インターネット字書きマンの落書き帳
ネコの日にあったかもしれない話。(手芝・みゆしば)
平和な世界線で恋人同士として付き合っている手塚と芝浦の話です。(挨拶)
この話はですね。
2月22日のネコの日にニャンニャンする二人を書こうと思って書き出したら途中から『あれ、これ完全にエロの流れじゃねぇかな』と思い、エロを書き始めてしまった結果、ネコの日にまっっったく間に合わなくなってしまったと。
そういう話ですが、しれっとねこの日に書いたみたいにおいておきますね。
ねこの日に書き始めたのは事実なので、無罪です!
この話はですね。
2月22日のネコの日にニャンニャンする二人を書こうと思って書き出したら途中から『あれ、これ完全にエロの流れじゃねぇかな』と思い、エロを書き始めてしまった結果、ネコの日にまっっったく間に合わなくなってしまったと。
そういう話ですが、しれっとねこの日に書いたみたいにおいておきますね。
ねこの日に書き始めたのは事実なので、無罪です!
『ペットと躾』
「おかえり手塚ぁー! 今日のご飯はオムライス。ネコ耳メイドさんの俺が愛情たっぷりケチャップに愛してるって描いてあげちゃうにゃーん」
手塚が自宅に戻るなり、出迎えたのはネコ耳のカチューシャをつけメイド服を身にまとった芝浦の姿だった。
やけに短いスカートのメイド服には尻尾までついており、猫の足を思わすニーソックスまで着用している。
それを見た手塚の第一声は。
「そうか、いつもの服に着替えろ」
であった。
「手塚って本ッ当に、この手のイベントに興味ないというか……こういう系のノリ悪いよね? どう? ふりふり。可愛くない?」
芝浦は驚くほど淡泊な手塚の態度は予想の範疇といった顔で短いスカートの裾をつまみ上げる。
バラエティショップで買ったような比較的安っぽいメイド服はやけに布が薄く思えた。
「俺はあまり可愛い服には興味もないからな……大体、その大げさすぎるフリルといい、丈の短いスカートといいメイドというよりイメクラを思い出さないか、そういう服は」
「ふーん……イメクラとか行くんだ、手塚」
「例えばの話だ……とにかく着替えてこい」
手塚はそう言いながら荷物を置き上着を脱ぐ。
そんな手塚を芝浦はソファーの上であぐらをかいて眺めていた。
「そんなー、もっと喜んでもいいと思うけど? 可愛い格好してお出迎えしてくれる恋人とか健気だと思わない?」
「自分の事を健気だという奴が本当に健気だと思うのか? ……パンツ丸見えだぞお前」
「いや、ほら。2月22日ってネコの日だろ? だからちょっと頑張ってネコっぽくしてみたんだけどさーダメ?」
「ダメかどうか聞かれてもな……」
女装をしても芝浦は別に仕草まで女の子っぽくするワケではない。短いスカートのまま堂々とあぐらをかいているから下着は丸見えなのだが、それもあまり気にしてないのだろう。
テーブルにはオムライスが作ってある。
こういったイベント事に関して、芝浦はわりと全力で乗り楽しむタイプであった。
「夕食の準備は助かる。お前が女装が好きなら止めないが、そうじゃないなら無理しなくていい……といった所だな。芝浦、女装趣味があるのか?」
「いや、ぜんぜん。むしろ人生で可愛いって言われすぎてウンザリ」
「それならいつもの服に着替えてこい。俺に飼われてるネコのつもりなら、飼い主の言う事を聞け」
芝浦はしぶしぶといった様子で立ち上がると、少し悪戯っぽい笑みを見せる。
「んー、確かに俺は手塚のペットでもいーかなーとか思うけど。飼い主の言う事聞けって言われてもねー……ペットって、結構飼い主の言う事なんて思ったより聞かないんじゃない? むしろネコ飼いって、飼い主がネコ様の奴隷って感じでしょ? ……手塚ももっと俺の言う事聞いてよね」
今まで充分振り回されて、トラブルを運び込まれ散々と翻弄しているくせにどの口が言うのだか。そんな言葉を飲み込むと手塚は少し強引に芝浦の身体を抱き寄せる。
そして戸惑う芝浦と唇を重ねると、舌を絡めたっぷり口中を弄んでやった。
強張っていた芝浦の身体がすぐに溶けるように軟らかく、そして暖かくなっていくのが分る。
「……ず、ズルイでしょ。いつもキスして黙らせるの……俺、アンタにされるの弱いんだって知ってるくせに」
「相手の弱みを見つけたら利用する。お前の常套手段だろう? ……分かったら着替えて来い。続きが欲しかったらちゃんと着替えて、食事の後にしてやる。いいな?」
「あ、あぁ。わかった。うん、わかってるから……」
芝浦は着替えに向う前一度だけ振り返ると。
「いっぱい甘えさせてくれるよね、ご主人様?」
そう言って笑い、部屋の奥に消えた。
残された手塚は冷蔵庫から麦茶を取り出すとソファーにこしかけ一息つく。
「ペットがきちんと言う通りにしてくれるかどうか、ってのはつまるところ躾と愛情だろうな……」
そしてそう独りごちるのだった。
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