを身につけているのだから同年代で腕っ節に自身がある程度の相手では取り抑えることが出来ない。
そんな男を前に「何をしてもいいから」と身を投げ出せば無事で済まないことなどわかりきった話だった。
性欲と暴力の境界線が曖昧な新堂は絶頂へ達するため荒井の身体を容赦なく打ち据えるようになっていた。
荒井の顔を殴りつけ痛みで歪み痣が咲く顔を前にした時、新堂がはじめて満足そうに笑った姿を荒井はよく覚えている。
首を締め付け必死にもがく姿をじっくりと眺め突き上げ下卑た笑いも、手足を椅子に縛り付けそれを眺め足で陰部を踏みつける姿も記憶に新しい。
最近の新堂は荒井の身体を抱こうとするとおおよそ普通とは思えぬほど衝動的な暴力や羞恥を与えるのが当然のように振る舞うようになっていた。
あるいはすでに新堂は衝動的な暴力と支配欲を満たせなければ満足できないような身体になってしまったのだろう。そしてきっかけを与えたのが荒井なのだ。荒井が自分の身体を存分に痛め付けて暴力と性欲の区別を曖昧にするよう仕向けたからこそ新堂の衝動は日に日にエスカレートしていったのは間違いないだろう。
平手で叩くだけだったのが拳になり、鞭や棒など道具を用いるようになり、最近はナイフといった刃物を持ち出す事さえもあるが、まだ新堂が本気で荒井のことを殺すつもりがないのはよく分かっていた。
実際に荒井は今もなお生きており今日もまた死ななかったのだ。
今の荒井はハーネスをきつく閉められ、手足の自由が奪わたままベッドの上に転がされている。一切抵抗が出来ない荒井を縊り殺すことなんて生まれたての雛を握りつぶすより簡単な事のはずなのだがそれをしないのは、新堂の覚悟がまだそこまで行き着いていないのか。あるいは元々新堂には人殺しが出来るほどの度胸なんてないのだろう。
「ダメだろこのままじゃよォ。このままじゃ、本気で。本気で殺しちまう……荒井を……俺が? クソッ……」
周囲を見渡せば微かな声が荒井の耳にも聞こえた。目を向ければそこには顔を押さえ苦渋の表情を隠す新堂の姿がある。 日に日に募り高まる衝動が制御できないほど肥大していることには自分でも気が付いているのだろう。それがいずれ荒井の命を奪うということも理解しており、今日もほんの少しタイミングが違えば荒井を殺していたことに気付いていたのだろう。
新堂は荒井を殺すことを拒んでいる。だからこそあと少しで息の根が止められるという所で自制心が働き手加減をしてしまうのだ。
荒井は何度も新堂になら殺されていいと告げているしこの世界に生きる理由もなければ未練もないとは伝えている。それでもまだ新堂は一線を越えることが出来ず悩み苦しんでるようだった。
荒井はその横顔をうっとりと眺める。自分のために葛藤し狂うほど苦しむ愛しい男の姿は何と美しいのだろう。それはどんな痛みにも勝る歓喜になり得た。
「……新堂さん。新堂さん、起きているなら拘束をといてくれませんか。少し……腕が痛いので」
荒井は自分の感情をぐっと抑え込むとまるで今気付いたかのような顔をして新堂へと声をかける。新堂は一瞬、驚いた顔をするがすぐに平静を取り戻すと荒井の自由を奪っていた拘束具を外した。
長らく縛られていたのもあって多少指先が痺れているが問題なく動かせそうだ。
「ありがとうございます、新堂さん。どうやらまだ僕は生きているようですね」
荒井は淡く笑うと痣や血豆のせいですっかり紫へ変色した指先で新堂の頬へと触れる。そして、枕元へしのばせていた千枚通しを手にとるとそれを素早く新堂の耳へと突き立てた。
千枚通しは少しだけ耳たぶに先端が触れ、新堂の耳から僅かに血が流れた。
驚きと恐怖で固まる新堂の顔を前に、荒井は冷たいが優しい笑みを浮かべている。
「それで、いつ殺してくれるんですか、新堂さん。言ってるでしょう、僕は貴方になら殺されていいと……いつまでもぐずぐず殺さずにいるのでしたら」
そこで荒井は新堂の耳へ唇を近づける
「僕が貴方を殺しますよ」
新堂の表情がますますこわばり息をのむ音が間近に聞こえる。
今の新堂にとって荒井は容易に殺せる立場だが、同時に荒井を殺しそこねたらいつ自分が殺されるかわからないといった立場でもある。
人を殺せば裁かれるといった社会的な理由、人殺しは悪いことだという倫理的な理由、死体の始末をするのは面倒だという物理的な理由、愛しているという感情的な理由。
お互い殺すのを躊躇う理由は色々とあるだろう。
二人の間にあるのはただ一つ、どちらが先に境界線を越えるかだけになっていた。
荒井はまだ、愛しているから殺せない。
目の前で新堂が衝動と愛情の間でせめぎ合い苦悩する姿をもっと堪能していたいとも思うし、自分に殺されそうになる恐怖で絶望する顔を楽しみたいとも思うからだ。
新堂は果たしてどうだろうか。
人殺しは悪である。そんな薄っぺらい倫理観にすがりつくような男ではないことくらい荒井にはよく分かっている。
荒井を殺してしまっては、この快楽を得ることが出来ないと惜しんでいるのか。それとも多少なりとは愛着を覚え手放したくないとでも思ってくれているのだろうか。
どちらでもいいし、どうなってもいい。
ただ、新堂の心が自分で満たされ自分だけで悩まされているのなら思い残すことなんて何一つないのだから。
溢れる思いを託すように荒井は新堂へと口づけをする。
彼の身体にはいくつもの痣が残り、シーツには流れた血が固まって残っていた。
疼くような痛みに促され荒井昭二が目を開けた時、最初に見たのは消された自室のライトだった。 部屋全体が灰色がかり暗い中、ベッドが傾き沈んでいる感覚は横になっていてもわかった。
きっとすぐそばに新堂誠が座っているのだろう。そして今頃、自分のしたことを後悔しているに違いない。
新堂は内に強い暴力性を住まわせた男だった。
中学時代に怒りが抑えきれず喧嘩相手を血祭りにあげたという話からも自分自身の感情に飲まれてしまう性分だというのはわかるだろう。
しかも、なまじっか格闘技のスタイルを身につけているのだから同年代で腕っ節に自身がある程度の相手では取り抑えることが出来ない。
そんな男を前に「何をしてもいいから」と身を投げ出せば無事で済まないことなどわかりきった話だった。
性欲と暴力の境界線が曖昧な新堂は絶頂へ達するため荒井の身体を容赦なく打ち据えるようになっていた。
荒井の顔を殴りつけ痛みで歪み痣が咲く顔を前にした時、新堂がはじめて満足そうに笑った姿を荒井はよく覚えている。
首を締め付け必死にもがく姿をじっくりと眺め突き上げ下卑た笑いも、手足を椅子に縛り付けそれを眺め足で陰部を踏みつける姿も記憶に新しい。
最近の新堂は荒井の身体を抱こうとするとおおよそ普通とは思えぬほど衝動的な暴力や羞恥を与えるのが当然のように振る舞うようになっていた。
あるいはすでに新堂は衝動的な暴力と支配欲を満たせなければ満足できないような身体になってしまったのだろう。そしてきっかけを与えたのが荒井なのだ。荒井が自分の身体を存分に痛め付けて暴力と性欲の区別を曖昧にするよう仕向けたからこそ新堂の衝動は日に日にエスカレートしていったのは間違いないだろう。
平手で叩くだけだったのが拳になり、鞭や棒など道具を用いるようになり、最近はナイフといった刃物を持ち出す事さえもあるが、まだ新堂が本気で荒井のことを殺すつもりがないのはよく分かっていた。
実際に荒井は今もなお生きており今日もまた死ななかったのだ。
今の荒井はハーネスをきつく閉められ、手足の自由が奪わたままベッドの上に転がされている。一切抵抗が出来ない荒井を縊り殺すことなんて生まれたての雛を握りつぶすより簡単な事のはずなのだがそれをしないのは、新堂の覚悟がまだそこまで行き着いていないのか。あるいは元々新堂には人殺しが出来るほどの度胸なんてないのだろう。
「ダメだろこのままじゃよォ。このままじゃ、本気で。本気で殺しちまう……荒井を……俺が? クソッ……」
周囲を見渡せば微かな声が荒井の耳にも聞こえた。目を向ければそこには顔を押さえ苦渋の表情を隠す新堂の姿がある。 日に日に募り高まる衝動が制御できないほど肥大していることには自分でも気が付いているのだろう。それがいずれ荒井の命を奪うということも理解しており、今日もほんの少しタイミングが違えば荒井を殺していたことに気付いていたのだろう。
新堂は荒井を殺すことを拒んでいる。だからこそあと少しで息の根が止められるという所で自制心が働き手加減をしてしまうのだ。
荒井は何度も新堂になら殺されていいと告げているしこの世界に生きる理由もなければ未練もないとは伝えている。それでもまだ新堂は一線を越えることが出来ず悩み苦しんでるようだった。
荒井はその横顔をうっとりと眺める。自分のために葛藤し狂うほど苦しむ愛しい男の姿は何と美しいのだろう。それはどんな痛みにも勝る歓喜になり得た。
「……新堂さん。新堂さん、起きているなら拘束をといてくれませんか。少し……腕が痛いので」
荒井は自分の感情をぐっと抑え込むとまるで今気付いたかのような顔をして新堂へと声をかける。新堂は一瞬、驚いた顔をするがすぐに平静を取り戻すと荒井の自由を奪っていた拘束具を外した。
長らく縛られていたのもあって多少指先が痺れているが問題なく動かせそうだ。
「ありがとうございます、新堂さん。どうやらまだ僕は生きているようですね」
荒井は淡く笑うと痣や血豆のせいですっかり紫へ変色した指先で新堂の頬へと触れる。そして、枕元へしのばせていた千枚通しを手にとるとそれを素早く新堂の耳へと突き立てた。
千枚通しは少しだけ耳たぶに先端が触れ、新堂の耳から僅かに血が流れた。
驚きと恐怖で固まる新堂の顔を前に、荒井は冷たいが優しい笑みを浮かべている。
「それで、いつ殺してくれるんですか、新堂さん。言ってるでしょう、僕は貴方になら殺されていいと……いつまでもぐずぐず殺さずにいるのでしたら」
そこで荒井は新堂の耳へ唇を近づける
「僕が貴方を殺しますよ」
新堂の表情がますますこわばり息をのむ音が間近に聞こえる。
今の新堂にとって荒井は容易に殺せる立場だが、同時に荒井を殺しそこねたらいつ自分が殺されるかわからないといった立場でもある。
人を殺せば裁かれるといった社会的な理由、人殺しは悪いことだという倫理的な理由、死体の始末をするのは面倒だという物理的な理由、愛しているという感情的な理由。
お互い殺すのを躊躇う理由は色々とあるだろう。
二人の間にあるのはただ一つ、どちらが先に境界線を越えるかだけになっていた。
荒井はまだ、愛しているから殺せない。
目の前で新堂が衝動と愛情の間でせめぎ合い苦悩する姿をもっと堪能していたいとも思うし、自分に殺されそうになる恐怖で絶望する顔を楽しみたいとも思うからだ。
新堂は果たしてどうだろうか。
人殺しは悪である。そんな薄っぺらい倫理観にすがりつくような男ではないことくらい荒井にはよく分かっている。
荒井を殺してしまっては、この快楽を得ることが出来ないと惜しんでいるのか。それとも多少なりとは愛着を覚え手放したくないとでも思ってくれているのだろうか。
どちらでもいいし、どうなってもいい。
ただ、新堂の心が自分で満たされ自分だけで悩まされているのなら思い残すことなんて何一つないのだから。
溢れる思いを託すように荒井は新堂へと口づけをする。
彼の身体にはいくつもの痣が残り、シーツには流れた血が固まって残っていた。
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