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インターネット字書きマンの落書き帳

   
〆ギドのベリト様×シャックスちゃんのCPを推している者です(自己紹介)
公式が推してくれないCPを推したり、書いたりしてもいいじゃないか。
二次創作はみんな、強めの幻覚だもの。

という訳で、以前書いたメギドイチオシCPのベリト様×シャックスちゃんの話を再掲します。
書いた時期が5章出た前後なので内容としては結構古いんですが、二人とも可愛いから別にいいよね!

それに、俺の推しCPを読みたい人もいるに違いない!
なんて勢いで押し切りたいと思います。

ベリト様×シャックスちゃんのこと好きかい?
今日から好きになろうぜ!



『氷の声とキスの音』

 そういえば、今日ね、こんな事があったの。リトリト、聞いてくれる?

 あぁ……俺様は飲んでるから、話すなら好きにしろよ。

 ふふ、そういって聞いてくれるの知ってる知ってる! あのね……。

 そうだ、シャックス。実はこの前面白いモノを見つけたんだが……。

 なになに? リトリト。えっ、それ本当? スッゴーイ!


 夜のアジトに、人の気配は少ない。
 幾人かの留守番と普段から定住先のない追放メギドが宿代わりにして寝に来る事はあるが、この時間の留守番は外の見回りをしているし、宿代わりにしている追放メギドは夜ともなれば早々に寝床へ引き上げ眠ってしまうからだ。
 時々は酒を飲む連中が互いに酒を持ち寄ってテーブルを囲む事もあり寝ずの夜を過ごすこともあり、そういった酒宴にベリトが混ざることもあるが今日は酒好きの連中は来ていない。早々に眠ってしまったか、街の酒場に繰り出しているのだろう。

 静かな夜だった。
 ベリトとシャックスは自然と二人がけのソファーに座り、二人、他愛もない話をしている。
 ベリトは酒を傾け、シャックスは自作のキノコ料理を摘まみながら、今日はこんな事があったとか、以前、美味しい店を見つけたとか、王都のネコが子猫を産んだことや美味しいパン屋を見つけたから今度一緒に出かけてみようといった話など、どれもこれも他愛もない話ばかりだ。
 だがそれでも、話しているとやけに落ち着く。
 このアジトが自分たちの居場所であるというのを、ベリトは改めて感じるのだった。

 いや、本当の居場所はアジトではないのだろう。
 今のベリトにとってシャックスの隣が一番おちつける居場所隣なのだから。
 そしてシャックスの居場所は、ベリトの隣だ。
 二人並んで穏やかな時間を過ごすこの時が、心地よくそして安らげるお互いの居場所なのだと二人は思っていたし、こうして穏やかに話を重ねる時間こそが無意味に見えてとても贅沢な、有意義な時だと二人は知っていた。

 すでに友を送ったベリトは尚更、そういう時間の大切さを強く感じていただろう。
 僅かな時間の積み重ねこそが永遠になり得る事も、今過ごしている時間がどんなに一瞬でも存在したという事実は永遠に消えないのだということも。

 二人の間に、しばしの沈黙が続く。
 ベリトのグラスもシャックスの皿も空になっていたが二人とも部屋に戻ろうともせず、何も言わないまま静かに座っていた。

 心地良い。
 こうして二人で何もしない事さえ心地いいのだが、少しだけ温もりがほしい。
 そう思ったシャックスの頭は、自然とベリトの肩へともたれかかっていた。 肩ごしに彼の温もりと吐息とが伝わり、その鼓動が聞こえる。

「シャックス……あのな」
「ん、なにリトリト」
「いや……やっぱ何でもねぇよ」

 ベリトは口でそう言うが、シャックスにはそれが強がりのように見えた。そう思える程度には、ベリトの表情が沈んでいたのだ。だからシャックスは勇気を出して身体を乗り出すとその唇に、唇を重ねる。
 ただ、唇同士が触れるだけのキスで、きっと自分よりずっと年上で自分じゃない女の人も知っているはずのベリトには、退屈な、拙いキスなんだろうと思う。 けれどもどうしても触れたかったから、彼女は彼にキスをする。
 キスをした後、自分でも顔が紅くなるのがわかり、ただただ恥ずかしいような、くすぐったいような。そして申し訳ないような気持ちを抱きながら。

「ごめんね、リトリト。あたしって、ずっと……ずっと、キスが上手くならなくて」

 シャックスを前にベリトは微かに笑うと、彼女の頭を撫でてやる。

「そんな事、お前が気にする必要なんて無ぇだろ」
「んー、でも、ね……」
「シャックス、俺様はおまえとキスをするとき、いつも初めてするみたいに新鮮で……忘れていた何かを思い出させてくれるから、俺様は、お前とのキスが好き……だぜ」
「ホント? ホント?」

 小首を傾げて問いかけるシャックスの肩を抱き寄せると、今度はベリトからキスをする。
 それはシャックスと同じよう、触れるだけのキス。だけど優しいキスだったが、熱情を込めたキスよりも暖かさが広がるような気がした。 だから、何も恥ずかしがる必用なんてないのだとシャックスに伝えてくれる。

「ホントだ。だからこれからも俺様のそばにいろよ」
「……うん、うん!」

 二人の身体は自然と寄り添う。
 静かな夜に、融けた氷の音だけがカラン、カランと響いていた。

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インターネット駄文書き
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