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インターネット字書きマンの落書き帳

   
好きにされちゃうアルフレくんと好きにしちゃうヤマ(ヤマアル)
ブラボが安い! 今すぐ死ね!(挨拶)

いやー、ブラッドボーンは良いゲームですよ。
とくにヤマムラさんとアルフレートくんが最高なのでみなさん是非プレイして二人の絆を感じてください。

考えるな。
感じるんだ。

という訳でヤマムラさん×アルフレートくんの話をします。
今回はヤマムラさんと恋人になっているものの、普段から優しくて不安になり「私のこと好きにしてください!」って言ったら本当に好きにされちゃうアルフレートくんの話ですよ。

健康に……ヤマアルは健康にいい……!




『好きなだけ、好きなことを』

 暖かな湯につかりながらアルフレートは深く長い息を吐く。
 周囲に目をやれば人里から離れたヤーナムの森でそこら一帯だけが葉を紅く色づいておりつもる落ち葉はまるで絵の具を散らしたように美しい赤と黄のコントラストを描いており、冬が近づき大地を這うような寒さが続いているのを忘れさせる程に美しかった。
 おまけに今は暖かな湯に肩までつかっているのだから心地よさは格別だ。目に入るのは美しい景色ばかり。おまけに身体の芯まで温まるような湯に包まれているのだから、身体中の疲れが湯へと溶け出していくように思える。
 最近、アルフレートは焦燥していた。
 それは血族を見つける事の出来ない焦りもあったろうしカインハーストの招待状についての話を聞く事がない日々が続いたのもあったろう。このまま身体が老いて狩りの出来ぬほど弱ってしまっては尊敬するローゲリウスの名誉を回復させる事など不可能だ。せめて戦えるうちに、戦えずとも足が動くうちにカインハーストまで赴かなければ死ぬにも死にきれない。だがいくら焦っても何の成果もない日々はアルフレートを無意識に追い詰めていたのだろう。最近のアルフレートは眠れぬ日々を過ごしており、寝酒のつもりで口にした酒が深酒になる事もあった。
 そんな心のわだかまりも全て湯で流れていくような気がする。今日はぐっすりと眠れるのではないかとも思えた。

「どうだ、あったかいだろアルフレート」

 そんなアルフレートの下で薪の様子を見ながらヤマムラは顔いっぱいに笑って見せる。 石を積み上げ、工房でいらなくなった大釜を勝手に持ち出して作られた即席の露天風呂は絶景と温もりを同時に与えていた。
 ヤーナムでは風呂に入れる場所など滅多にないのだがヤマムラの故郷はよく風呂に入る習慣があり、大衆浴場などは毎日のように賑わっているのだという。 特に景色の良い場所にある温泉は人気も高いのだそうだ。

「えぇ、暖かいですけど……」

 大釜のヘリに身体を預けながら、アルフレートは湯で顔を洗う。
 暖かいと思うが、こんなはずではなかったという思いもあるからだ。
 アルフレートがヤマムラに告げた言葉は確かこうだ。

「私を恋人だと思ってくれるのなら……もっと色々なことをしていいですよ。私のこと好きにしてください」

 好きにしてほしいと思ったのは不安だったからだ。
 自分のことを恋人だと思い、時に抱き寄せキスをして肌を重ねる事もあるヤマムラだが寝所ではまどろっこしい程に優しく、何ら非道いことをしようとしなかったことがアルフレートを不安にさせていた。
 今までの相手は大概が自分勝手で奔放でアルフレートの気持ちなど考えずに蹂躙するかのようその身体を愉しむような輩ばかりだった。
 それが愛情ではなく一時の情欲をおさめるための行為でしかないのは解っていたが、あまりに優しいヤマムラの行為は優しすぎる故に不安になってしまうのだ。
 これが狩人の行為だろうか。これが愛情なのだろうか。本当は我慢をしているのではないか。
 その思いがアルフレートに「好きにして欲しい」なんて事を言わせたのだ。

「それだったら今日は一日、君を俺の好きなようにしてやろうかな」

 だからヤマムラからそう言われた時はどこか安心した。
 ヤマムラもやはり我慢していたのだ。欲望をもつ一人の人間で狩人なのだと。 そして淫らに犯され声もあげられぬほどの快楽に蕩けさせてもらえるのだと期待していたのだが、ヤマムラときたらどうだろう、アルフレートを美味いと評判の食堂に連れて行くと散々と肉や野菜を食べきれないほど注文するじゃないか。

「すっかり食が細くなってきてな。色々食べたいと思っても一人では食べきれないから、若いきみが居てくれると助かるよ」

 そうやってアルフレートがあれこれ頼んで食べるのを嬉しそうに見ているじゃないか。
 焼きたてのチキンやローストビーフ、白身魚のフライ……今日で三日分の食事を食べたような気がする。しかもヤマムラが見つけた店がまたヤーナムの店と思えぬほど味も良く食材も新鮮なのだ。
 美味しいのは肉や魚だけではない、揚げたポテトはホクホクだし焼いただけの茄子は味が濃厚で噛んでも噛んでもうまい汁が出るのだからたまらない。あまりのおいしさに自分でも思わぬほど食事をとってしまった。今日だけで5kgくらい太ったんじゃないかと思うほどだ。
 しかもデザートに甘いカラメルをのせたプリンまで出たうえ、お土産のクッキーまで頂いてしまった。夜寝る前に甘くいれた紅茶などと一緒に食べたらきっと最高の眠りにつけるだろう。
 そうして腹を膨らませた後は見晴らしのいい、だが人の少ない所で準備してあった大釜に水を入れ湯を沸かし始めたのがこの場所だ。
 それがちょうど良い温度になると「風呂に入るといい。この景色を見ながら風呂は最高だぞ」なんて言って、アルフレートを半ば合意にこの大釜風呂へ入れたのだ。
 小川のせせらぎがすぐそばにあり遠くから野鳥の囀りが聞こえる秋のヤーナムは自然の景色も美しい。最初温いと思った湯もヤマムラが火の調整を上手にしてくれたおかげで今は凄く暖かい。
 最高の贅沢をした一日だろう。
 だがアルフレートの思っていた事とはかなり違う。

「私、そういう意味で好きにしてくださいって言った訳じゃないんですけれども……」

 アルフレートは湯に鼻までつかり、その中で文句を言う。 それは言葉になることはなく、ただ湯の上にぶくぶくと泡がたつだけだった。
 最も、好きにしてくれといったのは自分だしヤマムラにとってこれがアルフレートを「好きにする」ことなのだろう。 悪い気持ちはしないが、ひどく甘やかされただけのような気もする。
 そもそも普段からヤマムラはアルフレートに対して甘くすぐ何かと世話をやき可愛がるような所があるのだが、その上で「好きにしていい」と言われここまで甘やかされるとはヤマムラの甘やかしには底がないのだろうか。
 もしもっと早く出会っていたら骨の髄まで甘やかされて駄目になってしまったかもしれない……だがそれはそれで幸せだったのかもしれないが。

「悪いなぁ、今日は一日君を振り回してしまって……でも、俺が好きなものを君も好きになってくれたら嬉しいなんて思ってしまったんだよ。はは……子供みたいだろう?」

 ヤマムラは少し照れたように笑いながら、薪を一つ入れる。
 おいしい料理を楽しむことも美しい景色を眺めることも暖かい湯に入ることもヤマムラにとって「好きなこと」なのだろう。
 それを自分にも体験してほしいと思う。出来れば好きになってほしいと思う……そういうのも「愛」なのだろうか。
 毎日が獣との戦いで人々が疲弊しきった顔で生活をしているヤーナムで、ヤマムラはやはり異邦人であった。外から来て外の文化を知り、外の風を呼び込むものだ。
 だからこんな一日を愛しいと思うのだろうか。

「いえ……楽しかったですよ、ヤマムラさん」

 大釜に身体を預け、アルフレートは空を見る。
 予想していたこととは違ったが一日が楽しかったのは確かなことだし、空に浮かぶ月を見て綺麗だと思ったのも何年ぶりだろうか。
 特に何かしたという訳ではない、食べて風呂に入り暖かくすごしたそれだけの日が、今日は特別な日に思う。

「本当に……楽しかったです」

 アルフレートは再びそう言うと、静かな笑みを浮かべる。
 空に浮かんだ月は相変わらず手が届きそうなほど近くに迫っていたが、今夜は悪夢に囚われることなく眠れるような気がした。

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インターネット駄文書き
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