インターネット字書きマンの落書き帳
兄に対して劣等感が強すぎるリュージのはなし
永遠に兄に対してコンプレックスを抱き続けるリュージという概念が好きです。(挨拶)
なのでついつい書いてしまいますし何故か量産してしまいますね。
リュージコンプレックスつよつよ男子製造機とおよびください。
今回は自分と兄・リュータを比べて卑屈になりいつまでも劣等感を引きずっていて「兄に勝てないのは解っていても兄ではなくボクを見て欲しい」と思ってしまう。
そんなリュージの話をしましたよ!
しました!
ありがとうございます!(全てに感謝)
なのでついつい書いてしまいますし何故か量産してしまいますね。
リュージコンプレックスつよつよ男子製造機とおよびください。
今回は自分と兄・リュータを比べて卑屈になりいつまでも劣等感を引きずっていて「兄に勝てないのは解っていても兄ではなくボクを見て欲しい」と思ってしまう。
そんなリュージの話をしましたよ!
しました!
ありがとうございます!(全てに感謝)
『劣等感を引きずって』
兄さんはボクとたった一つしか歳が違わないというのにボクからすると随分大人びて見えていたし実際その通り早熟していたのだろう。
亡くなった時は高校一年だったけど兄さんの愛読していた本のなかには今のボクにも難しいような小説がいくつも存在していたし学校の成績も同じ歳だった頃で比べると兄さんの方が遙かに優秀だった。
それだというのに兄さんは偉ぶった所もなければそれをひけらかすようなコトもなくいつだって物腰柔らかでボクに接してくれていたのだ。
カメラのことも兄さんは聞けばなんでも教えてくれた。面白いミステリ小説のコトも何もかも兄さんが教えてくれたといってもいいだろう。
今のボクの趣味も職業も兄さんの影響を受けていただろうし傍目からすれば死んだ兄さんの面影を追いかけてボクがそうやって生きているようにも見えたに違いない。
当時のボクは自分が兄さんに対する憧れがあってそうしていたんだろうと思っていた。
だが今はハッキリと解っている。
ボクの胸にあるのは兄さんに対する強い劣等感だ。ボクでは到底兄さんに及ばないという圧倒的な差があることを心のどこかで感じながらそれでも何かしら一つでも兄さんに勝ちたいと。そうしなければいつまでたっても立派な人間になれやしないという思いが兄さんをなぞるような生き方を選ばせていたのだ。
どうあってもボクでは兄さんに及ばない。
そんなこと最初から解っていたはずなのに。
今でも仕事でミスをした時や人間関係に躓いた時兄さんの顔が脳裏によぎるのだ。
きっと兄さんはこんな時でもそつなく仕事をこなすだろうと思うしそれは決してボクの過大評価ではなく実際にその通りだったろうと。
ボクの両親が別段兄さんだけを特別に贔屓していたワケではない。ボクもにも兄さんにも同じような環境を与え趣味も教育もボクが望めば望んだものを与えてくれただろう。
だがその事実がいっそうボクを苦しめていた。
ボクは兄さんと同じような扱いを受けても兄さんのようになれないのだという事実だけがボクの心に残ってしまったのだ。
もし両親が兄さんとボクを比べ兄さんをより贔屓して愛してくれていたのなら「兄さんは両親からの寵愛を受けていた」という理由で諦めるコトが出来ていたかもしれないのに。
「おい、佐木2号! 何ぼーっとしてんだ行くぞ」
ボクの前でセンパイが手を振る。
センパイにとっては「佐木竜太の弟」だから「佐木2号」なのだろうと思うしその呼び方に特別な意味なんてないのだろう。
頭ではそれを解っているのだけれども、どうしても「佐木竜太に及ばない男」としての劣等感が疼く。
センパイにとってはただ兄さんの方と早く出会っていた。それだけのことで、他意はないんだろうしボクと兄さんを比べたことなど一度だってないはずだ。
むしろセンパイにとってボクは常に守るべき存在であり実際何かあるとセンパイは誰よりボクのことを心配していてくれたのだ。
センパイは優しい人だから。
「今いきますから待っていてください」
ボクは曖昧に笑いセンパイへと手を振る。
こんなもの背負っても仕方ないと思うし兄さんに引け目など感じるのはお門違いだというのも全て解っているけれども、きっとこの強い劣等感がある限りボクは永遠の「2号」でありセンパイのそばに近づくことなど出来ないままなのだろう。
今も隣をあるくセンパイの手は触れるほど近いのにその手を握って並んで歩くコトはきっとこの先にもない。
兄さんに出来なかったことがボクに出来るはずないのだから。
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