インターネット字書きマンの落書き帳
外は吹雪、部屋に籠もる。(ヤマアル)
姉さん、僕はね。
閉ざされた雪の中、愛し合う二人がする事もないという理由でお互い延々と身体を求め続けるという話が、とても好きなんだよ……。
そんなワケで、本日のヤマムラさんはアルフレート君に誘われて獣狩りにいったら、意図せず吹雪で小屋の中に閉ざされてしまって、まぁする事ないしね……。
みたいな空気の中、延々と愛しい男を抱き続けるという話ですよ。
もう全部あらすじ喋っちゃったよ、いっけねッ!
そういう話が……好きなんですよッ。
閉ざされた雪の中、愛し合う二人がする事もないという理由でお互い延々と身体を求め続けるという話が、とても好きなんだよ……。
そんなワケで、本日のヤマムラさんはアルフレート君に誘われて獣狩りにいったら、意図せず吹雪で小屋の中に閉ざされてしまって、まぁする事ないしね……。
みたいな空気の中、延々と愛しい男を抱き続けるという話ですよ。
もう全部あらすじ喋っちゃったよ、いっけねッ!
そういう話が……好きなんですよッ。
『全て白い雪に埋めて』
今日幾度目かもわからない甘美な声が狭い室内に響き渡る。
アルフレートの白い肌をたき火の炎が照らし出していた。
「ヤマムラさん……もっと、もっと……いいですか? 貴方にもっと愛されたい……」
途切れ途切れに語る声は耳に絡みつき、ヤマムラの理性を溶かしていく。
普段ならこう何度もアルフレートの身体を抱く事はない。
二人の間にそんなに長い時間もないし、ヤマムラが拠点する安普請の宿では1日激しく乱れていれば隣の部屋にもその様子が伝わる事だろう。
アルフレートとの関係を隠すつもりはないし実際すでに周囲は気付いているのだろうと思うが、それでも肌を重ねる音や声を聞かれるのは気まずいと思ったからだ。
だが今は周囲を気にする事もなかったし、他にする事もない。
ここはヤーナムから離れた小屋であり、外は吹雪いて暫くは出られそうになかったからだ。
「別にいいんだが……大丈夫か? もうずっと……」
薪から火花が飛ぶ。傍で火を焚いているが、吹雪もあってか室内はやや寒い。
互い身体を求め続けるのはこの寒さを凌ぐためでもあった。
ヤマムラの身体に貫かれたまま、アルフレートは小さく頷く。
「何度でも、大丈夫です。私、これでも鍛えてますし……貴方にもっと愛されたいし、貴方をもっと愛し包んでいたいから……」
甘い声に誘われるがまま、ヤマムラはその肌に顔を埋める。
全ての切っ掛けは、珍しくアルフレートから狩りに誘われた事だった。
『ヤマムラさん、獣狩りに付き合ってもらえませんか?』
普段から血族の情報を追い求め、獣狩りは他の狩人に頼まれた時のサポートが主なアルフレートから獣狩りに誘われた時、多少驚いたのは事実だった。
アルフレートは自分から獣狩りなどしないと思っていたからだ。
『皆さんの手伝いとして狩りをする事があっても、自分から獣を追うという事を最近はしていませんでしたから……自ら率先して動くという感覚が鈍っているような気がしているので、たまには私が主となって獣を狩ろうと思うのです。ただ、最近は一人で狩りをしていなかったので、少々不安で……』
だが断るつもりも、断る理由もなかった。
アルフレートにはいつも手伝ってもらっているのだから、彼が助けを求めていたのなら手を貸すのが道理だろうとヤマムラは思っていたからだ。
『遠慮しないでくれ、キミには普段から助けてもらってるからな。今は火急の仕事もないし、連盟から呼ばれている訳でもない。手伝わせてもらうよ、俺で良ければだけどね』
快く引き受けるヤマムラを見て、アルフレートは幾分か安心したように笑う。
そうして出向いた先がこの山であり、中腹にさしかかった頃雲行きが怪しくなってきたために逃げ込んだのがこの小屋だった。
山の天気は変わりやすい。
恐らくこの小屋はその日のように突然天候が崩れた時に逃げ込めるよう作られたものだろう。小さな作りだがすきま風が入らぬよう壁もドアも密閉度が高くなっており、中では火が焚けるようになっていた。
『吹雪くかもしれませんね』
『あぁ、そうしたら暫く足止めだな……』
懸念はすぐ現実となり、外から雪と風が吹き付ける音がする。
幸い小屋の作りはしっかりしており雪も風も入る事はなかったが、足下から抗いがたい寒さが襲ってきた。
毛布を被り凌いでいたが、互いの肌が近くなりその吐息が重なればより強い温もりを求めて身体を抱くのはもはや必然の流れだったろう。
お互いの身体を知り尽くした間柄なら尚更だ。
「ぁっ……ぁ……ぁ……」
アルフレートは身体を仰け反らせ、潤んだ目を向ける。
吸い付くような肌に絡みつく汗はヤマムラの情欲を一層昂ぶらせ、ますますその身体にのめり込んでいった。
外は吹雪が止む様子もなく、時々戸板に強い風が吹き付ける。
その様子を肌で感じながら、ヤマムラはふと思うのだ。
「アルフレート、キミはこうなるのを知っていて、俺を呼んだのか?」
すっかり紅潮した肌に幾度も口づけをしながら、ヤマムラは問いかける。
歩んできた道に、獣の気配はなかった。
この季節になればヤーナムでも雪が降る事、山の中腹にさしかかれば強く吹雪くという気候についてはヤマムラよりもアルフレートの方がずっと詳しいだろう。
普段は獣狩りをしないアルフレートが自分から獣狩りに誘うというのも、今にしてはおかしの話だ。
吹雪の中、閉ざされた空間にあればする事は自然と決まってくる。
お互い狩人であり事を始めれば体力が付き果てるまで求めてしまう事もきっと分っていただろう。
ヤマムラの問いかけに、アルフレートはただ笑い手を伸ばす。
「……いいじゃないですかそんな事はどうだって。どうだっていいし、どうしてもいい。貴方がそう思ったのなら私に酷い事をして下さい……何も思わなかったのならそれでもいい、今はただ溺れて下さい。私に……私も、全てを雪の中に埋めて忘れて……貴方の心と体に酔い、溺れてしまいたいから……」
そうしてヤマムラの首筋にキスをするアルフレートを、ヤマムラは強く抱きしめた。
そうだ、そんな事はどうだっていいし、どちらでもいい。
今はただ彼を愛し、彼に愛される喜びを感じていよう。
そんな事を思いながら。
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