インターネット字書きマンの落書き帳
目覚めたら隣にいないから(新堂×荒井/BL)
平和な世界線で付き合ってる新堂×荒井の話をします。
(一行でわかる挨拶を兼ねた幻覚の説明)
今回の話は、付き合ってからしばしば荒井の家に泊まって、そこそこ荒井と肌を合わせている新堂が、自宅で目を覚ました時に「荒井いない!? ……いないよな、俺の家だもんな」なんて思ってふと、寂しい気持ちになったから荒井に連絡する。
ただそれだけの話ですよ。
俺は! 恋愛方面では驚くほどに純粋さを見せる新堂と荒井を書くのが……大好き。
純粋なのに、お互いに独占欲が強く執着心が強いと……もっと好き♥
新堂×荒井のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ! 好きになるのは遅すぎるのも早すぎるのもないよ!
(一行でわかる挨拶を兼ねた幻覚の説明)
今回の話は、付き合ってからしばしば荒井の家に泊まって、そこそこ荒井と肌を合わせている新堂が、自宅で目を覚ました時に「荒井いない!? ……いないよな、俺の家だもんな」なんて思ってふと、寂しい気持ちになったから荒井に連絡する。
ただそれだけの話ですよ。
俺は! 恋愛方面では驚くほどに純粋さを見せる新堂と荒井を書くのが……大好き。
純粋なのに、お互いに独占欲が強く執着心が強いと……もっと好き♥
新堂×荒井のこと好きかい?
今日から好きになろうぜ! 好きになるのは遅すぎるのも早すぎるのもないよ!
『しばらくは明るい画面』
目を覚ました新堂は隣に荒井がいないのに気づきのろのろと起き上がって周囲を見た。
見慣れたベッドに乱雑に積み上げられたマンガ本、机の上には通学用の鞄が開けたまま置かれている。 雑然とした馴染みの部屋を見て、ここが荒井の家ではなく自分の部屋だと気付いた時、新堂は自然とため息をついていた。
今日は荒井の家に泊まっているわけではない、だから荒井がいないのも当然だ。だというのに、隣に荒井がいないと探してしまう。荒井がいることが当然の日常になっている自分に驚き呆れながらもどこか心地よさを新堂は感じていた。
「最初は、男のアイツに言い寄られるのも、それに喜んでるテメェのこともどうかしてると思ってたが……今じゃこのザマだ、我ながらおかしなもんだよな」
頭を掻きながら薄暗い部屋で時計を見る。時刻は午前2時になろうとしていた。
普段は部活を終えた後、疲れた身体を引きずるようにして何とか家にたどり着き食事と風呂を終えたらそのままベッドに寝転んで泥のように眠ってしまうのだが今日は普段より眠りが浅かったようだ。
「2時、2時か……」
新堂はスマホを取りだし、少し思案する。
荒井はいつも夜更かしで明け方から数時間しか寝ずに学校へ来ることも多い。この位の時間なら起きている可能性も高いだろう。
だが一般的に見ればこの時間は、連絡をとるには充分すぎるほど常識外れの時間帯だ。もし荒井が寝ていたら嫌味の一つでも言うに違いない。
新堂はとりあえず、とメッセージを送ってみることにした。
『よぉ、今起きてるか?』
メッセージを送ってから、しばらくスマホの画面を見る。寝ていたら既読はつかないだろう、そうしたら今日は諦めてこのまま寝よう。
そう思っていた矢先に既読が付く。新堂はそれを確認すると、すぐに電話をした。
「……はい、荒井です。どうしました、新堂さん」
数度のコールで荒井は出る。
新堂は声を聞いた瞬間、どこか安心するとともにどうして電話をかけたのか自分でもよくわからなかったことに気付いた。
「いや、用はねぇんだよ。ただ、起きたら隣にお前がいなくてな」
「当たり前じゃないですか、今日は新堂さん、僕の家に泊まってないんですから……そんな報告のために電話をしたんですか」
言葉こそ素っ気ないが、声色から荒井も幾分か照れているのがわかる。
あまり表情も変えず、常に冷静に振る舞っているように見えるし、実際その通りで滅多なことでは取り乱さない荒井だが、恋愛面に関してはおどろくほど純真で戸惑うような素振りを見せることが多いのを新堂はよく知っていたからだ。
「ま、単純に言うとそうだな。目ぇ覚ましたらお前がいないと思って、つい探しちまってさ。俺の家だからいるワケねぇんだよな、って気付いて、それで……ちゃんといるか、確かめたくなった。声が聞きたくなった、ってやつだな」
「ちょっ……待ってください新堂さん、貴方は、本当に……」
荒井は落ち着いた声のまま、言葉を詰まらせる。きっとあの蒼白な頬がうっすらと赤く色づいているのだろう。元々伏し目がちな顔をさらに俯かせて、それでも自分だけを見て欲しそうな視線をおくっているの違いない。
目を閉じただけで傍にいる温もりが感じられるほどに荒井を傍に感じて、新堂はようやく落ち着く。
目覚めた時に、隣に荒井の姿がなく、探してもいない。それに気付いた時、一瞬だが今まで荒井と過ごした時間全てが夢で、現実の荒井は自分のことなど何とも思っていないのではないか。そんなことを考えてしまったのだ。
だから電話をして、声を聞いて、存在を確かめなければ全てが夢か幻として消えてしまうのではないか、それが怖くて声を聞きたくなったのだが、そんなことを言えば荒井は一体どんな顔をするのだろう。
「それで、僕の声が聞きたかっただけですか。それとも、愛の言葉でも囁いた方が良いのでしょうか」
幾分か冷静さを取り戻したのか、荒井はあくまで素っ気ないそぶりで言う。
声を聞きたかったのは確かにそうだ。だが、愛の言葉を囁かれるのは少し違う気がする。新堂は僅かに考え、そしてすぐに思いついた言葉を荒井に告げた。
「いや、違うな。お前に言わせたかったんじゃない、俺が言いたかったんだ。荒井、愛してるぜ。じゃぁな、お前もさっさと寝ろよ」
「えっ!? 新堂さん、ちょっ……待ってくださ……」
引き留める荒井の声を最後まで聞かず、新堂は電話を切るとスマホを枕元に放り投げて横になる。
すぐに眠りにつく新堂の横で、荒井からのメッセージが届く。
『何で電話を切るんですか、言い逃げはずるいですよ』
『新堂さん、本当にいつも……そういうところですよ』
『僕だって好きですから……ちゃんと言わせてください』
画面にはそんな文字が並んだスマホは、しばらく明るく光っていた。
目を覚ました新堂は隣に荒井がいないのに気づきのろのろと起き上がって周囲を見た。
見慣れたベッドに乱雑に積み上げられたマンガ本、机の上には通学用の鞄が開けたまま置かれている。 雑然とした馴染みの部屋を見て、ここが荒井の家ではなく自分の部屋だと気付いた時、新堂は自然とため息をついていた。
今日は荒井の家に泊まっているわけではない、だから荒井がいないのも当然だ。だというのに、隣に荒井がいないと探してしまう。荒井がいることが当然の日常になっている自分に驚き呆れながらもどこか心地よさを新堂は感じていた。
「最初は、男のアイツに言い寄られるのも、それに喜んでるテメェのこともどうかしてると思ってたが……今じゃこのザマだ、我ながらおかしなもんだよな」
頭を掻きながら薄暗い部屋で時計を見る。時刻は午前2時になろうとしていた。
普段は部活を終えた後、疲れた身体を引きずるようにして何とか家にたどり着き食事と風呂を終えたらそのままベッドに寝転んで泥のように眠ってしまうのだが今日は普段より眠りが浅かったようだ。
「2時、2時か……」
新堂はスマホを取りだし、少し思案する。
荒井はいつも夜更かしで明け方から数時間しか寝ずに学校へ来ることも多い。この位の時間なら起きている可能性も高いだろう。
だが一般的に見ればこの時間は、連絡をとるには充分すぎるほど常識外れの時間帯だ。もし荒井が寝ていたら嫌味の一つでも言うに違いない。
新堂はとりあえず、とメッセージを送ってみることにした。
『よぉ、今起きてるか?』
メッセージを送ってから、しばらくスマホの画面を見る。寝ていたら既読はつかないだろう、そうしたら今日は諦めてこのまま寝よう。
そう思っていた矢先に既読が付く。新堂はそれを確認すると、すぐに電話をした。
「……はい、荒井です。どうしました、新堂さん」
数度のコールで荒井は出る。
新堂は声を聞いた瞬間、どこか安心するとともにどうして電話をかけたのか自分でもよくわからなかったことに気付いた。
「いや、用はねぇんだよ。ただ、起きたら隣にお前がいなくてな」
「当たり前じゃないですか、今日は新堂さん、僕の家に泊まってないんですから……そんな報告のために電話をしたんですか」
言葉こそ素っ気ないが、声色から荒井も幾分か照れているのがわかる。
あまり表情も変えず、常に冷静に振る舞っているように見えるし、実際その通りで滅多なことでは取り乱さない荒井だが、恋愛面に関してはおどろくほど純真で戸惑うような素振りを見せることが多いのを新堂はよく知っていたからだ。
「ま、単純に言うとそうだな。目ぇ覚ましたらお前がいないと思って、つい探しちまってさ。俺の家だからいるワケねぇんだよな、って気付いて、それで……ちゃんといるか、確かめたくなった。声が聞きたくなった、ってやつだな」
「ちょっ……待ってください新堂さん、貴方は、本当に……」
荒井は落ち着いた声のまま、言葉を詰まらせる。きっとあの蒼白な頬がうっすらと赤く色づいているのだろう。元々伏し目がちな顔をさらに俯かせて、それでも自分だけを見て欲しそうな視線をおくっているの違いない。
目を閉じただけで傍にいる温もりが感じられるほどに荒井を傍に感じて、新堂はようやく落ち着く。
目覚めた時に、隣に荒井の姿がなく、探してもいない。それに気付いた時、一瞬だが今まで荒井と過ごした時間全てが夢で、現実の荒井は自分のことなど何とも思っていないのではないか。そんなことを考えてしまったのだ。
だから電話をして、声を聞いて、存在を確かめなければ全てが夢か幻として消えてしまうのではないか、それが怖くて声を聞きたくなったのだが、そんなことを言えば荒井は一体どんな顔をするのだろう。
「それで、僕の声が聞きたかっただけですか。それとも、愛の言葉でも囁いた方が良いのでしょうか」
幾分か冷静さを取り戻したのか、荒井はあくまで素っ気ないそぶりで言う。
声を聞きたかったのは確かにそうだ。だが、愛の言葉を囁かれるのは少し違う気がする。新堂は僅かに考え、そしてすぐに思いついた言葉を荒井に告げた。
「いや、違うな。お前に言わせたかったんじゃない、俺が言いたかったんだ。荒井、愛してるぜ。じゃぁな、お前もさっさと寝ろよ」
「えっ!? 新堂さん、ちょっ……待ってくださ……」
引き留める荒井の声を最後まで聞かず、新堂は電話を切るとスマホを枕元に放り投げて横になる。
すぐに眠りにつく新堂の横で、荒井からのメッセージが届く。
『何で電話を切るんですか、言い逃げはずるいですよ』
『新堂さん、本当にいつも……そういうところですよ』
『僕だって好きですから……ちゃんと言わせてください』
画面にはそんな文字が並んだスマホは、しばらく明るく光っていた。
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