インターネット字書きマンの落書き帳
未亡人うりえんじぇさん概念(ムンウリ)
星が降り注ぎ落ちてきそうな夜に、ムーンブリダの事を思うウリエンジェさんの話です。
漆黒の5.0以後の話を想定しているので……。
漆黒をクリアしてない人は見ないでねッ!
内容は……。
なんか「未亡人概念のウリエンジェさん」です。
ウリエンジェさん人妻だったのかな!?
とも思いますが、ウリエンジェさんは人妻かつ未亡人だと思います。
全編がウリエンジェさんの語りになってますが……。
ウリエンジェさんっぽいの難しいねッ!
そりゃライター内でも台詞に齟齬が出ちゃうな……と、おもいました。(作文)
漆黒の5.0以後の話を想定しているので……。
漆黒をクリアしてない人は見ないでねッ!
内容は……。
なんか「未亡人概念のウリエンジェさん」です。
ウリエンジェさん人妻だったのかな!?
とも思いますが、ウリエンジェさんは人妻かつ未亡人だと思います。
全編がウリエンジェさんの語りになってますが……。
ウリエンジェさんっぽいの難しいねッ!
そりゃライター内でも台詞に齟齬が出ちゃうな……と、おもいました。(作文)
『星が消えず瞬くように』
…………。
…………あぁ、あなたでしたか。
すいません、どうやら私をお探しだったようですね。
誰かに言付けしてから出かければ良かったのでしょうが、一時の平穏につい油断しておりました。
ここが平和でも世界全てが平和ではないというのに……。
大切なことを言わずに、つい一人で思い行動してしまうのは私の悪い癖ですね。それで幾度も失敗している事は私自身が一番分っているはずなのですが。
最も、反省や後悔をしてもなかなか治せないから悪癖と言われるのでしょうが……。
えぇ、夜空を眺めておりました。
この世界の……第一世界の夜空を……そう、あなたが取り戻してくれた「夜」です。
100年も夜が失われたこの世界においても、星々が輝いていた記憶は風化する事なく記憶へ刻まれ、その輝きは魂の輝きと思われていた……。
私たちの世界もそうですが、この世界でも命は輝き、どんな暗闇のなかでも標となって光ってくれているのですね……。
月が見えないのが……寂しい所ですが。
私たちの世界で、月は禍々しくも赤く忌むべき光を放つ恐るべき遺物でしかありませんでした。
それでも「月」の名がある故に、私はそれが嫌いになれないでいた。
『アタシの名前? はは、変わってるだろ? ルガディン風の名付けって奴さ。ムーンブリダ、月の娘とか、月の花嫁。ちょっとロマンティックな奴だと月に娶られた娘、なんて意味だって言うね。どうだい? アタシに似合いのいい名前だろう?』
この世界はあなたが訪れるまで夜がありませんでした。
いくら空を見上げてもいつだって見られるのは光に満ちた空ばかり。
そのまま数年の月日を過しているからでしょうね。
今は、月がひどく懐かしい。
遠くにあるような気がしてならないのです。
わかっております。
私が本当に求めているのは月などではないと……それは貴方も気付いているのでしょう。
私は、どこか「今」を軽んじていたのでしょう。
詩のような言葉を紡ぎ、自身も本心も全て煙に巻こうとして心の底を探られたいと思わなかったのは、以前の私は臆病だったからでしょう。
そして、この世界がこんなにも残酷で命が簡単に摘み取られてしまうという事実をどこか他人事のように見ていた部分もあったのです。
いかなる苦難があっても、また同じように笑っていられる。
ずっと変わらずに仲間たちと傍にいて、同じ食卓につき、他愛もない話をして眠る。
そんな穏やかな日々が、永遠にあると思っていた……。
永遠など存在しないと知っていながら、自分だけは違う。
自分の周りは変わらないと信じようとしていた……。
……現実を目の当たりにするのが恐ろしくて、ただ言葉の幻惑へと逃げていた。
愚かな事だと思います。
それ故に、「伝えたい」と気付いた時、その相手はすでにもうどこにもいないのですから……。
彼女が私を愛していたのかどうかは……今になっては分りません。
そうであれば良いとも思いますが、直接愛の言葉を告げられた事はありませんので……。
いや、きっと私が伝えるべき言葉だったのでしょうね。
彼女はずっと、態度でそう示していたのですから……。
……今になって、思うのです。
最後の瞬間でも私を見てただ笑うだけで、何も伝えないまま逝ってしまった彼女のことを。 彼女はきっと知っていたのでしょうね。
言葉は呪いになり得るものだと。
そしてそれは強い恨みや嫉妬の言葉より、深い愛情によるものの方が遙かに大きく相手を縛り得るという事を。
だからこそ、彼女は私に何も伝えなかった。
自分の言葉で、自分の思いで、きっと私を縛り付けたくはなかったのでしょう。
彼女は自由な人でしたから、過去に縛られた私が前を向けなくなる事が。立ち止まって歩けなくなる事がないように。
サンクレッドは私を「恐ろしく気が長い」などと言っておりましたが……私は、彼やあなたほど強くはない。
とても弱い人間です。
弱いから知識で身を守ろうとし、弱いから言葉で翻弄し、本心を語る事を避ける……そんな私を彼女はよく知っておりましたから……。
あぁ、だけど思うのです。
例え私の「これから」が縛られてしまったのだとしても。
それが「呪い」となったのだとしても。
彼女から、その言葉を聞きたかった……と……。
……私は、何て自分勝手なのでしょうね。
自分の言葉が足りないのを言い訳にして、いつでも相手に求めてしまう。
彼女はそんな私でも理解してくれて様々な言葉を与えてくれたというのに、私はその言葉に応えようとしなかった。
私は彼女と長年過してきた時間が変わるのが、怖かった。
私と彼女の時間はずっとあるものだとどこか思い込もうとしていた。
そのくせ失った時にその影ばかり引きずっているのですから……。
……あなたはこんな愚かな私も気にかけてくださるのですね。
ありがとうございます。
そう、悲しいのは……それだけ彼女が与えてくれた喜びが、幸福が大きかったから。
喪失感はそれだけ彼女とともにいたから……。
彼女は私の「これから」を思って呪いにならぬよう何も告げなかったのでしょうが、私はもう少しだけこの思いを背負いながら夜空を仰いで行こうと思います。
たとえ一時であれど、かつて彼女とは思いが通い合っていた。
その幸福にもう少しだけ……甘える事をどうか、お許しください……。
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