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インターネット字書きマンの落書き帳

   
エオルゼア学園の数学教師マキシマさん概念(男子学生夢BL)
エオルゼア学園の数学教師・マキシマさん概念の話です。

エオルゼア学園で数学教師として地味で野暮ったい服装ながら丁重に数学を教えてくれるガレアン人のマキシマ先生。

そんなマキシマ先生に対して憧れを抱いている男子学生が、マキシマ先生に数学の問題を教えてもらいにいきつつ、話してみたら存外に相思相愛っぽかった……。

みたいなストーリーです。

なんだこれは!?
と思ったが、書いている俺は……結構楽しかったぜ!

マキシマ先生は先生だとたぶん一人称「ボク」になるだろうな……。
という謎妄想フィルターが入ったのでマキシマ先生の一人称はボクだし、FF14世界よりもうすこし柔らかな印象になってるような気がしますが仕様です。

なお、男子学生になったのは「Twitterでアンケートをとったら男子学生のほうが多かった」という理由なので俺のせいじゃないです。(責任転嫁)

男子学生は、無気力っぽくちょっと砕けた印象。
「マキシマ先生を娶ってあげますよ」とか言っちゃうタイプです。

夢小説なのか夢BLなのか。
もうかいてる俺にもよくわからないけど、書いててむちゃくちゃ楽しかったです!




『憧憬と思慕の合間に』

 昼休み、弁当を食べ終わるとすぐに俺は数学準備室へと向かった。
 さっぱりわからない微分積分やらサイン・コサインやら見た事のないような記号がならぶ問題を、マキシマ先生に聞くためだ。
 とはいえ、俺の興味としては数学は3割。マキシマ先生と他愛もない話を楽しむのが目的というのが7割といった所だろうか。

「先生ー、マキシマ先生いますかー? わからない問題、教えて欲しいんスけどー」

 俺がそう言いながらドアを開ければ、マキシマ先生はまだ昼食の最中だったようだ。

「あ、あぁ、なんだ君か。今日は来るのが早いな……」

 最近、俺は昼休みのほとんどをこの準備室で過ごしている。マキシマ先生から数学を教わるのが目的という大義名分を掲げて堂々と先生を独り占めできるからだ。
 とはいえ、俺は別段先生と恋仲になりたいといった欲求はない。
 手をつないだり抱きしめられたり。そんな恋人のような妄想を全くしないといえば嘘になるのだが、俺の抱いている感情はそういった思慕や恋慕というものより、もう少し家族愛のような感情に近いだろう。

 こんな人が父親だったら、あるいは兄だったら。近い肉親ではなくても、伯父や従兄弟にこのような人がいてくれたらどんなに良かっただろう。
 そんな気持ちが強かったのは、俺の家庭がお世辞にも安らげるような家ではなかったからだろう。

 小さい頃から罵声が飛び交い、時には刃物を取り出すような喧嘩をする両親に育てられた俺はマキシマ先生の純朴だが優しく誠実な人柄にいたく憧れていた。

「すいません先生、飯でしたか」

 見ればマキシマ先生の机には購買の焼きそばパンにメロンパン、パックのカフェオレが並んでいる。

「うん。いや、でも今すぐ食べるから……」

 慌ててそれらを詰め込もうとする先生を俺は慌てて留めた。 先生だって前の授業が押してる時もある。俺より昼休みが遅い時間だってあるだろう。

「いや、急がなくてもいいですよ。俺、隣の椅子で待ってますから」

 数学準備室は他の先生がいる事が少なく、いつ来てもマキシマ先生が一人で本を読んでいる姿が見れた。
 しわのよったワイシャツにベスト。長めの髪を一つにしているがそこここから髪が飛び出てはみ出している姿はもう30を過ぎているのもあって「くたびれた中年」に見られるだろう。

 実際、マキシマ先生は近代史のアンドゥルー先生と同年代だと聞いているがアンドゥルー先生よりずっと年かさに見える。
 種族が違うといえばその通りなのだが、細面ですらりとした立ち姿のアンドゥルー先生と比べればマキシマ先生は地味で野暮ったく見えた。

 だが俺はそんなマキシマ先生だからこそ好きなのだ。
 地味で野暮ったい姿も大いに結構。この人の優しさや誠実さ、時折見せる笑顔の愛らしさは俺だけが知ってれば充分だ。
 むしろ他の女子たちに知られたら、俺が簡単に近づけなくなるのも困る……なんて、こんな独占欲が出るのはやっぱり俺にも多少の思慕があるのだろうか。

 だが、マキシマ先生が購買のパンを買ってるとは思わなかった。
 てっきり奥さんが腕を振るった愛妻弁当を食べているものだと思っていたからだ。

「でも意外ですね。先生、惣菜パンとか食べてるんですか? 奥さんに弁当作ってもらってると思ってた」

 思った疑問はそのまま口に出る。するとマキシマ先生は少し困ったような顔をして笑って見せた。

「いやぁ、ボクは独身だからね……一人暮らしをしてるといろいろずぼらになってしまって、弁当なんて作る暇もないんだよ」

 独身、と聞いて俺は驚く。アンドゥルー先生がすでに結婚(エタバン)していたから、同じ年頃のマキシマ先生ももう結婚しているものとばかり思っていたからだ。
 そういわれれば、マキシマ先生はアンドゥルー先生と違い指輪をしていない。派手だから外しているのかと思ったが、結婚してないのなら当然だろう。

「あれ、そうだったんですか。俺、てっきりもう結婚してるものかと……」
「なかなか機会に恵まれなくてね……はは、最もボクのように面白みのない男に興味をもってくれる女性なんて早々いないさ」

 マキシマ先生は確かにあまり話し上手ではない。
 教えるのは上手いと思うが(事実、数学に成績がからっきしだったこの俺がマキシマ先生と話す口実として数学を教わるようになってから数学の成績は劇的に良くなっている)、生徒たちと他愛のない雑談はあまり得意ではなかった。
 この前なんてクラスの女子生徒に「マキシマ先生のファーストキスはいくつの頃ですか」なんて茶化すように聞かれたら、真っ赤になって口をもごもごさせるといった有様だ。
 思いも寄らぬようなアドリブと色恋沙汰の話はどうにも苦手らしい。

 最も俺は、そこがまたマキシマ先生の実直さの現れだと感じているのだが。

「そうですかねー。俺は先生のそういう所こそ魅力だと思いますよ」

 数学の教科書を広げながら、俺は言う。

「確かに先生は見た目ちょっと地味系だと思ってるんですけど。ンでも、いつも生徒に数学の楽しさを教えたい。数式により表せる美しさとか、実際に日常で使われている数学のあり方とか。そういうのを皆に伝えたいっていう情熱っていうんですか? 芯みたいなのがちゃんとあるから、先生の授業って楽しいですし」
「そ、そうかな……」
「だから、先生のそういう所見てくれる人がいれば上手くいくと思いますよ。俺には先生のそういう所がかっこよく見えますから」

 俺の言葉に、マキシマ先生は恥ずかしそうに顔を押さえる。

「き、君はまだ若いのにずいぶんと。その……積極的な言葉を使うんだね。ボクみたいな歳になると、そんなまっすぐな言葉は少し刺激的すぎるよ……」

 照れているのだろうか。俺としては思った事をただ口にしただけなのだが、やはり色恋沙汰となるとからっきしのようだ。
 ……まてよ?
 俺の言葉でこんなに照れて見せるという事は、多少俺の事を意識してくれているのだろうか。  だとしたら有りがたい。恋愛という気持ちとは少し違うが、もしマキシマ先生がずっと俺の傍にいてくれたら……そう願った事は一度や二度ではないのだから。

「そうですかね。俺はホントに、先生の事カッコイイって思ってますから……あぁ、そうだ。もし俺が卒業するまでに先生がまだ独身だったら、俺が先生を娶ってあげてもいいですよ。マキシマ先生、俺のお嫁さんになってくれますか?」
「およめっ……!? な、何言ってるんだい。ボクは男だよ!?」
「俺も男ですよ。いや、お嫁さんってのは冗談ですけどね。卒業して先生が独り身だったら、俺と二人で一緒に暮らすのも面白いかなーと思って」

 大学に行くにせよ就職するにせよ、学校を卒業したらマキシマ先生と今ほど頻繁に会えなくなる。 もし第一世界へ行く事になったりでもすれば、ほとんど稀にしか会えない距離になってしまうだろう。 それを思うと俺は胸が張り裂けそうな程に辛い気持ちになった。
 けれども卒業という別れは必ず確実にやってくるのだ。この他愛もない会話をする休み時間は永遠ではないのだから。

「本当に、ビックリするような事を言うなぁ君は……」

 そこで、マキシマ先生は俺の方を向き直る。
 そして不意に真面目な顔をするとその片手を俺の拳に乗せた。

「あぁ、だけど。そうだね……もし、君が卒業するまで本当にそう思っていてくれたのなら……」

 その声は優しく、だがある種の覚悟がうかがえていたから、俺も思わず真剣な顔でマキシマ先生の顔を見る。メガネの奥に優しさと深い愛情のこもった瞳が輝いていた。

「……その時は、ボクからその言葉を言わせてもらえるかい? ボクも、君と一緒に暮らすのはやぶさかではないと……そう、思っているいから」

 まっすぐな言葉は刺激が強いなんて自分で言っておいて、何だ。マキシマ先生だってずいぶんとまっすぐな言葉で俺を貫こうとするじゃないか。

「本気ですか?」
「こういう冗談は苦手なんだよ……それに、知ってるだろう? ガレアン人は執着が強いんだ」

 ガレアン人は愛した存在や気になった存在になど酷く執着するという。
 俺は会った事ないが、卒業生のリウィアという人物がガイウス先生に酷く執着してすでに1000通を超えるラブレターを出しているという噂は聞くし、このエオルゼア学園にもゆかりのあるシド会長の周りにはいつもネロという人物がライバル視してまとわりついているという。
 ガレアン人は束縛が強すぎるくらいだから付き合うなら一生を覚悟しなければいけない……ともよく言われているらしい。
 思えばマキシマ先生に浮いた話が少ないのは、ガレアン人のそういった気質を周囲が知っているために意識して避けられているのもあるのだろう。

「それなら、まず俺の手料理を食べてみてもらいましょうか。購買のパンは美味いから俺も好きですが、栄養偏りますんで。俺が卒業する前に病気で倒れられたりしたら困りますからね」
「はは、手厳しいね……」
「明日から、弁当作ってきますよ。あ、気にしないでください。俺の分作るついでですし、普段から休み時間にも勉強教えてもらってるお礼なんで」
「勉強を教えるのはボクの仕事だから気にしないのは無理だな……いつかお礼に、映画でも見に行くかい」
「いいですね。俺、先生の好きな映画も知らないですから……」
「これからゆっくり卒業までに教えてあげるよ。ボクの事を。だから君の話ももっとしてくれると嬉しいな」

 これは恋ではないと思っていたが、どうやら違うようだ。
 俺はマキシマ先生と一緒に行く映画が楽しみに思えるし、マキシマ先生の好きな食べ物や好きな本。そういった話をもっとしたい。
 この人のことをもっと知りたいと、そう思うから。

「……わかりました。これから、楽しみにしておきますよ」
「あぁ、ぼくも……楽しみだ」

 重ねた手を自然と握り、俺たちは向かい合って笑い出す。
 自分よりずっと年上の男を前に抱く感情ではないのかもしれないが、このくすぐったいような温もりが今はとにかく心地よかった。

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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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