インターネット字書きマンの落書き帳
ハロウィンを楽しむみゆしば概念です(BL)
平和な世界線で普通に付き合ってる手塚×芝浦を書くコーナーです。(挨拶)
実はこれも過去に書いた話のサルベージなんですけど、内容がハロウィンの話だったので「ハロウィンまで出せないな……」と思っていたものです。
ようやく出せるようになったよ、やったね!
この話は、ハロウィンで仮装をしているけど、仮装している芝浦より普段の芝浦の方が正直そそってしまう手塚みたいな話ですよ。
happy Halloween!
実はこれも過去に書いた話のサルベージなんですけど、内容がハロウィンの話だったので「ハロウィンまで出せないな……」と思っていたものです。
ようやく出せるようになったよ、やったね!
この話は、ハロウィンで仮装をしているけど、仮装している芝浦より普段の芝浦の方が正直そそってしまう手塚みたいな話ですよ。
happy Halloween!
『たまには刺激も良いけれど』
自宅アパートに戻ってきた手塚を出迎えたのは、耳と尻尾をつけた芝浦だった。
「がおー」
やる気があるのか無いのか分らない気の抜けた声で、ライオンが爪を立てるように指先を曲げたポーズをとる。
見れば衣装もマントにベストと、いかにもベタな仮装をしている。モチーフは狼男なのか吸血鬼なのかわからない、えらく中途半端な格好の気もしたが、それが一層お祭り感を醸し出していた。
暦とは無縁の生活をしている手塚でも、その姿を見ればなるほどもうすぐハロウィンなのだという事くらいすぐに分る。
「何て格好してるんだお前は」
手塚は軽く芝浦の額を指先で弾くと、ジャケットを脱ぎ捨てた。
「相変わらずノリ悪いね、手塚。他のみんなには結構喜んで貰えたんだけどな」
芝浦はそう言いながら、マントをつまみ上げその場でくるりと回転して見せる。
シャツの襟元は思ったより開いており、胸元まではっきり見える。ズボンは片方だけ膝丈になっているのか、オレンジと黒の派手なタイツが見えていた。
「見た目は華美でハロウィンという催し向きなんだろうが……少し肌が出過ぎだな」
手塚は今脱ぎ捨てたばかりのジャケットを芝浦に羽織らす。
「……着替えてこい。もう寒くなってきたから、そんな格好でいると風邪をひくぞ」
予想以上に手塚の反応がドライだったからか、芝浦も「はいはい」と頷くと軽くため息をついた。
「いやー、大学の知り合いからハロウィンに誘われてさ。『芝浦くんは絶対こういうの可愛いから』って、女子に半ば無理矢理衣装を押しつけられて、見て。カチューシャで耳までつけられてさ。殆ど玩具みたいにされてアレコレ着替えさせられて『絶対可愛いから、似合うからー』なんて言って衣装を押しつけられたんだよね」
どこかやる気の無さを感じてはいたが、やはり無理矢理押しつけられて貰ってきたモノのようだ。
女子に囲まれ 「かわいい」「可愛い」 ともてはやされて無理矢理着替えさせられる姿も目に浮ぶ。
「折角貰ったから着てみたけど。やっぱちょっと子供っぽし、いかにも女の子の服って感じだし、やっぱ。俺のイメージではないよね」
芝浦は不機嫌そうだが、似合う、似合わないで言われたら似合っているだろう。
年齢より若く見える芝浦は、ネコ耳やマント、派手なタイツといった女性が着ても似合うような衣装もぴたりとハマる顔立ちをしているのだ。
だが可愛い事を自覚しておりそれをよく利用もする芝浦ではあるが、同時にあまり雄々しく見えない事にコンプレックスを抱いているのも知っているから、「似合っている」とは言わないでおく。 それを言われても芝浦はあまり喜ばないのを知っていたし、それ以上に露出が多すぎるのが気に掛かったからだ。
他人から見て可愛い上に、露出が多すぐる服は似合う似合わない以前に心配の方が募る。
芝浦は自分の可愛さは自覚しているが、自分に性的な魅力があるという部分を失念しがちだからだ。
魅力的なのは悪くないが、無防備すぎるのは良い事ではない。
「いいから着替えてこい。着替えたら夕飯にするからな」
「はいはいっと……じゃ、いつもの服に着替えてくるなー……覗くなよ?」
手塚が呆れたような顔を向ければ、芝浦は悪戯っぽく笑い寝室へと引っ込んで行く。着替えはそちらに置いてあるのだろう。後ろ姿を見送ってから、手塚はコンビニで買ってきた弁当をレンジで温める。今日は何も作る気にはならなかったから、事前に芝浦へメールしてリクエストされたオムライス弁当だ。
(レンジで温めている間にインスタントスープを作って……今日は寒いから暖かい茶を入れるか……カモミールでいいか……)
ハーブティを淹れてるところで、芝浦はリビングへと戻ってくる。
「ただいまー。お、今日はハーブティ? この匂い、カモミールかな?」
「正解だ。おまえは物覚えが本当にいいな」
「舌は肥えてる方ですし? 手塚が淹れてくれるハーブティ美味しいし、香りもいいからすぐ覚えちゃうんだよね。最近はウチでも取り寄せて飲んでるよ」
グレーのシャツにネイビーのカーディガンを羽織った芝浦は普段の姿とかわりない。
学生であるうちはあまり華美にならない服を意識して選んでいるのだろうが、変わらない芝浦の笑顔はいつもと同じように愛おしかったから。
「……芝浦」
手塚はハーブティを淹れる手を止めると、芝浦を抱き寄せてそのまま唇を重ねる。
突然交された唇に芝浦は当然、驚いたような顔をした。
「えっ? えっ? どうしてこのタイミングなワケ? ……さっきの俺、結構頑張って可愛い感じにしてたと思うけど?」
「いや……やっぱりお前は、いつもの姿がいいと思ってな。俺は……いつものお前が好きだ」
手塚の言葉を聞いて、芝浦は少しはにかんだ笑顔を見せる。
「……俺も、そんな手塚が好きだぜ。何でもない俺の事、好きだっていってくれるアンタがね」
芝浦は手塚の頬に触れ、今度は芝浦から唇を重ねる。
幾度も口づけを繰り返しながら、二人はただ変わらない幸せを噛みしめるのだった。
自宅アパートに戻ってきた手塚を出迎えたのは、耳と尻尾をつけた芝浦だった。
「がおー」
やる気があるのか無いのか分らない気の抜けた声で、ライオンが爪を立てるように指先を曲げたポーズをとる。
見れば衣装もマントにベストと、いかにもベタな仮装をしている。モチーフは狼男なのか吸血鬼なのかわからない、えらく中途半端な格好の気もしたが、それが一層お祭り感を醸し出していた。
暦とは無縁の生活をしている手塚でも、その姿を見ればなるほどもうすぐハロウィンなのだという事くらいすぐに分る。
「何て格好してるんだお前は」
手塚は軽く芝浦の額を指先で弾くと、ジャケットを脱ぎ捨てた。
「相変わらずノリ悪いね、手塚。他のみんなには結構喜んで貰えたんだけどな」
芝浦はそう言いながら、マントをつまみ上げその場でくるりと回転して見せる。
シャツの襟元は思ったより開いており、胸元まではっきり見える。ズボンは片方だけ膝丈になっているのか、オレンジと黒の派手なタイツが見えていた。
「見た目は華美でハロウィンという催し向きなんだろうが……少し肌が出過ぎだな」
手塚は今脱ぎ捨てたばかりのジャケットを芝浦に羽織らす。
「……着替えてこい。もう寒くなってきたから、そんな格好でいると風邪をひくぞ」
予想以上に手塚の反応がドライだったからか、芝浦も「はいはい」と頷くと軽くため息をついた。
「いやー、大学の知り合いからハロウィンに誘われてさ。『芝浦くんは絶対こういうの可愛いから』って、女子に半ば無理矢理衣装を押しつけられて、見て。カチューシャで耳までつけられてさ。殆ど玩具みたいにされてアレコレ着替えさせられて『絶対可愛いから、似合うからー』なんて言って衣装を押しつけられたんだよね」
どこかやる気の無さを感じてはいたが、やはり無理矢理押しつけられて貰ってきたモノのようだ。
女子に囲まれ 「かわいい」「可愛い」 ともてはやされて無理矢理着替えさせられる姿も目に浮ぶ。
「折角貰ったから着てみたけど。やっぱちょっと子供っぽし、いかにも女の子の服って感じだし、やっぱ。俺のイメージではないよね」
芝浦は不機嫌そうだが、似合う、似合わないで言われたら似合っているだろう。
年齢より若く見える芝浦は、ネコ耳やマント、派手なタイツといった女性が着ても似合うような衣装もぴたりとハマる顔立ちをしているのだ。
だが可愛い事を自覚しておりそれをよく利用もする芝浦ではあるが、同時にあまり雄々しく見えない事にコンプレックスを抱いているのも知っているから、「似合っている」とは言わないでおく。 それを言われても芝浦はあまり喜ばないのを知っていたし、それ以上に露出が多すぎるのが気に掛かったからだ。
他人から見て可愛い上に、露出が多すぐる服は似合う似合わない以前に心配の方が募る。
芝浦は自分の可愛さは自覚しているが、自分に性的な魅力があるという部分を失念しがちだからだ。
魅力的なのは悪くないが、無防備すぎるのは良い事ではない。
「いいから着替えてこい。着替えたら夕飯にするからな」
「はいはいっと……じゃ、いつもの服に着替えてくるなー……覗くなよ?」
手塚が呆れたような顔を向ければ、芝浦は悪戯っぽく笑い寝室へと引っ込んで行く。着替えはそちらに置いてあるのだろう。後ろ姿を見送ってから、手塚はコンビニで買ってきた弁当をレンジで温める。今日は何も作る気にはならなかったから、事前に芝浦へメールしてリクエストされたオムライス弁当だ。
(レンジで温めている間にインスタントスープを作って……今日は寒いから暖かい茶を入れるか……カモミールでいいか……)
ハーブティを淹れてるところで、芝浦はリビングへと戻ってくる。
「ただいまー。お、今日はハーブティ? この匂い、カモミールかな?」
「正解だ。おまえは物覚えが本当にいいな」
「舌は肥えてる方ですし? 手塚が淹れてくれるハーブティ美味しいし、香りもいいからすぐ覚えちゃうんだよね。最近はウチでも取り寄せて飲んでるよ」
グレーのシャツにネイビーのカーディガンを羽織った芝浦は普段の姿とかわりない。
学生であるうちはあまり華美にならない服を意識して選んでいるのだろうが、変わらない芝浦の笑顔はいつもと同じように愛おしかったから。
「……芝浦」
手塚はハーブティを淹れる手を止めると、芝浦を抱き寄せてそのまま唇を重ねる。
突然交された唇に芝浦は当然、驚いたような顔をした。
「えっ? えっ? どうしてこのタイミングなワケ? ……さっきの俺、結構頑張って可愛い感じにしてたと思うけど?」
「いや……やっぱりお前は、いつもの姿がいいと思ってな。俺は……いつものお前が好きだ」
手塚の言葉を聞いて、芝浦は少しはにかんだ笑顔を見せる。
「……俺も、そんな手塚が好きだぜ。何でもない俺の事、好きだっていってくれるアンタがね」
芝浦は手塚の頬に触れ、今度は芝浦から唇を重ねる。
幾度も口づけを繰り返しながら、二人はただ変わらない幸せを噛みしめるのだった。
PR
COMMENT