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インターネット字書きマンの落書き帳

   
何故か自分が世話をしてあげてる側と言い張るはなし。(手芝・みゆしば)
平和な世界線で普通に恋人同士として付き合う手塚と芝浦の話です。
(今日も端的に紹介される幻覚)

今回は、城戸くんに子供扱いされたのでつい「俺だって大人だし」とイキがってしまうしばじゅんちゃんの話です。
城戸くんはみゆみゆとしばじゅんちゃんが付き合ってるのを知ってるけど普通に友人付き合いをしているやさしいお兄さんだよ。だって城戸くんだからね。

受けちゃんがドヤァ! してるのを攻めくんが「フーン」って見てる感じ好きかい。
俺は好きだよ!




「大人だと思われたいから」

 公園からの帰りがてら並んで歩いていた手塚と芝浦が仕事を終えて帰る所だった城戸と出会ったのは全くの偶然だった。
 見知った顔があれば久しぶりに夕食でも皆で食べようと近くのファミレスに寄ったのも自然な流れだったろう。
 手塚と芝浦の仲を知っている城戸が二人が並んで席を座るようにしたのも至極当然のことだった。

「あ、手塚。口にソースついてる……今とってあげるからじっとしてて」
「……悪いな。ところで芝浦、飲み物をとってくるつもりだが、お前もどうだ?」
「じゃ、お願いしちゃおっかな。俺、コーラで。氷多めに入れてね」

 そんなやりとりの後立ち上がる手塚を見て、城戸は何とはなしに口を開いた。

「前から思ってたけど、芝浦ってご飯食べるの上手だよな。テーブルマナーっての? 食べ方もいつも綺麗だし、食べ終わった食器もすごい綺麗だしさ」
「そりゃ、真司とは教養が違うし? これでも一流シェフの店に連れて行かれるし、ドレスコードのある店にも出入りする立場だからね。テーブルマナーとか食べ方に関しては結構うるさく祝われたんだよ。お金持ちの苦労ってヤツ?」
「何だよそれ……コッチが貧乏してますって感じで言うなって。というか、どうしてお前いつも俺の事名前で呼び捨てなんだよ!? お前より年上だぞ!?」
「真司は真司だって……ま、確かに食事に関して言えば、俺より手塚の方が食べるの雑だよね。手塚、肘ついて食べるし膝立てて食べるし」
「えっ? そんな感じなんだ。意外……」
「さっきみたいに、口元に何かつけてる事も結構あるよ。ま、大体俺が拭いてあげてるけど」

 空になった皿をテーブルの端に避けながら、芝浦はそんな事を言う。

「そうなんだ……って、そういうのマナーとか習ってきたら気になるもんじゃないのか?」
「気になるといえばそうだけど、手塚がそういう食べ方するの基本的に家の中だけだし。俺、別にそこまで他人のマナーって気にしないから。大体、普段の飯でマナー云々とか言うの窮屈で飯どころじゃないよねー。いや、実際俺そうだったよ。マナーが、礼儀がって言われながらだと食べた気にならないもん」

 そう語る芝浦を見て、城戸は驚きと感心が入り混じったような表情を向けた。

「へぇ……芝浦ってそういう所、思ったより常識あるんだ」
「ちょ、まってまって。真司、俺が全然常識とは無縁みたいな生き物だと思ってた? アンタにそう思われるのかなり心外なんだけど」
「いやー、いつもの振る舞いがこう、天上天下唯我独尊! って感じだったからさ。もっとこう、手塚を振り回したり、手塚に面倒見てもらったり……手塚が完全に保護者なイメージだったから、芝浦でもちゃんと大人の対応出来るんだなーって思って」

 どうやら城戸は手塚と芝浦の関係を「引率の先生と園児」くらいの関係……保護者と子供くらいに見ていたようだ。

「真司ィ……アンタがそういう事言う? アンタだって引率される園児側じゃん……」
「いやいや、俺大人だし! お前より二つ年上だからな!?」
「俺だって成人してますから! だいたい、俺これでも普段から結構手塚の事リードしてるし」
「フーン」
「気のない返事するなって! ホントだし! ……俺、結構手塚の世話とかしてあげてるし。あぁ見えて手塚って結構ボーッとしてるから俺が色々してあげて……可愛い所とか見せたりするんだって」

 城戸に子供扱いされた事に若干腹を立てた芝浦は、つい饒舌にそう語る。
 そんな芝浦の元へ、手塚はグラスをもって戻って来た。

「遅くなったな。ほら、お前のコーラだ」

 手塚はグラスを芝浦へと差し出す。
 その姿を見て、城戸は空のグラスを持ち立ち上がった。

「俺も飲み物無くなったからとってこようかな……ちょっと行ってくる」

 そしてドリンクバーへと向う城戸の背中を見送った後、手塚はぼそりと呟いた。

「普段は俺の世話を焼いてくれているのか、おまえは」
「うっ……聞いてたんだ。いや、あれは! 城戸が俺の事子供みたいに扱うからつい、その、言葉のあや的なやつ?」
「リードしてくれてるそうじゃないか……今日はお前にリードしてもらおうか?」
「えぇ……いや、だから、ちが……俺、甘えさせてくれなきゃ嫌なんだけど」

 困ったように甘えた声を出す芝浦を前に手塚はやや冷めた視線を向ける。

「さぁ、どうしようか……」
「手塚ぁ……ホント、ごめんって……」

 別に怒っているワケではないのだが、目の前でころころと表情を変える芝浦を見ると少し意地悪したくなる。
 そんな悪戯心から、今はもう少し困る芝浦の姿を楽しむ事にした。
 後で望むだけ優しくしてやろうと密かに思いながら。

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インターネット駄文書き
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紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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