インターネット字書きマンの落書き帳
誕生日にゴミをくれるタイプの風間パイセン
9月18日は坂上修一くんの誕生日ですね。
いつも誕生日のネタを送れて書きがちなので今回は早めに書こう。そう思って書きました。
今回は風間先輩が「誕生日だねプレゼントをあげるよ!」と嬉々として遊びにきてくれる昼休みの話です。
風間はプレゼントを他人にあげるのかといわれると俺は「あげないと思う!」タイプなのでもう風間が誕生日を覚えていた、という時点でめちゃくちゃ坂上のこと大好きなんだろうなと思ってください。
特にBLではないので「誕生日だからボクをプレゼントするよ!」という風間パイセンはいませんし、坂上くんも「いりません受け取り拒否どこでできますか」とは言いません。
そういう話のほうが良かったな!?
そういう話は機会があったらします。
いつも誕生日のネタを送れて書きがちなので今回は早めに書こう。そう思って書きました。
今回は風間先輩が「誕生日だねプレゼントをあげるよ!」と嬉々として遊びにきてくれる昼休みの話です。
風間はプレゼントを他人にあげるのかといわれると俺は「あげないと思う!」タイプなのでもう風間が誕生日を覚えていた、という時点でめちゃくちゃ坂上のこと大好きなんだろうなと思ってください。
特にBLではないので「誕生日だからボクをプレゼントするよ!」という風間パイセンはいませんし、坂上くんも「いりません受け取り拒否どこでできますか」とは言いません。
そういう話のほうが良かったな!?
そういう話は機会があったらします。
『風間先輩からのお気遣い』
昼休みになり、今日は購買でパンを買おうかそれとも学食まで向かおうか迷っていた坂上のクラスに風間の姿が現れた。
「やぁ坂上くん。鳴神学園のアイドルがわざわざ会いに来てあげたよ、閲覧料にとりあえず500円を頂こうか」
入り口でポーズをとりながら前口上の如く500円をねだる姿はとても上級生とは思えない。
180cmを越えた長身と整った顔立ちでそんな事を言うのだから今日も必要以上に目立っている。こんな不審者だが外見だけは整っているからか、クラスメイトの女子たち何人かは「誰あの人」「格好いい」なんて色めきだっていた。
「どうしたんですか、風間さん。言っておきますけど、お金ならあげませんよ」
「えぇー……貸してくれるだけでもいいんだよ。坂上くん」
「貸してもあげません、返してくれないじゃないですか……」
きっぱりと断れば、風間はまるで自分が被害者であるかのように萎れて見せる。体格は自分より一回り以上大きいというのにあたかも小動物のように振る舞う所作が風間のあざといところだ。
実際このあざとさが好きで彼を可愛いいと言う生徒もいるのだから世の中というのはわからないものだ。
だが、風間はあまり自分の利にならない事はしないタイプだ。わざわざ一年の教室まで来るなんて、一体何があったのだろうか。
「坂上くん、こんな所に箱でコーラがあるじゃないか!? ボクは圧倒的にペプシ派なんだけど、コカ・コーラも嫌いじゃないから一本頂くよ」
等と思っていたら坂上が机の横に置いておいた箱コーラから勝手に一本取りだして開けている。 どうして無断で持っていくのだ、とは思ったが正直なところ箱いっぱいのコーラを持て余していた所だから持っていってくれたのはありがたい。
今朝、新堂から誕生日プレゼントとして渡されたはいいのだが、どうやって持ち帰ろうか悩んでいた所なのだから少しでも量が減ってくれるのは助かるのが今の本音だった。
「うわ、常温じゃないか。どうして冷やしておかないんだい、コーラは冷やしておかないと美味しくないだろ……」
「そのコーラ、誕生日プレゼントとして新堂さんからもらったんです。今朝渡されてそのまま教室に置いてあるから常温なのは諦めてください。というか、勝手に飲まないでくださいよ。言えばあげますから……」
「なんだい、新堂のやつもう誕生日プレゼントを渡しに来たのか。せっかちな奴だな、せっかくボクが一番乗りでプレゼントを渡せると思ったのに……」
「えぇ、風間さんひょっとして、僕の誕生日を覚えていてくれたんですか?」
「当たり前だろう、それどころかプレゼントまで準備してきたんだ、光栄におもいたまえよ」
風間は腕を組み得意げな顔をしている、その横で坂上はすぐ窓を見て天気を確認した。風間が何かプレゼントをくれるなんて、嵐が来るかひょっとしたらズンバラリア星人により世界が滅亡するかもしれないと思ったからだ。
「何でそんな怪訝そうな顔をしているんだい坂上くん? まるでボクからのプレゼントが嫌みたいじゃないか」
そういいながら風間は坂上の頬をつねる。気付いた時、彼は坂上の机に腰掛けていた。
「やめてください! 別に嫌じゃないですよ、少し驚いただけで……まさか、風間さんが僕の誕生日を覚えているとは思わなくて」
「ボクはこれで結構、後輩にも気遣いができる上級生なんだよ。という訳で受け取りたまえ、キミへの誕生日プレゼントだ」
差し出されたのは、タンポポのような野草をあつめた花束らしいものだった。
花束らしい、というのは辛うじて花の方が多い事と、包んでいる新聞紙が一応は花を包んでいる格好になっているからで、どう見ても花屋で見繕ってもらった風ではなく通学路や野原などで花っぽい野草を引っこ抜いてまとめてきたようにしか見えない。
「えぇ、何ですかこれ」
「見ての通り、可憐なる野草の花束だよ。遠慮なく受け取ってくれ、何なら500円で買い取ってもいいよ」
お金を出すのは勿論、この野草を引き取るのも何となく嫌だ。 祝ってくれるのは嬉しいが、雑草を渡されても困る。
「ちょうどコーラも飲み終わったし、この缶にいれてかざっておこう。坂上くん、お誕生日おめでとう、大人になったキミを見れてボクも嬉しいよ」
だが風間は断るスキなど一切与えずコーラ缶のなかに雑草を活けて満足そうな顔をすると
「それじゃぁボクは忙しいから、またね!」
なんて、さも良い事をしたという風に教室から出ていった。しかもちゃっかりとコーラをもう一本くすねている。後輩のモノを勝手に持っていくのは本当にどうかと思うし、言えばくれるといったのに何故言わないのだろう。あんな大人にはなりたくないものだ。
呆れる事は多いが、机の端に飾られた花を見ると怒る気は失せていった。
あの性格だ、きっと何をいっても無駄だろう。
それにあの大きな身体を丸めてせっせと草花を摘んでいたのだと思うと微笑ましいじゃないか。
「本当にしょうがない人だよ、風間さんは」
缶に入った雑草をつつき、お世辞にもろくなプレゼントではないが笑えたのだから良いとしよう。そんなことを考えて、坂上は微かに微笑む。
窓の外は抜けるような青空が広がっていた。
昼休みになり、今日は購買でパンを買おうかそれとも学食まで向かおうか迷っていた坂上のクラスに風間の姿が現れた。
「やぁ坂上くん。鳴神学園のアイドルがわざわざ会いに来てあげたよ、閲覧料にとりあえず500円を頂こうか」
入り口でポーズをとりながら前口上の如く500円をねだる姿はとても上級生とは思えない。
180cmを越えた長身と整った顔立ちでそんな事を言うのだから今日も必要以上に目立っている。こんな不審者だが外見だけは整っているからか、クラスメイトの女子たち何人かは「誰あの人」「格好いい」なんて色めきだっていた。
「どうしたんですか、風間さん。言っておきますけど、お金ならあげませんよ」
「えぇー……貸してくれるだけでもいいんだよ。坂上くん」
「貸してもあげません、返してくれないじゃないですか……」
きっぱりと断れば、風間はまるで自分が被害者であるかのように萎れて見せる。体格は自分より一回り以上大きいというのにあたかも小動物のように振る舞う所作が風間のあざといところだ。
実際このあざとさが好きで彼を可愛いいと言う生徒もいるのだから世の中というのはわからないものだ。
だが、風間はあまり自分の利にならない事はしないタイプだ。わざわざ一年の教室まで来るなんて、一体何があったのだろうか。
「坂上くん、こんな所に箱でコーラがあるじゃないか!? ボクは圧倒的にペプシ派なんだけど、コカ・コーラも嫌いじゃないから一本頂くよ」
等と思っていたら坂上が机の横に置いておいた箱コーラから勝手に一本取りだして開けている。 どうして無断で持っていくのだ、とは思ったが正直なところ箱いっぱいのコーラを持て余していた所だから持っていってくれたのはありがたい。
今朝、新堂から誕生日プレゼントとして渡されたはいいのだが、どうやって持ち帰ろうか悩んでいた所なのだから少しでも量が減ってくれるのは助かるのが今の本音だった。
「うわ、常温じゃないか。どうして冷やしておかないんだい、コーラは冷やしておかないと美味しくないだろ……」
「そのコーラ、誕生日プレゼントとして新堂さんからもらったんです。今朝渡されてそのまま教室に置いてあるから常温なのは諦めてください。というか、勝手に飲まないでくださいよ。言えばあげますから……」
「なんだい、新堂のやつもう誕生日プレゼントを渡しに来たのか。せっかちな奴だな、せっかくボクが一番乗りでプレゼントを渡せると思ったのに……」
「えぇ、風間さんひょっとして、僕の誕生日を覚えていてくれたんですか?」
「当たり前だろう、それどころかプレゼントまで準備してきたんだ、光栄におもいたまえよ」
風間は腕を組み得意げな顔をしている、その横で坂上はすぐ窓を見て天気を確認した。風間が何かプレゼントをくれるなんて、嵐が来るかひょっとしたらズンバラリア星人により世界が滅亡するかもしれないと思ったからだ。
「何でそんな怪訝そうな顔をしているんだい坂上くん? まるでボクからのプレゼントが嫌みたいじゃないか」
そういいながら風間は坂上の頬をつねる。気付いた時、彼は坂上の机に腰掛けていた。
「やめてください! 別に嫌じゃないですよ、少し驚いただけで……まさか、風間さんが僕の誕生日を覚えているとは思わなくて」
「ボクはこれで結構、後輩にも気遣いができる上級生なんだよ。という訳で受け取りたまえ、キミへの誕生日プレゼントだ」
差し出されたのは、タンポポのような野草をあつめた花束らしいものだった。
花束らしい、というのは辛うじて花の方が多い事と、包んでいる新聞紙が一応は花を包んでいる格好になっているからで、どう見ても花屋で見繕ってもらった風ではなく通学路や野原などで花っぽい野草を引っこ抜いてまとめてきたようにしか見えない。
「えぇ、何ですかこれ」
「見ての通り、可憐なる野草の花束だよ。遠慮なく受け取ってくれ、何なら500円で買い取ってもいいよ」
お金を出すのは勿論、この野草を引き取るのも何となく嫌だ。 祝ってくれるのは嬉しいが、雑草を渡されても困る。
「ちょうどコーラも飲み終わったし、この缶にいれてかざっておこう。坂上くん、お誕生日おめでとう、大人になったキミを見れてボクも嬉しいよ」
だが風間は断るスキなど一切与えずコーラ缶のなかに雑草を活けて満足そうな顔をすると
「それじゃぁボクは忙しいから、またね!」
なんて、さも良い事をしたという風に教室から出ていった。しかもちゃっかりとコーラをもう一本くすねている。後輩のモノを勝手に持っていくのは本当にどうかと思うし、言えばくれるといったのに何故言わないのだろう。あんな大人にはなりたくないものだ。
呆れる事は多いが、机の端に飾られた花を見ると怒る気は失せていった。
あの性格だ、きっと何をいっても無駄だろう。
それにあの大きな身体を丸めてせっせと草花を摘んでいたのだと思うと微笑ましいじゃないか。
「本当にしょうがない人だよ、風間さんは」
缶に入った雑草をつつき、お世辞にもろくなプレゼントではないが笑えたのだから良いとしよう。そんなことを考えて、坂上は微かに微笑む。
窓の外は抜けるような青空が広がっていた。
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