インターネット字書きマンの落書き帳
媚薬飲まされムラさん。(アルヤマ)
アルフレートくんから媚薬を飲まされた後焦らされ待たされてしまう。
そんな緊縛プレイを強いられるヤマムラさんです。
端的に説明したらヤベェな!
と思ったけど、多分まぁ大丈夫でしょう。
多分大丈夫
部分的に大丈夫
アキネイターになっちゃうな!?
そんな緊縛プレイを強いられるヤマムラさんです。
端的に説明したらヤベェな!
と思ったけど、多分まぁ大丈夫でしょう。
多分大丈夫
部分的に大丈夫
アキネイターになっちゃうな!?
「真実でも偽りでも事実だけは残る」
重ねた唇からどろりとした甘い香りのする、だが一切味のない液体を注ぎ込まれて「あぁ、何か薬を飲まされたのだな」というのをヤマムラは察した時にはすでにその液体は喉元を過ぎていた。
「……一体何を飲ませた、アル?」
部屋にもどり狩装束を脱ごうとした時、アルフレートは不意打ちで唇を重ねてきた。
声も出さずにヤマムラの手を引くと少し強引に身体を抱き寄せキスをされた時は元より挨拶代わりのようにキスをしてくるアルフレートだったからさして気にしはしなかったが、『得体の知れない何か』を飲まされたというのならまた別だ。
アルフレート自身が口に含んでいたのなら劇毒の類いではないだろうが……。
「さぁ。何を飲ませたと思います?」
アルフレートは何処か妖しく笑うと、近くに置かれた椅子にヤマムラを座らせ腕を縛り上げる。
「やめろッ、アルフレート! 何をすっ……」
「やめさせたかったらそんなにか弱い力じゃなく、もっと激しく抵抗してくださいよ……ふふ、それとも私だったら貴方に酷い事などしないと思って身を委ねてくれていますか? それだったら少し嬉しいんですけれども」
アルフレートはヤマムラのはだけた胸元を唇でなぞり、何処か妖艶に笑う。
男であるはずのアルフレートだが時々見せる仕草は艶めかしくも美しく、どこか人間離れしたような、幽世にある存在のような気にさえさせた。
その美しさに気を取られているうちに後ろ手に縛られたまま椅子に固定され、目隠しまでつけられる。
カンテラの光も乏しい薄暗い部屋だから目隠しをすれば完全に周囲は闇に包まれた。
だが傍にアルフレートがいるのは分る。吐息肌に触れ、時々その指先がヤマムラの身体を撫でた。
「さてヤマムラさん。貴方が何を飲まされたか分りますか?」
耳元にアルフレートの唇が触れる。
鎮静剤のような飲んだ記憶のある味ではなかったし、甘みも苦みも感じなかった。少なくとも飲んですぐに効果のある薬ではないようだが、だとすると尚更分らない。
「……見当もつかないな。甘い匂いがしたが味は殆どしなかった。やけにどろりと粘ついて飲込むのも億劫だったが苦みがあるワケでもなければ別段変わった所もない。医療教会の連中がつくる怪しげな薬じゃなさそうだが」
アルフレートが微かに笑う声と吐息が耳にかかる。その吐息が静まった後、アルフレートは静かな声で告げた。
「媚薬ですよ」
「媚薬……?」
「ご存じ無いですか? ……身体の血が廻り熱を帯び、人肌を求めるようになる秘薬ですよ。少しずつ血が滾り、まるで獣狩りの後のような昂揚の最中でいつもより強い快楽を求め、得る事が出来る……そんな薬です」
初めて聞く薬だった。
いや、ヤマムラの故郷でも身体が至らない時に飲む精力剤のようなものは存在したが、酷く苦い漢方だったり精の付く食事だったりが殆どでただ甘いだけの香りが漂う液体ではなかったからだ。
「……冗談だろう」
「冗談かどうかはそうですね……半時ほどでわかると思いますよ」
その言葉を最後にアルフレートはヤマムラから離れる。そして静かに部屋を出て行った。
媚薬というのは本当だろうか。
今のところ身体に変化はないが、目を閉ざし腕を縛られたままの姿でいる事にもどかしいような気持ちが芽生え始めていた。
「くッ……きつく縛ってあるな……」
試しに腕を動かしてみるが簡単にほどけるような結び方ではないようだ。身動きがとれないまま、はだけた胸を晒しているのだと思えば室内だというのにやけに恥ずかしい。
今誰かが部屋に入ったらどう思うのだろうか……。
……そういえば、アルフレートは部屋に鍵を閉めていったのだろうか。
閉めていないような気がする。鍵をかける音が聞こえなかったからだ。
最もここは狩人の集まる宿であり、狩人同士はあまり連む事もない。特にヤマムラのような異邦人は狩人仲間からも遠巻きに見られるのが主だ。ここに訪ねてくるのはアルフレートくらいのものだ。
そう思えば誰かに見られる事はないと安心するが、すぐに不安が頭にもたげる。
アルフレートが誰かに部屋を見てくるよう頼んだとしたらどうだろう。『ヤマムラさんが来てないようなので呼んできてください』涼しい顔をし他の狩人にそんな事を頼んでいたとしたら。そしてこんな姿を見られたら……。
(いや、そんな事をアルフレートがするはずが……)
ないとは言い切れない程度にアルフレートは時々悪戯っぽい挑発をする。
もしそうなったら。
その想像は自然とヤマムラの身体を昂ぶらせていた。
「はぁッ……あ……」
思考が巡れば鼓動が早くなっていく。
あるいはこの羞恥心や昂ぶりが媚薬の効果なのだろうか。
獣狩りほどの昂揚はなかったが、じわじわと綿に水を含ませるようにヤマムラの身体は羞恥によって昂ぶっていった。
「っ、う、で……」
腕が動かせない事が焦れったい。
何もしていないというのに身体の昂ぶりは納まらず、自分の一部が肥大していくのを感じた。
(これじゃぁ、まるで……縛られて目を閉ざされ興奮しているようじゃないか……)
ヤマムラは少しずつ朦朧とする意識の中、そんな事を思う。
実際その通りなのだろうが、それを認めてしまえばいかにも自分が性欲さえ自制できない淫らな男に思えて素直に受け入れる事など出来なかった。
腕が動けば昂ぶる身体を自分で処理して誤魔化していたが、その手は今封じられている。
(アルフレート、最初からこうなる事が分っていたのか……)
天を仰ぎため息をつく。
身体はただ昂ぶるばかりだった。
「……どうです、ヤマムラさん。いや、何も言わなくても大丈夫ですよ。……身体を見れば分りますから」
アルフレートの靴音が室内に響く。
その声は少しずつ近づいてヤマムラの首筋を舐めれば、身体はいつもよりずっと激しい快楽に震えていた。
「あ、アル……キミは……」
「……お利口にしていたみたいですからね。すぐに楽にしてあげますよ」
「本当に、あれは媚薬だったのか? それとも……」
ヤマムラの耳に、アルフレートの吐息がかかる。
空気の震えで笑っているのが分った。
「さぁ、どうでしょう。今となっては……どうでもいいし、どっちでもいい。そう……思いませんか?」
そしてヤマムラと唇を重ねる。
貪るようなキスをしながら、ヤマムラの意識は薄らいでいった。
どうでもいいし、どちらでもいい。
今はこの身体を抱き、溺れてしまいたかった。
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