インターネット字書きマンの落書き帳
キミに内緒のキスをする(ヤマアル)
決して平和でも何でもない世界のヤーナムで、それでもお互い寄り添って幸せだと思える。
そんなヤマムラさんとアルフレートくんの話です。
今日は、夏でも処刑隊のお洋服でウロウロしてるからバテてしまい早く横になっているアルフレートくんに、こっそりキスをするヤマムラさん。
だけど全部バレていたぞ……みたいな話です。
……えっ?
以前もそのようなネタを見た事があるって?
最新の俺が書いたネタが、いつも最高のネタだぜ!
そう思っているので諦めるか、記憶を失って読んでください。
そんなヤマムラさんとアルフレートくんの話です。
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『秘密の訓練』
いつもより早めに戻ったアルフレートは着替えるなりすぐベッドに横になった。
近頃ヤーナムの暑さといったら非道いもので、外にいるだけでも汗がじっとり流れ出る程だった。
処刑隊の装束が極寒の地で着る用に作られているため、もともと夏の暑い時期に着るのは向かないものだ。だが処刑隊の装束はアルフレートにとって誇りのようなものでもあったから暑いからなんて理由で脱ぎたくはない。
だから夏でも暑さに耐えながら着て活動をしてはいるが、これだけ暑いと流石に長い時間外にいる事は出来なかった。
(夏だから当然とはいえ晴れの日が続くと、血族の聞き込みだけでも体力を消耗しますね……)
ベッドに寝転がり、アルフレートはそんな事を思う。
彼は最近ヤマムラが借りている部屋に出入りする事が多くなり、今日もまた彼の部屋にあるベッドで横になっていた。
その宿はヤーナム市街からだいぶ離れた場所にありお世辞にも日当たりが良い場所ではなかったため冬は底冷えするのだが、夏の今は窓を開けているだけで涼しい風が入ってきて心地よい。
(ヤマムラさんは異邦人だから市街の良い部屋は貸してもらえないのでしょうが……夏場はこちらのほうが快適かもしれませんね……)
そんな事を考えながら暫く目を閉じ微睡んでいるうちに、ヤマムラの足音が聞こえてきた。
狩りを終えたのだろうか。それにしてはまだ日が高い気がするが。
ヤマムラは「連盟」という組織に所属している狩人だ。
虫という獣や狩人に潜む存在を潰し殺すという事を使命にしているが、やっている事はヤーナムにいる一般的な狩人と大差なく主な活動は獣狩りだ。
お人好しのヤマムラの事だから連盟に入った理由も『虫を殺しつくしてヤーナムを正しい姿に戻す』といった理念などではなく、ただ「普段自分がしている狩りと同じことをするだけで、役に立つのならそれでいい」といった単純なものではないかと思う事さえある。
主たる仕事が獣狩りだから、獣がいないかあるいは仕事が終ったら宿に帰るのも当然だろう。
血のにおいはしないから今日は主立った獣の情報がなかったのかもしれない。
ヤマムラは帰ってすぐ長袖を脱ぐと、手ぬぐいで汗を拭く。そして暫く扇で自分を扇いでいると、ようやくベッドで横になるアルフレートに気付いたようだった。
「なんだアル、帰って来てたのか? ……いや、寝ているのか」
ヤマムラはアルフレートに声をかけるが、彼がベッドで微睡んでいるのに気付いたのかすぐに口を閉じる。
恐らくアルフレートを起こしてはいけないと、気を遣ってくれたのだろう。
そもそも、狩人が日中から横になっているのは体調を崩した時か夜に大きな狩りを控えている時くらいなのだから。
(……今の私は少し休んでいるだけですから。話かけてくれてもいいんですけどね)
そんな事を思いながらも、アルフレートは微睡みに身を委ねる。
もしヤマムラが話をしてくれるなら起きようとも思えたが、このままそっとしておくならもう少し横になっていたかった。
心地よい風がようやく身体の癒やしはじめた所だったからだ。
と、その時ヤマムラが立ち上がりベッドの傍までやってくる。
ベッドは窓に近い所にあるから窓辺に何か用があったのだろうか。
それともアルフレートの様子を見にきたのだろうか。
ぼんやりとした頭で考えているうちに、ふとその唇がふさがれる。
まるで慣れたように眠るアルフレートを前に口づけをしたヤマムラの思わぬ行動に、驚きから一気に目が覚める。
「ちょっ……ヤマムラさんっ、な……なにするんですかッ!?」
飛び起きるアルフレートの身体を避けながら、ヤマムラもまた驚きの目を向けていた。アルフレートが突然キスされると思っていなかったのと同様に、ヤマムラもまた彼が起きているなんて微塵も思っていなかったのだろう。
だが取り乱したのは一瞬で、すぐにいつもの穏やかな表情へ戻っていた。
「なんだ、アル。起きてたのか。返事がないから寝ているのかと思っていたんだが……」
「す、すこし休んでただけです……べ、別に寝たふりしていたワケではないですよ。ただ、うとうとしていて……それより、何をするんですか急に……ビックリするじゃないですかッ」
ヤマムラはハグにしてもキスにしても自分から求めてくる事はあまりない。
どちらかといえばアルフレートが幾度もせがんでやっとしてくれるタイプだったから、まさかヤマムラからキスをしてくるとは思ってもいなかったのだ。
「悪かったよ。キミが可愛いからつい、ね」
「か、可愛いからって……」
アルフレートは唇に触れる。その指先にはまだヤマムラの温もりが残っているような気さえした。
しかし、「つい出来心で」したにしてはヤマムラの動きは手慣れすぎている気がする。
まるで以前からそうしていたかのような動きを疑問に思わないほどアルフレートは鈍感な男ではなかった。
「……もしかして、ヤマムラさん。私が寝てる時、ときどきこういう事してませんでした?」
流れるような動きに疑問を覚えたアルフレートは軽いブラフのつもりで聞けば、ヤマムラは露骨なほど狼狽えて見せる。
図星だったのだろう。
相変わらず、嘘のつけない性格だ。
「いや、それは……えぇと……」
「してたんですね?」
「あ、あぁ……キミが寝ている時に何度か。悪かったよ……」
ヤマムラは申し訳なさそうに頭を下げる。
だが別にキスをされるのはそれほど問題には思っていなかった。
「別にいいです……それは。私、一応は貴方の恋人のつもりですから私にしてくれるのなら嬉しいですし。でも、それなら起きてる時にしてくれれば……」
その方が、もっと嬉しい。その思いを秘め問いかければ、ヤマムラは顔を赤くしながら鼻の頭を掻いた。
「お、起きている時のキミはいつも俺に優しい顔をしているだろう。そんなキミを前にしていると、どうしても気後れしてしまって……だから、その……練習のつもりだったんだよ。最初は……」
「練習……ですか?」
「あぁ、眠っているキミだったら落ち着いて、もっと年上らしいキスをしてあげられるかと思って……だが、こうして密かに唇を重ねている背徳感で……キミに言い出せないまま……」
ヤマムラは時々、へんな所で意地を張りたがるものだと思う。
だがそれでもやっぱり愛しい人だとも。
「わかりました。私、今日はこのまま晩ご飯まで一眠りしますから、私が眠ったらヤマムラさん、いーっぱいキスの練習しておいてくださいね」
「なっ……そんな事言われても、こ、困る……それに、キミに知られたなら恥ずかしくてできるかどうか……」
「出来ますよ、あれだけ手慣れているんですから。それで……食事を終えたら、ちゃんと私とキスしてくださいよ」
「いや、待ってくれそんな……出来るワケないだろ、俺は……」
狼狽えるヤマムラの姿を横に、アルフレートは静かに目を閉じる。
窓から心地よい風が吹き微睡みに身を委ねながら、アルフレートは思っていた。
自分が最後に愛したひとが、この人で良かったと。
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