インターネット字書きマンの落書き帳
好きなところを聞いてみたい(ヤマアル)
推しCPの事は考えるだけでも健康にいい。
好きなシチュエーションについて考えるのも健康にいい。
つまり、推しCPの好きなシチュエーションについて書くのは最高に健康にいいってこと!(挨拶)
今回は「俺なんかのこと、どうして好きなんだ」と聞いてみるヤマムラさんと、それに一生懸命こたえるアルフレートくんの話ですよ。
姉さん、俺はね。
自分なんかをどうして好きなんだ、なんて思ってしまう攻めも、それに対して必死にこたえる受けも大好きなんだよ。
好きなシチュエーションについて考えるのも健康にいい。
つまり、推しCPの好きなシチュエーションについて書くのは最高に健康にいいってこと!(挨拶)
今回は「俺なんかのこと、どうして好きなんだ」と聞いてみるヤマムラさんと、それに一生懸命こたえるアルフレートくんの話ですよ。
姉さん、俺はね。
自分なんかをどうして好きなんだ、なんて思ってしまう攻めも、それに対して必死にこたえる受けも大好きなんだよ。
『言葉に尽くせぬほど』
ヤマムラにとってアルフレートは純粋に自分を慕ってくれている良き隣人であり愛しい男でもあった。
出会いこそ「お前は血族なのか」「その武器はどこにいれた」「血族の武器は破壊する、それがこの街を清浄にする」等とやけに物騒な文句を並べ問答無用で襲いかかってくるという少しばかり無謀で厄介な手合いではあったが今はその誤解もとけ共に穏やかな日々を過ごしていると言ってもいいだろう。少なくともヤマムラが千景を振るう事に難色を示す事はなく、勝手に武器を盗んで破壊しようといった素振りは見えないのだから随分と良くなった。あれほど血族を嫌い不浄な存在として憎んでいるアルフレートが千景を振るう事を許すようになった理由はわからないが彼なりに葛藤し落とし所を見つけてくれたのだろうと思うとありがたいことだ。
その代わりにアルフレートの真っ直ぐな思いはヤマムラへと向かっていた。
「ヤマムラさん、ちゃんとご飯は食べてますか」「寝ずの狩りは危険ですから休める時には休んでください」そんな狩人に対する当たり前の心配もあれば時には「拾い食いとかは絶対にダメですよ。ヤーナムには美味しそうに見えて何だかわからない食べ物が沢山あるんですから」なんて、ヤマムラを小さな子供だとでも思っているような事すら言うのだから面白い。
アルフレートも自分が時たまおかしな心配をする事に気付いているのだろう。 「すいません、ヤマムラさんだってその位知ってますよね。ですが、私どうしても心配で……」 口に出してから恥ずかしそうに顔を赤らめ口元を押さえる表情や仕草を見るのもまた愛しく思えた。
だがアルフレートはどうしてこんなにも自分に心を砕いてくれるのか、そこはどうにも理解できない。 アルフレートからすれば自分は一回り以上は年の離れた何でもないような男だ。言ってしまえば「オジサン」である。狩人として目立った成果を上げている訳でもなければヘンリックのように色気のある洒落者といった訳でもない。異邦人であるというのは閉鎖的なヤーナムで目立つ個性と言えるだろうが、その個性はよそ者を極端に嫌うヤーナムにおいてはむしろマイナスと言えただろう。
ほとんどヤーナムから出た事のないアルフレートの価値観からするとヤマムラなど「秘密を暴きにきたよそ者の狩人でうだつの上がらぬ中年男」程度の存在だったはずだ。
それだというのにアルフレートは真っ直ぐに自分を見つめ献身的なまでの愛情を注いでくれるのだ。決して面白みのある訳でもないただのオジサンでしかない自分にはもったいないくらいに。
「……なぁ、アルフレート。キミは俺のどこがそんなに好きなんだ」
ある夜、部屋にやってきたアルフレートにふとそんな事を聞いていたのはそれまで心に溜まっていた疑問がふっと吹き出たからだ。
「どうしたんですか、突然!? えぇ、急に言われても……」
アルフレートは顔を真っ赤にし、ヤマムラの方を向く。
別にアルフレートの愛情を疑っている訳ではない。むしろ真っ直ぐかつ全力で自分に愛の眼差しを向けている事は間違いないが故に出た疑問だ。 アルフレートのように若く美しい青年であれば自分のように年の離れた気の利かぬ男よりよっぽど良い相手がいるはずだ、等と思ってしまうのはヤマムラが少し悲観的すぎるからだろうか。
そんな事を考えながらアルフレートを見つめていれば、彼は赤い顔を上げた。
「あの、ヤマムラさんは……優しい方なので、だから……好きです」
装束の裾を握り一生懸命を通りすぎて必死な程でヤマムラもつい恥ずかしくなる。同時にやはりアルフレートは自分の事が好きなのだといった思いをひしひしと感じたまらなく幸せな心持ちになるのだ。何故自分などと思ったのは僅かでもアルフレートの思いに疑問を抱いた所があるからだろうがアルフレートは迷いなく答え、恥じらいをこめた目でこちらを見る。その真っ直ぐな眼差しを前に少しでも疑いの心を抱いた自分が恥ずかしく思えた。
「そう言うヤマムラさんは、私の……私の、どこが良かったんですか……」
そんな幸せを噛みしめていれば今度はアルフレートから同じ質問をされる。
何処が良かったのかと言われ思い浮かぶのはこれまでアルフレートと過ごしてきた日々のことだ。
最初は殺意を帯びた目で迫ってきた時は追い返すのに手を焼いたし、野営中を狙ったように仕掛けてきた時などは流石に参ってしまった。だがアルフレートとの手合わせがあったからこそ今でも生き延びる事が出来ていたとも思うのはアルフレートが手練れの狩人であり当時のヤマムラでは応対するのがやっとの相手だったからだ。アルフレートとの戦いで身につけた戦術も多く、若く血気盛んな彼を殺さずに退け続けた経験が今に生きているのは間違いない。 それを思えば自分をより狩人として高みへと登らせてくれた恩人であるだろう。
そしてその真っ直ぐな思いは少し強引なくらいだがだからこそもう何があっても心乱される事はないと思っていたヤマムラの心を大きく乱し再び人を愛するまでに至ったのだ。それを思うとアルフレートの存在は何と大きいのだろう。ただの若く美しい青年だというのは陳腐だ。愛しているという言葉でも物足りない。思いはうまく形にならず、ヤマムラはほとんど無意識にアルフレートと唇を重ねていた。
「な、何をするんですか……ヤマムラさん……」
重ねた唇を拒む事もなく、アルフレートは熱を帯びた目を向ける。その目を見つめ、ヤマムラはかすかに笑った。
「キミの事をどう思っているのか……伝えようと思ったけど、どんな言葉も陳腐に思えてね。気付いたら……こんな事をしていた。ごめん、答えにならなくて……」
「いいです……嬉しいですから。あの、ヤマムラさん……もう一度……いいですか」
「一度だけでいいのかい?」
悪戯っぽい問いかけのあと、互いに笑う吐息が肌をくすぐる。
「……もっとしてくれるのなら、もっとしてください。僕も……好きです、愛してます。その言葉では足りない程に、あなたが愛おしいのですから……」
ヤマムラはその言葉に誘われるよう二度、三度と繰り返し口づけをする。
互いにふれあう時は愛しいという言葉では表しきれない程に大切でそして幸福だった。
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