インターネット字書きマンの落書き帳
雨の日にお迎えがきてくれる話(みゆしば/BL)
平和な世界線で普通に付き合ってる手塚×芝浦の話を時々にupるものです。(挨拶)
しばらく、過去作品をサルベージするコーナーになってますね。
この話も過去作のサルベージで、梅雨時に書いた話だったはずです。
雨に降られて困る芝浦を迎えにくる手塚の話だよッ。
世界観の設定はいつも2002~2003年頃にしてるので、今とちょっと価値観が違うかな~。
と思う描写もあるけど、二人の思いは一緒だから大丈夫だよ、きっとね!
しばらく、過去作品をサルベージするコーナーになってますね。
この話も過去作のサルベージで、梅雨時に書いた話だったはずです。
雨に降られて困る芝浦を迎えにくる手塚の話だよッ。
世界観の設定はいつも2002~2003年頃にしてるので、今とちょっと価値観が違うかな~。
と思う描写もあるけど、二人の思いは一緒だから大丈夫だよ、きっとね!
『雨に降られるのも悪くない』
買い物を終えた芝浦がコンビニから出た時、空からはぽつぽつと雨が降り始めていた。
「あちゃー……まいったな、傘とかもってきてないんだけど」
芝浦が空を見れば雨粒が落ちてくるのが見える。
普段から車の移動が多い芝浦はあまり天気を気にする事がなかったので、笠を持ち歩く習慣がないのだ。
さて、どうしたらいいだろうか。コンビニに戻って傘を買ってい良いが、ビニール傘を置いておくと「芝浦家の人間が安っぽいものを持つな」なんて父親に嫌味を言われるから、タクシーを呼んだ方がいいだろうか。そう思って財布を見るが、基本的にカードで支払いをする芝浦は現金の持ち合わせが心許ない。都内のタクシーがどれだけの距離で幾らかかるかも把握していなかった。
(タクシーだとカードが使えない場合、困るんだよなぁ)
家に電話すれば使用人がすぐに送迎車を出してくれるだろうが、それだと手塚の家には行けない。どうしようか、とりあえず一旦コンビニに戻って少し考えようと思っていた矢先に。
「やっぱりここにいたか……おい、芝浦。迎えに来たぞ」
聞き慣れた声に誘われるよう振り返れば、傘を片手にもつ手塚の姿が見えた。以前手塚の家に遊びに行った時に置き忘れていた芝浦の傘だ。きっと雨が降りそうだから迎えに来てくれたのだろう。
「えっ、手塚? わざわざ来てくれたワケ? って、占いって俺が雨に降られて立ち往生するとか、そんな事もお見通しなの?」
あまりにタイミングの良い出現で、つい驚いてそう口に出す。 それを聞いた手塚は少し笑って見せた。
「別に占わなくても、天気予報というものがあるだろう? 今日は午後から降ると言っていた時間と、お前が授業を終えてから来るといっていた時間が同じくらいだったからな」
「なぁんだ、天気予報か……でも、俺がよくこのコンビニにいるって分ったね」
「俺の家に来る時、お前は大体このコンビニに寄っているだろう? そろそろ授業も終る頃だろうと思ったし、そろそろこのコンビニに居るんじゃないかと思ったんだ……行き違いの可能性もあったが、コンビニにいなかったら電話するつもりだったしな。ほら、これ、お前は傘だろう。前に家に来て忘れた奴だ」
手塚はそう言い、芝浦へと傘を手渡す。
大学に通う時荷物が濡れないよう、リュックもかくれる大きめの傘だ。
「へへ、サンキュさんきゅっ」
そうして手渡された傘を芝浦は僅かに見つける。
ここまで迎えに来てくれたが、タクシーを使った方が濡れずに帰れるだろう。今は小雨だた歩いているうちに大降りになったら髪も服も濡れてしまい乾かすのだって億劫だ。 迎えに来てくれたのは嬉しいが、やはりタクシーを呼んだ方が濡れずに済むだろう。それまでコンビニで雨宿りをしていればいい。
芝浦がそれを告げようと顔を上げた時、手塚はこちらへと手を伸ばす。
「どうした? ……帰らないのか」
そして自然と、芝浦の手を握った。
手塚は滅多に感情を表に出す事はない。だがその手には確かに深い信頼と愛情が込められているのがその指先から伝わっており、その温もりにもっと触れたいと。もっと近くで感じていたいと、芝浦にそう思わせた。だから彼はその手を握り返すと、手塚の傘へ入ってくる。
「なんだ……自分の傘があるだろう」
「へへー、俺の傘は、もうちょっと降ってきたら使おっかな。それまで一緒の傘でもいいだろ、な、手塚」
「まったく、仕方ないな……もっと傍に来い。肩が濡れてるからな」
手塚はそう言いながら、芝浦の肩を抱き寄せる。
その温もりを感じながら芝浦は改めて手塚の優しさと温かさを実感した。
確かに電話一つするだけで、いくらでも便利に過ごす事はできるだろう。雨に濡れずに帰れる方法だってある。 だが、愛しい人とこうして肩を並べ歩くという事はこんなにも幸せだなのだ。
これなら雨に濡れるのも悪くないと思う。この幸せな時間は、自分の手にある金やコネクションでは手に入れる事が出来ないものなのだ。
そう思うと、濡れながら一つの傘に入り並んで歩く事がやけに楽しく思えたから。
「手塚、また迎えにきてくれよ。また一緒に帰ろうぜ、な。雨の日、一人で帰るのは寂しいもんな」
「おい、また傘を忘れるつもりか? ……まぁ考えておく」
芝浦が笑って言えば、手塚も微かに笑い二人の距離は自然と近くなっていく。
そんな中でも雨は相変わらず降り続いていた。
買い物を終えた芝浦がコンビニから出た時、空からはぽつぽつと雨が降り始めていた。
「あちゃー……まいったな、傘とかもってきてないんだけど」
芝浦が空を見れば雨粒が落ちてくるのが見える。
普段から車の移動が多い芝浦はあまり天気を気にする事がなかったので、笠を持ち歩く習慣がないのだ。
さて、どうしたらいいだろうか。コンビニに戻って傘を買ってい良いが、ビニール傘を置いておくと「芝浦家の人間が安っぽいものを持つな」なんて父親に嫌味を言われるから、タクシーを呼んだ方がいいだろうか。そう思って財布を見るが、基本的にカードで支払いをする芝浦は現金の持ち合わせが心許ない。都内のタクシーがどれだけの距離で幾らかかるかも把握していなかった。
(タクシーだとカードが使えない場合、困るんだよなぁ)
家に電話すれば使用人がすぐに送迎車を出してくれるだろうが、それだと手塚の家には行けない。どうしようか、とりあえず一旦コンビニに戻って少し考えようと思っていた矢先に。
「やっぱりここにいたか……おい、芝浦。迎えに来たぞ」
聞き慣れた声に誘われるよう振り返れば、傘を片手にもつ手塚の姿が見えた。以前手塚の家に遊びに行った時に置き忘れていた芝浦の傘だ。きっと雨が降りそうだから迎えに来てくれたのだろう。
「えっ、手塚? わざわざ来てくれたワケ? って、占いって俺が雨に降られて立ち往生するとか、そんな事もお見通しなの?」
あまりにタイミングの良い出現で、つい驚いてそう口に出す。 それを聞いた手塚は少し笑って見せた。
「別に占わなくても、天気予報というものがあるだろう? 今日は午後から降ると言っていた時間と、お前が授業を終えてから来るといっていた時間が同じくらいだったからな」
「なぁんだ、天気予報か……でも、俺がよくこのコンビニにいるって分ったね」
「俺の家に来る時、お前は大体このコンビニに寄っているだろう? そろそろ授業も終る頃だろうと思ったし、そろそろこのコンビニに居るんじゃないかと思ったんだ……行き違いの可能性もあったが、コンビニにいなかったら電話するつもりだったしな。ほら、これ、お前は傘だろう。前に家に来て忘れた奴だ」
手塚はそう言い、芝浦へと傘を手渡す。
大学に通う時荷物が濡れないよう、リュックもかくれる大きめの傘だ。
「へへ、サンキュさんきゅっ」
そうして手渡された傘を芝浦は僅かに見つける。
ここまで迎えに来てくれたが、タクシーを使った方が濡れずに帰れるだろう。今は小雨だた歩いているうちに大降りになったら髪も服も濡れてしまい乾かすのだって億劫だ。 迎えに来てくれたのは嬉しいが、やはりタクシーを呼んだ方が濡れずに済むだろう。それまでコンビニで雨宿りをしていればいい。
芝浦がそれを告げようと顔を上げた時、手塚はこちらへと手を伸ばす。
「どうした? ……帰らないのか」
そして自然と、芝浦の手を握った。
手塚は滅多に感情を表に出す事はない。だがその手には確かに深い信頼と愛情が込められているのがその指先から伝わっており、その温もりにもっと触れたいと。もっと近くで感じていたいと、芝浦にそう思わせた。だから彼はその手を握り返すと、手塚の傘へ入ってくる。
「なんだ……自分の傘があるだろう」
「へへー、俺の傘は、もうちょっと降ってきたら使おっかな。それまで一緒の傘でもいいだろ、な、手塚」
「まったく、仕方ないな……もっと傍に来い。肩が濡れてるからな」
手塚はそう言いながら、芝浦の肩を抱き寄せる。
その温もりを感じながら芝浦は改めて手塚の優しさと温かさを実感した。
確かに電話一つするだけで、いくらでも便利に過ごす事はできるだろう。雨に濡れずに帰れる方法だってある。 だが、愛しい人とこうして肩を並べ歩くという事はこんなにも幸せだなのだ。
これなら雨に濡れるのも悪くないと思う。この幸せな時間は、自分の手にある金やコネクションでは手に入れる事が出来ないものなのだ。
そう思うと、濡れながら一つの傘に入り並んで歩く事がやけに楽しく思えたから。
「手塚、また迎えにきてくれよ。また一緒に帰ろうぜ、な。雨の日、一人で帰るのは寂しいもんな」
「おい、また傘を忘れるつもりか? ……まぁ考えておく」
芝浦が笑って言えば、手塚も微かに笑い二人の距離は自然と近くなっていく。
そんな中でも雨は相変わらず降り続いていた。
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