インターネット字書きマンの落書き帳
それを理解しなくても離す理由にはなりえない(アルヤマ)
アルフレートくんとヤマムラさんが付き合っているハナシです。
(端的な説明)
年甲斐もなく、ずっと年下の青年を好きになってしまったヤマムラさん。
ガラじゃ無いと分っていても愛を囁いてみるが、いつだってアルフレートくんは困った顔をするだけで決してその言葉に応えてくれる事はなかった……。
ヤマムラはそれでもよかったが、ある時アルフレートはその理由を語り始める。
……といったハナシです。
エッチラオッチラ更新していきますね。
エッチラオッチラ。
(端的な説明)
年甲斐もなく、ずっと年下の青年を好きになってしまったヤマムラさん。
ガラじゃ無いと分っていても愛を囁いてみるが、いつだってアルフレートくんは困った顔をするだけで決してその言葉に応えてくれる事はなかった……。
ヤマムラはそれでもよかったが、ある時アルフレートはその理由を語り始める。
……といったハナシです。
エッチラオッチラ更新していきますね。
エッチラオッチラ。
『恋や愛とは違うとしても』
年甲斐もなく愛していると告げても、アルフレートはただ困ったような表情を向けるばかりであった。
唇を重ね、肌を重ね、身体を求めるのはアルフレートからの方が多かっただろう。
だがまるで好きだとか愛しているといった言葉を忌避しているかのように、彼は愛を語ろうとも囁こうともしなかった。
それでもヤマムラがアルフレートに対して身体を許すのを躊躇わなかったのは、その唇も肌も指先もいつだって優しく暖かかったからだろう。
アルフレートは愛を語ろうとはしなかったがヤマムラの身体をまるで壊れ物のように大事に扱ってくれていた。
「ヤマムラさん、あなたは優しい人です」
「あなたは、素晴らしい人だ」
「この街に貴方のように清らかな人はいませんよ」
そして愛を語れない代りに、ヤマムラにいつも美しい言葉を与えてくれた。
逃げるように故郷を離れ、この身を復讐の炎で焦がし、それを遂げた今は抜け殻のようになった老いた自分をさも立派な存在かのように扱ってくれるのは正直くすぐったかった。
だがこの世界でヤマムラにそのような言葉を与えてくれるのはアルフレートただ一人だったから、そのくすぐったさも心地よくそれがさらに彼への思いを募らせるのだった。
だからだろう。
アルフレートが愛の言葉に答えてくれなかったとしても、彼になら心も体も預けてその身を差し出すのは苦ではないと思ていたし、どんなに恥ずかしい姿を晒しても彼が喜んでくれるならそれでいいとも思っていた。
だが一度くらい、その思いを聞いてみたい。
言わずともその仕草や所作からアルフレートが自分を大切にしてくれているのは分っていたが、愛しているという言葉が欲しかったのだ。
言葉一つに拘ってしまうなどまるで乙女か生娘のようだとも思ったが、もしアルフレートが例え嘘でも「愛している」と語ってくれたのなら、ヤマムラはその言葉を背負って老い先短い生を過す覚悟が出来る気がしたからだ。
しかし、何度愛していると告げてもアルフレートはただ困った顔をするばかりだった。
きっと、困らせてしまっているのだろう。
そう思ったからアルフレートから愛を乞うのを諦めはじめた頃。 呆れる程に求め合い貪るように抱かれた後、心地よい疲労感に包まれている最中にアルフレートはふと、こんな事を言った。
「すいません、ヤマムラさん。私は……あなたに対する気持ちが何なのか、よくわからないのです」
言葉の意味を計りかね、首を傾げるヤマムラをアルフレートは強く抱きしめる。
胸に顔を押しつけられ息苦しい気がしたがその身体は相変わらず温かく、抱きしめられた腕は逞しく思えた。
「私は、この歳になってもきちんと人を好きになったコトがないので……あなたに対する気持ちが、愛と呼べるものなのか。恋として語っていいものなのか、自分でもよくわからないんです」
アルフレートは過去を多く語ろうとはしなかった。
だがこのヤーナムという街で、寄る辺なく生きてきたのは彼の生活からもうかがえる。
幾つのころから一人で生きているのかは分らないが、その中で理性や感情が摩耗していったとしても仕方ないだろう。
豊かな感情は、豊かな環境でなければ芽生える事などないのだから。
「だから、貴方に愛していると言われても、私は本当に貴方を愛しているのか。好きだといっていいのか、分らないのです。貴方に触れて、貴方を抱いて。唇を重ねている時は安心していられる。そんな感じはあるのですが、これが愛なのか。それともただ貴方の身体を抱いて快楽を貪りたいという欲求なのか。そういったものが、良く分らない……私には、分らないので……」
アルフレートはそう告げるとどこか寂しそうに笑う。
自分の気持ちが分らないというのは嘘ではないだろう。だがアルフレートのその正直な思いは上辺だけで語られる「愛している」といった言葉よりよっぽど心に響いていた。
彼が優しく触れてくれるその手や唇が「愛」やら「恋」といった言葉や感情が存在しなかったとしても、そこにあるのはきっと「そのような思い」なのだろう。
「いいんだよ、アルフレート。キミの気持ちが何であっても。その感情の意味が分らなくとも。キミが心に抱いているものが苦痛や屈辱などではなく心地よいと思えるものだったら、俺はそれで充分だから」
アルフレートはきっとこの先も、ヤマムラに対する気持ちが何なのか分る事はないのだろう。
だがヤマムラはそれでも良かった。
アルフレートが愛や恋を語ることができなかったとしてもヤマムラが抱いている気持ちは……アルフレートの身体に抱かれ、心地よさに溺れていく中で彼を思う気持ちは嘘ではない。
それを得られただけでもう、充分すぎるくらい幸福なのだから。
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